《速報解説》 政府税調、「国税犯則調査手続の見直しについて」を公表~近時の刑事訴訟法改正を参考に電磁的記録に係る証拠収集手続規定を整備、29年度大綱への盛り込み目指す~
本年11月14日、政府税制調査会が、「国税犯則調査手続の見直しについて」と題する報告を公表した。
当該報告は、脱税事件の調査等の根拠法である国税犯則取締法に係る規定の整備を目的とするものである。報道によれば、来月にも公表される平成29年度税制改正大綱に盛り込むことが予定されている。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第29回】「取引別にみた収益の認識基準①」
企業活動の中心となる商品又は製品等の棚卸資産の販売収益の額は、その引渡しのあった日の属する事業年度の益金の額に算入されます(法基通2-2-1)。
このような取扱いを置いたのは、昭和38年12月の「整備答甲」で、収益の認識基準について「法的基準」としては「所有権の移転又は役務提供があったとき」としながら、「具体的運用」は「引渡し又は同時履行の抗弁権を失ったとき」としているからです。
組織再編におけるスピンオフについて~平成29年度税制改正へ向けた現状の課題~
「スピンオフ(spin-off)」とは、現物配当その他の比例的分配により、株主に対して、既存子会社又は事業を切り出して設立した新設子会社の株式を交付することによって、当該子会社又は事業を切り離す組織再編をいう。米国では、例えば、2015年にeBayがPayPalを分離独立する際の手法として用いられる等、事業の切り離しの手段として広く普及している。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第10回】「別表6(16) 雇用者の数が増加した場合又は特定の地域において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(16)付表 基準雇用者数等、給与等支給額及び比較給与等支給額の計算に関する明細書」〈その1〉
第10回目は、最近改正された制度の中で比較的書籍等での掲載頻度が少ない「別表6(16) 雇用者の数が増加した場合又は特定の地域において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(16)付表 基準雇用者数等、給与等支給額及び比較給与等支給額の計算に関する明細書」を採り上げる。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例44(法人税)】 「交換差金の額が20%を超えたため、固定資産の交換の特例の適用ができなくなってしまった事例」
平成X7年12月期の法人税につき、共有名義の土地建物の所有権を法人、個人間で整理するため、税理士の指導により土地建物の交換及び売買を行い、交換により取得した資産の圧縮記帳の損金算入(以下「固定資産の交換の特例」という)により交換譲渡益の課税を繰り延べようとしたが、「20%要件」(交換差金の額が交換取得資産と交換譲渡資産のいずれか多い価額の20%を超えないこと)を満たしていないため、交換の特例の適用ができなかった。
これにより、固定資産圧縮損が損金計上できなくなり、固定資産売却益が発生したため、過大納付となった法人税額につき、賠償請求を受けた。
マイナンバーの会社実務Q&A 【第23回】「源泉徴収税額表の乙欄適用の従業員のマイナンバーの取得」
年末調整の際、源泉徴収税額表の甲欄適用の従業員は給与所得者の扶養控除等申告書へマイナンバーを記載して会社へ提出しますが、乙欄適用の従業員は給与所得者の扶養控除等申告書を会社へ提出しません。
乙欄適用の従業員からもマイナンバーを取得する必要があるか教えてください。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q21】「投資一任口座(ラップ口座)における株式の譲渡に係る所得区分及び必要経費の控除」
私(居住者たる個人)はA証券会社との間で投資一任契約を締結し、A証券会社に資産運用専用の口座(ラップ口座)を開設しました。A証券会社は、投資一任契約に基づき、私に代わり投資資金の運用に関する投資判断と執行を行い、上場株式等(原則所有期間1年以下)の取得、売買等を行います。私はA証券会社に投資顧問報酬として固定報酬及び成功報酬を支払うこととなっています。
この場合、投資一任口座内で行われた国内上場株式の売買取引から生じる所得区分はどのようになるのでしょうか。また、投資顧問報酬を所得から控除することはできますか。
なお、特定口座や非課税口座(NISA口座)は利用していません。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第2回】「申告・納付期限の延長」
法人税及び消費税の申告期限は、原則として「事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内」である。
ただし、次のような理由により申告期限までに法人税の確定申告書を提出できない常況にある法人については、「申告期限の延長の特例の申請書」を所轄税務署長に提出することにより、法人税の申告期限延長の特例の適用を受けることができる。
裁判例・裁決例からみた非上場株式の評価 【第20回】「租税法上の評価④」
前回では、東京高裁平成17年1月19日判決について解説を行った。
本稿では、東京地裁平成17年10月12日判決について解説を行う。本事件は、特例的評価方式を採用した納税者の判断を認めた事件である。
税務判例を読むための税法の学び方【95】 〔第9章〕代表的な税務判例を読む(その23:「文理解釈と立法趣旨③」(最判平22.3.2))
控訴審においては、前回紹介した第一審の判断をそのまま承認し、同じ判断を下している。そして、控訴人の控訴審における追加した主張に対して、その判断を示している。
源泉所得税額は当然に画一的・機械的に計算できることが予定されていると解すべきであるから、「当該支払金額の計算期間の日数」の意義は各集計期間の全日数と解すべきという主張に対して以下のように判示する。
