税務争訟に必要な
法曹マインドと裁判の常識
【第3回】
「税務訴訟における裁判所の役割」
弁護士 下尾 裕
税務訴訟における裁判所の役割は何であろうか。これに一言で答えるとすれば、裁判所の役割は、「課税庁と納税者間の争いに対する最終的な判断を行うこと」である。
本連載は、税務争訟に必要な法曹マインドを解説するものであるが、この法曹マインドを理解する上で最も重要なのは、最終権者たる裁判所(裁判官)の考え方を理解することにあると言っても過言ではない。
そこで、【第3回】以降は、法曹の中でも特に裁判所に焦点を当て、税務訴訟における裁判所の役割、価値判断、さらには事実認定や法律解釈の傾向等を順次分析してみたい。
1 裁判所は税務訴訟において何を判断するのか
まず、最初に、裁判所は税務訴訟(特に課税処分等の取消訴訟)において何を判断するのであろうか。
大まかに言えば、課税庁と納税者間の争いの白黒、具体的には課税処分の当否を判断するのであるが、正確には「課税処分の違法性一般」を判断すると整理されている。
非常に分かりにくい表現だが、ポイントは「一般」という文言が付いていることにある。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。
すでに会員登録をされている方は、下記ボタンからログインのうえ、ご覧ください。
Profession Journalのすべての記事をご覧いただくには、「プレミアム会員(有料)」へのご登録が必要となります。
なお、『速報解説』については「一般会員(無料)」へのご登録でも、ご覧いただけます。
※他にもWebセミナー受け放題のスーパープレミアム会員などがございます。
会員登録がお済みでない方は、下記会員登録のボタンより、ご登録のお手続きをお願いいたします。