公開日: 2013/05/02 (掲載号:No.17)
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組織再編税制における不確定概念 【第7回】「適格合併における繰越欠損金の利用①」

筆者: 佐藤 信祐

組織再編税制における不確定概念

【第7回】

「適格合併における繰越欠損金の利用①

 

公認会計士 佐藤 信祐

 

平成13年度税制改正により組織再編税制が導入され、適格合併に該当した場合には、繰越欠損金の引継制限が課されない限り、被合併法人の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことが可能になった。

そのため、繰越欠損金を引き継ぐために適格合併を行うということを検討する場面も多く、租税回避行為に該当するか否かが議論になることも少なくない。

そこで、第7回目と第8回目の2回に分けて、適格合併により繰越欠損金を引き継ぐ行為について、租税回避行為として認定されるか否かについて解説を行う。

 

1 支配関係が生じてから5年経過するまで待つ場合

平成13年度税制改正により、適格合併に該当した場合には、被合併法人の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことが可能になった(法法57②)。そのため、繰越欠損金を利用することを目的とした合併というのも想定される。一般的な合併は事業目的が主目的ではあるが、そのような場合であっても、被合併法人に繰越欠損金がある場合には、当該繰越欠損金を意識した組織再編成になることが多い。

このように、適格合併による繰越欠損金の引継ぎについては租税回避行為に繋がりやすいことから、支配関係が生じてから合併事業年度開始の日まで5年を経過しておらず、かつ、みなし共同事業要件を満たさない場合には、繰越欠損金の引継制限が課されることとされている(法法57③)。

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組織再編税制における不確定概念

【第7回】

「適格合併における繰越欠損金の利用①

 

公認会計士 佐藤 信祐

 

平成13年度税制改正により組織再編税制が導入され、適格合併に該当した場合には、繰越欠損金の引継制限が課されない限り、被合併法人の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことが可能になった。

そのため、繰越欠損金を引き継ぐために適格合併を行うということを検討する場面も多く、租税回避行為に該当するか否かが議論になることも少なくない。

そこで、第7回目と第8回目の2回に分けて、適格合併により繰越欠損金を引き継ぐ行為について、租税回避行為として認定されるか否かについて解説を行う。

 

1 支配関係が生じてから5年経過するまで待つ場合

平成13年度税制改正により、適格合併に該当した場合には、被合併法人の繰越欠損金を合併法人に引き継ぐことが可能になった(法法57②)。そのため、繰越欠損金を利用することを目的とした合併というのも想定される。一般的な合併は事業目的が主目的ではあるが、そのような場合であっても、被合併法人に繰越欠損金がある場合には、当該繰越欠損金を意識した組織再編成になることが多い。

このように、適格合併による繰越欠損金の引継ぎについては租税回避行為に繋がりやすいことから、支配関係が生じてから合併事業年度開始の日まで5年を経過しておらず、かつ、みなし共同事業要件を満たさない場合には、繰越欠損金の引継制限が課されることとされている(法法57③)。

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連載目次

筆者紹介

佐藤 信祐

(さとう・しんすけ)

公認会計士・税理士、法学博士
公認会計士・税理士 佐藤信祐事務所 所長

平成11年 朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)入所
平成13年 公認会計士登録、勝島敏明税理士事務所(現 デロイトトーマツ税理士法人)入所
平成17年 税理士登録、公認会計士・税理士佐藤信祐事務所開業
平成29年 慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了(法学博士)

【主な著書】
・『ケース別に分かる企業再生の税務』(共著、中央経済社)
・『企業買収・グループ内再編の税務─ストラクチャー選択の有利不利判定─』(共著、中央経済社)
・『組織再編税制 申告書・届出書作成と記載例』(共著、清文社)
・『制度別逐条解説 企業組織再編の税務』(共著、清文社)
・『組織再編における株主課税の実務Q&A』(共著、中央経済社)
・『組織再編における包括的租税回避防止規定の実務』(中央経済社)
・『債務超過会社における組織再編の会計・税務』(共著、中央経済社)
・『グループ法人税制における無対価取引の税務Q&A』(共著、中央経済社)
・『組織再編・グループ内取引における消費税の実務Q&A』(共著、中央経済社)
・『実務詳解 組織再編・資本等取引の税務Q&A』(共著、中央経済社)
・『これだけ!組織再編&事業承継税制』(共著、中央経済社)
・『無対価組織再編・資本等取引の税務』(中央経済社)
・『グループ法人税制・連結納税制度における組織再編成の税務詳解』(共著、清文社)
・『消費税 個別対応方式の実務 プラス 100Q&A』(共著、清文社)
・『組織再編による 事業承継対策』(共著、清文社)
・『組織再編の会計と税務の相違点と別表四・五(一)の申告調整』(共著、清文社)
・『中小企業のための組織再編・資本等取引の会計と税務』(共著、清文社)
・『条文と制度趣旨から理解する 合併・分割税制』(清文社)
・『事業承継M&Aの実務』(共著、清文社)
・『組織再編税制大全』(清文社)
・『新版 サクサクわかる! 超入門 中小企業再編の税務』(清文社)
・『サクサクわかる! 超入門 合併の税務』(清文社)
・『サクサクわかる!M&Aの税務』(清文社)
・『サクサクわかる!株主対策の税務』(清文社)
・『ドリル式 組織再編成の確定申告書 別表四・五(一)徹底攻略』(清文社)
・『不動産M&Aの税務』(日本法令)
・『みなし配当の税務』(日本法令)

その他M&A、グループ内再編、事業再生及び事業承継に関する書籍多数。

        

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