公開日: 2017/12/28 (掲載号:No.250)
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相続空き家の特例 [一問一答] 【第26回】「「適用前譲渡」又は「適用後譲渡」をした旨の通知がなかった場合」-他の相続人への通知-

筆者: 大久保 昭佳

相続空き家の特例 [一問一答]

【第26回】

「「適用前譲渡」又は「適用後譲渡」をした旨の通知がなかった場合」

-他の相続人への通知-

 

税理士 大久保 昭佳

 

X(兄)は、昨年2月に死亡した父親の居住用家屋(昭和56年5月31日以前に建築)を単独で相続し、その敷地300㎡については、その庭部分100㎡をY(弟)が、残り200㎡をXが相続しました。

Xは、その家屋を取り壊し更地にした上で、相続した土地200㎡を昨年5月に8,000万円で売却しました。相続の開始の直前まで父親は一人暮らしをし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家で、その敷地も相続の時から譲渡の時まで未利用の土地でした。

Xは、昨年分の確定申告に当たり「相続空き家の特例(措法35③)」を適用して申告しました。また、Yは、庭部分100㎡を本年9月に4,000万円で売却しましたが、譲渡をした旨等のXへの通知を失念したままでいます。

この場合、Xは、そのまま、「相続空き家の特例」の適用を受けることができるでしょうか。

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相続空き家の特例 [一問一答]

【第26回】

「「適用前譲渡」又は「適用後譲渡」をした旨の通知がなかった場合」

-他の相続人への通知-

 

税理士 大久保 昭佳

 

X(兄)は、昨年2月に死亡した父親の居住用家屋(昭和56年5月31日以前に建築)を単独で相続し、その敷地300㎡については、その庭部分100㎡をY(弟)が、残り200㎡をXが相続しました。

Xは、その家屋を取り壊し更地にした上で、相続した土地200㎡を昨年5月に8,000万円で売却しました。相続の開始の直前まで父親は一人暮らしをし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家で、その敷地も相続の時から譲渡の時まで未利用の土地でした。

Xは、昨年分の確定申告に当たり「相続空き家の特例(措法35③)」を適用して申告しました。また、Yは、庭部分100㎡を本年9月に4,000万円で売却しましたが、譲渡をした旨等のXへの通知を失念したままでいます。

この場合、Xは、そのまま、「相続空き家の特例」の適用を受けることができるでしょうか。

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連載目次

相続空き家の特例[一問一答]

〔令和5年・追加問答〕

〔共有に係る個々の特別控除額〕

  • 【第47回】
    共有で相続した家屋とその敷地を譲渡する場合
    (令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡)

〔家屋の取壊し時期と譲渡所得の収入すべき時期との関係〕

  • 【第48回】
    家屋の取壊し前の売買契約日を収入時期として申告した場合
    (令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡)

〔令和元年・追加問答〕

〔相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲〕

  • 【第32回】
    「相続空き家の特例」を受けることができる家屋⑤
    (老人ホーム等に入居中であった場合)
    (平成31年(2019年)4月1日以後の譲渡に係る取扱い)

〔共有に係る個々の特別控除額〕

  • 【第33回】
    共有で相続した家屋とその敷地を譲渡する場合
    (令和5年(2023年)12月31日以前の譲渡)

〔家屋の取壊し時期と譲渡所得の収入すべき時期との関係〕

  • 【第34回】
    家屋の取壊し前の売買契約日を収入時期として申告した場合
    (令和5年(2023年)12月31日以前の譲渡)

〔特殊関係者に対する譲渡〕

〔相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲〕

  • 【第36回】
    被相続人居住用家屋及び敷地等の範囲③
    (おおむね90%以上が居住の用に供されている場合)

〔相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲〕

  • 【第37回】
    被相続人居住用家屋及び敷地等の範囲④
    (同一の敷地内に明確に区分できる居住用以外の敷地がある場合)

〔相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲〕

  • 【第38回】
    「相続空き家の特例」を受けることができない被相続人居住用家屋の敷地等
    (土地及び建物が同一の被相続人からの相続により取得したものでない場合)

〔譲渡価額要件の判定〕

  • 【第39回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑦
    (買主が家屋取壊費用を負担して譲渡価額が決定している場合)
  • 【第40回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑧
    (贈与をしている場合)
  • 【第41回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑨
    (この特例を受けるための目的のみで相続の開始の直前に一時的に居住の用以外の用に供したと認められる部分)

〔相続空き家の特例と他の特例との重複適用関係〕

  • 【第42回】
    「所有期間が10年超の軽減税率の特例」との適用関係

〔資産損失と取壊費用〕

  • 【第43回】
    被相続人居住用家屋の残存価額と取壊費用の経費性

〔耐震リフォーム代〕

  • 【第44回】
    耐震リフォーム代は譲渡費用か、それとも取得費用か

〔第一次相続が未分割のままで第二次相続が発生した場合〕

  • 【第45回】
    第一次相続が未分割のままで第二次相続が発生しその相続人が1人の場合
  • 【第46回】
    第一次相続が未分割のままで第二次相続が発生しその相続人が複数の場合

