公開日: 2019/12/16
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《速報解説》 関連資料の不提示等及び相続国外財産に係る「国外財産調書制度」の見直し~令和2年度税制改正大綱~

筆者: 菅野 真美

 《速報解説》

関連資料の不提示等及び相続国外財産に係る

「国外財産調書制度」の見直し

~令和2年度税制改正大綱~

 

税理士 菅野 真美

 

1 現行の制度と問題点

国外財産調書制度とは、12月末現在の国外財産が5,000万円超の非永住者以外の居住者が、その種類や価額を記載して提出する義務のある調書である。この調書に記載された国外財産について、将来、所得税や相続税の税務調査で増差税額が生じた場合、加算税が5%軽減され、調書不提出・記載不備の場合は所得税について加算税が5%加重されていた。

現行制度の問題点として、調書に記載さえすれば、関連資料の不提示・不提出であったとしても軽減措置が適用され、相続税については、たとえ、国外財産調書の不提出・記載不備であったとしても加算税の加重措置は適用されず、これでは、国外財産についての適正な課税の確保が難しいと考えられていた。

このような状況を受け、12月12日に公表された令和2年度税制改正大綱(与党大綱)では以下のように、本制度の見直しが行われることが明記された。

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関連資料の不提示等及び相続国外財産に係る

「国外財産調書制度」の見直し

~令和2年度税制改正大綱~

 

税理士 菅野 真美

 

1 現行の制度と問題点

国外財産調書制度とは、12月末現在の国外財産が5,000万円超の非永住者以外の居住者が、その種類や価額を記載して提出する義務のある調書である。この調書に記載された国外財産について、将来、所得税や相続税の税務調査で増差税額が生じた場合、加算税が5%軽減され、調書不提出・記載不備の場合は所得税について加算税が5%加重されていた。

現行制度の問題点として、調書に記載さえすれば、関連資料の不提示・不提出であったとしても軽減措置が適用され、相続税については、たとえ、国外財産調書の不提出・記載不備であったとしても加算税の加重措置は適用されず、これでは、国外財産についての適正な課税の確保が難しいと考えられていた。

このような状況を受け、12月12日に公表された令和2年度税制改正大綱(与党大綱)では以下のように、本制度の見直しが行われることが明記された。

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連載目次

◆ 「令和2年度税制改正大綱」に関する《速報解説》 ◆

(※) 各テーマごとに順次公開します。

【全体概要】・・・・・・・・
【所得課税】・・・・・・・・
【法人課税】・・・・・・・・
【消費課税】・・・・・・・・
【資産課税】・・・・・・・・
【国際課税】・・・・・・・・
【納税環境】・・・・・・・・

筆者紹介

菅野 真美

(すがの・まみ)

税理士・社会福祉士・CFP

関西学院大学法学部政治学科卒業後、平成2年税理士試験合格。
平成18年まで新日本監査法人大阪事務所並びに関係会社において、監査並びに税務コンサルティング業務に従事。
その後、日本租税綜合研究所主任研究員を経て、税理士事務所開業。現在、東京税理士会芝支部、信託法学会会員、成年後見法学会会員。

【主な著書】
・『老後の備え・相続から教育資金贈与、事業承継まで 「信託」の基本と使い方がわかる本』日本実業出版社
・『税理士のために国外転出時課税と国際相続について考えてみました』中央経済社
・『申告なし・税金なしの贈与使いこなしQ&A 教育・結婚・子育て資金一括贈与+ジュニア NISA』中央経済社
・『顧問税理士なら答えて!個人の国際課税Q&A 結婚・転勤・移住・留学・運用・相続アラカルト80』(共著)中央経済社
・『教育資金の一括贈与非課税制度完全ガイド』中央経済社
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