公開日: 2013/11/28 (掲載号:No.46)
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林總の管理会計[超]入門講座 【第15回】「個別原価計算への誤解」

筆者: 林 總

林總の

管理会計[超]入門講座

【第15回】

「個別原価計算への誤解」

 

公認会計士 林 總

 

特定の製品・作業に対する集計方式ではない

 製品別計算の最後が個別原価計算だ。何度も繰り返してきたように、製品別に原価を集計できるのは個別原価計算しかない。

それでは、原価計算基準(以下、基準)がどのように個別原価計算を考えているか、じっくり見ていくことにしよう。
まず基準には、

個別原価計算は、種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する。個別原価計算にあっては、特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計し、製品原価は、これを当該指図書に含まれる製品の生産完了時に算定する。

 と書かれていて、その適用例として

経営の目的とする製品の生産に際してのみでなく、自家用の建物、機械、工具等の製作又は修繕、試験研究、試作、仕損品の補修、仕損による代品の製作等に際しても、これを特定指図書を発行して行なう場合は、個別原価計算の方法によってその原価を算定する。

 とある。君に、イメージがつかめるかな。

 そうですね。例えば大きな船を造るとか、建物を建設するとかだったら、それ毎に原価を集計すればいいんですよね。
でも、「修繕、試験研究、試作、仕損品の補修」となると、漠然としてイメージがつかめません。

 そうだよね。修繕とか試験研究には形がないからね。でも、原価はかかっている。

 先生、もったいぶらないで教えてください。

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林總の

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【第15回】

「個別原価計算への誤解」

 

公認会計士 林 總

 

特定の製品・作業に対する集計方式ではない

 製品別計算の最後が個別原価計算だ。何度も繰り返してきたように、製品別に原価を集計できるのは個別原価計算しかない。

それでは、原価計算基準(以下、基準)がどのように個別原価計算を考えているか、じっくり見ていくことにしよう。
まず基準には、

個別原価計算は、種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する。個別原価計算にあっては、特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計し、製品原価は、これを当該指図書に含まれる製品の生産完了時に算定する。

 と書かれていて、その適用例として

経営の目的とする製品の生産に際してのみでなく、自家用の建物、機械、工具等の製作又は修繕、試験研究、試作、仕損品の補修、仕損による代品の製作等に際しても、これを特定指図書を発行して行なう場合は、個別原価計算の方法によってその原価を算定する。

 とある。君に、イメージがつかめるかな。

 そうですね。例えば大きな船を造るとか、建物を建設するとかだったら、それ毎に原価を集計すればいいんですよね。
でも、「修繕、試験研究、試作、仕損品の補修」となると、漠然としてイメージがつかめません。

 そうだよね。修繕とか試験研究には形がないからね。でも、原価はかかっている。

 先生、もったいぶらないで教えてください。

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連載目次

筆者紹介

林 總

(はやし・あつむ)

公認会計士
経営コンサルタント

1974年、中央大学商学部会計科卒業。外資系会計事務所、監査法人勤務を経て独立。経営コンサルティング、大学教員、執筆、講演活動などを行っている。

主な著書は『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』、『50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?』、『[新版]わかる!管理会計』(以上、ダイヤモンド社)、『ドラッカーと会計の話をしよう』(中経出版)、『貯まる生活』(文藝春秋)『崖っぷち女子大生あおい、チョコレート会社で会計を学ぶ。』(清文社)ほか多数。

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