〔相続空き家の特例の適用要件の概要〕

  • 【第1回】
    「3,000万円特別控除」と「相続空き家の特例」の適用要件の主な相違点

〔相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲〕

  • 【第2回】
    「相続空き家の特例」を受けられる者
    (家屋とその敷地の両方を取得した者)
  • 【第3回】
    「相続空き家の特例」を受けられない家屋①
    (区分所有登記がされている建物の場合)
  • 【第4回】
    「相続空き家の特例」を受けられない家屋②
    (老人ホーム等に入居中であった場合)
    (平成31年(2019年)3月31日以前の譲渡に係る取扱い)
  • 【第5回】
    「相続空き家の特例」を受けられない家屋③
    (別棟の離れ、倉庫、蔵、車庫等の建築物)
  • 【第6回】
    「相続空き家の特例」を受けられない家屋④
    (賃借人や同居人がいた場合)
  • 【第7回】
    被相続人居住用家屋及びその敷地等の範囲①
    (離れや倉庫などを取壊して母屋を耐震リフォームし譲渡した場合)
  • 【第8回】
    被相続人居住用家屋及びその敷地等の範囲②
    (離れや倉庫などの建築物が未登記であった場合)
  • 【第9回】
    母屋と離れ等の複数の建築物がある場合の計算例①
    (共有相続の場合)
  • 【第10回】
    母屋と離れ等の複数の建築物がある場合の計算例②
    (部分相続の場合)
  • 【第11回】
    母屋と離れ等の複数の建築物がある場合の計算例③
    (相続開始直前においてその敷地等に相続人の所有分がある場合)
  • 【第12回】
    被相続人居住用家屋が店舗兼住宅等であった場合の居住用部分の判定
  • 【第13回】
    相続の時から譲渡の時までの利用制限
    (相続後に無償で貸した場合)

〔対象敷地の一部の譲渡〕

  • 【第14回】
    敷地の一部について既に「相続空き家の特例」を受けている場合
  • 【第15回】
    家屋とともに敷地の一部を譲渡した場合
  • 【第16回】
    家屋を取壊しその一部を駐車場として貸し残りの敷地を譲渡した場合
  • 【第17回】
    その他の相続人が単独で取得した部分があるときの取壊し後の一部の譲渡
  • 【第18回】
    共有で敷地を相続し家屋を取壊して分筆後の敷地の一部を譲渡した場合

〔譲渡価額要件の判定〕

  • 【第19回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定①
    (「居住用家屋取得相続人の範囲」と「適用前譲渡」「適用後譲渡」)
  • 【第20回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定②
    (相続開始直前において居住用家屋取得相続人に自己の持分がある場合)
  • 【第21回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定③
    (店舗兼住宅等を譲渡した場合)
  • 【第22回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定④
    (母屋と離れ等の複数の建築物のある敷地等を譲渡した場合)
  • 【第23回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑤
    (「適用前譲渡」又は「適用後譲渡」が著しく低い価額による譲渡の場合)
  • 【第24回】
    「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑥
    (売買契約金額以外の別名目で金銭の授受が行われている場合)

〔他の相続人への通知〕

  • 【第25回】
    「相続空き家の特例」を受けようとする際の通知を要する相続人の範囲
  • 【第26回】
    「適用前譲渡」又は「適用後譲渡」をした旨の通知がなかった場合

〔相続空き家の特例と他の特例との重複適用関係〕

  • 【第27回】
    同一年中に自己の居住用財産と相続空き家の譲渡があった場合
  • 【第28回】
    「住宅借入金等特別控除」との適用関係
  • 【第29回】
    「相続税額の取得費加算の特例」との適用関係

〔相続空き家の特例を受ける場合の添付書類〕

  • 【第30回】
    登記事項証明書で「相続空き家の特例」を受けられる家屋であることについての証明ができない場合

〔相続空き家の特例を適用しないで申告した場合〕

  • 【第31回】
    一部の対象譲渡について「相続空き家の特例」を適用しないで申告した場合

【関連記事】
「特定居住用財産の買換え特例[一問一答]」(全20問)

〔譲渡価額要件の判定〕

  • 【第1回】
    「買換えの特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定①
    (居住用の家屋等の一部を前々年に贈与している場合)
  • 【第2回】
    「買換えの特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定②
    (店舗兼住宅等を譲渡した場合の計算例)
  • 【第3回】
    「買換えの特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定③
    (家屋と敷地の所有者が異なる場合)
  • 【第4回】
    「買換えの特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定④
    (店舗兼住宅等の譲渡で居住用部分が90%以上である場合)

