谷口教授と学ぶ
国税通則法の構造と手続
【第21回】
「国税通則法56条(~59条)」
-国税の還付の意義と手続-
大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫
国税通則法56条(還付)
(還付)
第56条 国税局長、税務署長又は税関長は、還付金又は国税に係る過誤納金(以下「還付金等」という。)があるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。
2 国税局長は、必要があると認めるときは、その管轄区域内の地域を所轄する税務署長からその還付すべき還付金等について還付の引継ぎを受けることができる。
1 「還付」と「還付金等」の意義
国税通則法第5章(56条以下)は、同法第3章の「国税の納付及び徴収」に関する規定に従って納付又は徴収された国税について、その還付の手続及びこれに関連する事項(充当、還付加算金及び国税の予納額の還付の特例)を定めている。還付という語は、一般に、下記のような意味で用いられるが(新村出編『広辞苑〔第7版〕』(岩波書店・2018年)676頁)、ここでは、下記の②の意味に準じて、国税の納税義務(税通15条1項括弧書参照)の履行として国庫に一旦納付された金員を税務署長等が当該納税者に返すことを意味するものと解される。
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