《速報解説》
関連資料の不提示等及び相続国外財産に係る
「国外財産調書制度」の見直し
~令和2年度税制改正大綱~
税理士 菅野 真美
1 現行の制度と問題点
国外財産調書制度とは、12月末現在の国外財産が5,000万円超の非永住者以外の居住者が、その種類や価額を記載して提出する義務のある調書である。この調書に記載された国外財産について、将来、所得税や相続税の税務調査で増差税額が生じた場合、加算税が5%軽減され、調書不提出・記載不備の場合は所得税について加算税が5%加重されていた。
現行制度の問題点として、調書に記載さえすれば、関連資料の不提示・不提出であったとしても軽減措置が適用され、相続税については、たとえ、国外財産調書の不提出・記載不備であったとしても加算税の加重措置は適用されず、これでは、国外財産についての適正な課税の確保が難しいと考えられていた。
このような状況を受け、12月12日に公表された令和2年度税制改正大綱(与党大綱)では以下のように、本制度の見直しが行われることが明記された。
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