林總の
管理会計[超]入門講座
【第2回】
「なぜ原価計算をするんですか?」
公認会計士 林 總
Q 新しい原価計算について、もう少しくわしく教えてもらえませんか。
林 伝統的原価計算は、工場で作る製品の原価計算に限定されて説明されてきた。だが、それは20世紀初頭の産業を前提とした考えにすぎないから、銀行や物流会社など工場を持たない業種の原価管理には使えなかった。
原価計算はメーカーだけでなく、すべての組織に必要なんだ。例えば、病院でも、学校でも、NPOでさえ原価計算は必要だ。
なぜか分かるかな?
あらゆる組織は、利益を増やし続けないと、いずれ行き詰まる。利益は原価を使った結果なんだよ。だから、あらゆる業種で、原価がどのように使われ、どれだけの「成果」をあげたか、知る必要がある。
Q 質問させてください。成果って、何ですか?
林 「売上高や利益」のことだね。
原価計算は利益を計算し、利益を管理するために行うんだよ。原価が分からなければ、どれだけの利益が出たのかも、どの製品が利益をもたらしているのかも分からない。
Q だから会社には、原価計算が必要なんですね。
林 原価計算がもたらす情報は経営にとって重要なんだけど、かといって原価計算をすれば、原価が自動的に減って、利益が増えるわけではない。
それはちょうど、レントゲン写真みたいなもので、どこが異常かは漠然としか分からない。治療をしなければ、病気は治らない。
しかし、伝統的原価計算は、製品原価が目標よりも高いことしか分からない。しかも、原価を引き下げて利益を増やすたには、具体的なアクションが必要なんだ。
だから、原価計算をすれば、すぐにでも利益管理ができる、と考えるべきではないんだよ。
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