〔買換資産の取得期間・取得の日〕

〔買換資産の範囲〕

  • 【第7回】
    既に有する土地を買換資産として造成をした場合
  • 【第8回】
    買換えする土地の取得に伴いその宅地の造成等をした場合
  • 【第9回】
    買換資産の家屋を改良、改造した場合
  • 【第10回】
    居住用家屋の取得に伴って建物附属設備や応接セット等を取得した場合
  • 【第11回】
    立退料を支払って貸地の返還を受けた場合
  • 【第12回】
    家屋は買換資産と認められず、土地のみが買換資産となる場合

〔居住の用に供する期限〕

〔居住の用の判定〕

  • 【第14回】
    買換資産を本人が居住の用に供しない場合の適用関係①
    (単身赴任等の場合)
  • 【第15回】
    買換資産を本人が居住の用に供しない場合の適用関係②
    (生計を一にする親族のみが居住している場合)
  • 【第16回】
    買い換えた土地の上に親族が家屋を建築して同居した場合

〔更正の請求及び修正申告〕

  • 【第17回】
    「買換えの特例」の適用後における更正の請求又は修正申告

〔期限前の贈与〕

  • 【第18回】
    買い換えた土地建物の一部を居住の用に供する期限までに贈与した場合

〔譲渡者の死亡〕

  • 【第19回】
    譲渡者が買換資産を取得しないで年の中途で死亡した場合

〔特別の事情〕

  • 【第20回】
    居住の用に供しないことについて特別の事情がある場合

【関連記事】
「居住用財産の譲渡所得3,000万円特別控除[一問一答]」(全30問)

〔制度概要〕

  • 【第1問】
    「3,000万円特別控除」と「買換えの特例」の適用要件の相違点
  • 【第2問】
    「3,000万円特別控除」と「買換えの特例」の選択
  • 【第3問】
    土地家屋の共有者と異なる「居住用財産の特例」の適用

〔居住用財産の範囲〕

  • 【第4問】
    家屋の持分とその土地の持分が異なる場合
  • 【第5問】
    共有の家屋と共にその単独所有の土地を譲渡した場合
  • 【第6問】
    共有土地上に2棟の家屋がある場合
  • 【第7問】
    区分所有に係る建物とその単独所有の土地を譲渡した場合
  • 【第8問】
    区分所有に係る建物とその共有敷地(マンション)を譲渡した場合
  • 【第9問】
    共有家屋と共にその共有敷地を譲渡した場合
  • 【第10問】
    住民票の住所と実際の住所が異なる場合
  • 【第11問】
    同一年中に2回居住用財産を譲渡した場合
  • 【第12問】
    相続による取得後、居住の用に供したことがない家屋の譲渡
  • 【第13問】
    譲渡前に新たな居住用財産を取得している場合
  • 【第14問】
    一時的に居住の用に供した家屋の譲渡
  • 【第15問】
    居住期間が短期間である家屋の譲渡
  • 【第16問】
    家屋の貸し合いをしている場合
  • 【第17問】
    転勤のため家屋を娘夫婦に貸した場合
  • 【第18問】
    転勤により空家とした後も継続して管理している場合
  • 【第19問】
    海外勤務のため空家にしていた住宅を譲渡した場合
  • 【第20問】
    居住の用に供されなくなった後、敷地の贈与を受けて譲渡した場合

〔一の家屋〕

  • 【第21問】
    2棟の建物が一の家屋と認められない場合
  • 【第22問】
    2棟の建物が一の家屋と認められる場合
  • 第23問
    接している2区画のマンションを一体として居住の用に供している場合
  • 第24問
    所有者の異なる2棟の建物を一体として居住の用に供している場合

〔店舗兼住宅等〕

〔配偶者等の居住用家屋〕

  • 【第27問】
    転勤のため単身赴任し、妻子の住む家屋を譲渡した場合
  • 【第28問】
    家屋の建築途中に転勤し、妻子の住む家屋を譲渡した場合
  • 【第29問】
    配偶者等を一時的に住まわせた後で譲渡した場合
  • 【第30問】
    離婚訴訟中の配偶者が居住している家屋を譲渡した場合

筆者紹介

大久保 昭佳

(おおくぼ・あきよし)

税理士

慶應義塾大学卒業。
元東京国税局課税第一部 資産課税課審理専門官・機動課総括主査・資料調査課総括主査。
平成22年10月税理士登録。

〈相続センター(杉並区)〉大久保税理士プロフィール
https://souzoku-fudousan.com/index.php?大久保税理士プロフィール

【主な著書】
・『Q&A居住用財産の譲渡特例大全~相続空き家の3,000万円特別控除から譲渡損失の繰越控除までを網羅』(清文社)
・『国税OBによる税務調査と実務対応』(共著・税務経理協会)
・『資産税調査における是否認の接点』(共著・大蔵財務協会)

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