固定資産をめぐる判例・裁決例概説
【第18回】
「塩田跡地を造成してゴルフ場用地とした土地について
鑑定評価額をもって登録価格としたことは違法か否かが争われた事例」
税理士 菅野 真美
▷固定資産税の課税標準となるものは
固定資産税の課税標準となるものは、土地の場合は、賦課期日における価格で土地課税台帳もしくは土地補充課税台帳に登録されたものとするとされている(地法349①)。
課税台帳に登録された価格(以下「登録価格」という)は、固定資産評価基準(以下「評価基準」という)に基づいて算定されることになる。
基本的には登録価格は、評価基準に基づく価格となるが、異なる場合もある。最高裁平成25年7月12日判決によると、登録価格が評価基準によって決定される価格を上回る場合は、当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るか否かにかかわらず、その登録価格の決定は違法なものとされる。
つまり、固定資産税においては評価基準に基づいて算定された価格が絶対的な尺度と考えられる。しかし、土地の形や立地は多様であり、評価基準は、必ずしもすべての土地の適切な評価ができるように網羅されているものではない。それでは、評価基準で適切な評価ができないような場合は、何に基づいて評価すれば合理的なのだろうか。
今回は、当初塩田であった土地を造成してゴルフ場にした案件にかかる固定資産税評価額について、評価基準ではなく鑑定評価に基づいて登録価格を算定したことから争われた事案を検討する。
【最高裁判所令和4年3月3日判決】(TAINSコード:Z999-8439)
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。