事例で検証する
最新コンプライアンス問題
【第37回】
「AI事業会社の架空売上」
弁護士 原 正雄
2024年10月に東証グロースに上場したO社において、翌2025年4月、売上が過大計上されている可能性が浮かび上がった。証券取引等監視委員会の調査がきっかけである。
ただちに第三者委員会が設置され、同年7⽉25⽇、調査報告書が提出され、同月28日、その公表版が公表された。その結果、過去3年半で売上が合計119億円、過大計上されていたことが明らかになった。O社が受け取っていた代金は、O社が広告代理店に提供した金額が戻ってきただけであり、売上としての実態を伴っていなかった。
同年10月29日、法人としてのO社とY社長ら4名が、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪で起訴された。2026年5月25日、O社に罰金3億円、2名に懲役3年(執行猶予5年)の有罪判決が言い渡された。他方、Y社長ともう1名は、同日時点で公判がまだ始まっていない。
以下、第三者委員会の調査報告書を中心に、O社の不正について分析する。
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