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役員インセンティブ報酬の分析 【第6回】「譲渡制限付株式②」-平成29年度税制改正後-

筆者:中野 竹司

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役員インセンティブ報酬の分析

【第6回】

「譲渡制限付株式②」

-平成29年度税制改正後-

 

弁護士・公認会計士 中野 竹司

 

1 譲渡制限付株式を用いた報酬形態の概要と平成29年度税制改正

役員のインセンティブ報酬のツールとして、株式報酬の活用が期待されたが、従来はあまり活用されていなかった。それは、会社法及び税法上の取扱いも含め、制度導入手続が不明確ないし使いにくい制度であったことが大きな阻害要因となっていた。

そこで、経済産業省は平成27年7月に「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」報告書を公表、さらに平成28年6月には「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬「いわゆる「リストリクテッド・ストック」の導入等の手引き~」を公表するなど、特定譲渡制限付株式報酬の導入に関する実務的な環境整備がなされた。

また、本連載【第1回】で紹介したように、平成28年度税制改正により、特定譲渡制限付株式として法人税法上役員報酬のうち損金算入可能な事前確定届出給与に該当するものの要件が明確化され、利益連動給与の指標の拡充がなされた。これにより、株式報酬制度の導入は一定程度促進された。

もっとも、欧米で利用実績のある株式報酬について法人税法上は損金算入が認められない類型のものも多く、さらなる活用を後押しする必要もあり、平成29年度税制改正で役員報酬制度が一層整備されることとなった。

 

2 平成29年度税制改正の概観と譲渡制限付株式の取扱い

(1) 平成29年度税制改正の概要(株式報酬部分)

税法上の役員報酬制度は、平成18年度税制改正で整備されて以来、制度そのものが大きく見直されることはなかった。すなわち、損金算入可能な役員報酬は、法人税法の定める、定期同額給与、事前確定届出給与又は利益連動給与の各要件を満たした制度でなければならないとされていた。一方、退職給与と新株予約権は、別に損金算入要件が認められていた。

平成29年度税制改正では、定期同額給与、事前確定届出給与又は利益連動給与という損金算入可能な役員報酬の3類型は維持しつつ、退職給与や新株予約権も役員報酬の中に含めて損金算入の可否を考えることとなった。


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筆者紹介

  • 中野 竹司

    (なかの・たけし)

    弁護士・公認会計士

    太田昭和監査法人(現新日本有限責任監査法人)入所後、会計監査、株式上場支援、及び財務デューデリジェンス業務を経験した後、司法試験に合格し司法研修所に入所。弁護士登録(東京弁護士会)し同監査法人に復帰。会計監査、法務案件を担当したのち退職。
    現在、石澤・神・佐藤法律事務所 パートナー弁護士。

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