公開日: 2024/08/29 (掲載号:No.583)
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固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第40回】「相続開始日の前日に持分放棄をした場合、相続人は不動産を承継しないからその相続人に対する賦課決定処分は違法であるとされた事例」

筆者: 菅野 真美

固定資産をめぐる判例・裁決例概説

【第40回】

「相続開始日の前日に持分放棄をした場合、相続人は不動産を承継しないからその相続人に対する賦課決定処分は違法であるとされた事例」

 

税理士 菅野 真美

 

▷課税台帳主義とその例外

固定資産税は、賦課期日に固定資産を有している者に対して課されるものである(地法343①、359)。この場合の固定資産の所有者というのは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者(区分所有に係る家屋については、当該家屋に係る建物の区分所有等に関する法律2条2項の区分所有者とする)として登記又は登録がされている者(地法343②前段)とされる。つまり、固定資産の所有者であっても、固定資産課税台帳に所有者として登録されない限り、固定資産税を課されることはない(※1)

(※1) 金子宏『租税法(第24版)』(弘文堂、2021年)771頁

また、賦課期日である1月1日に売買して所有権が移転したとしても、固定資産課税台帳に所有者として名前が記載されている限り固定資産税の納税義務を免れることはない(本連載【第36回】「1月1日に売却した家屋のその年の固定資産税等の納税義務者は売主であるとされた事例」参照)。

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【第40回】

「相続開始日の前日に持分放棄をした場合、相続人は不動産を承継しないからその相続人に対する賦課決定処分は違法であるとされた事例」

 

税理士 菅野 真美

 

▷課税台帳主義とその例外

固定資産税は、賦課期日に固定資産を有している者に対して課されるものである(地法343①、359)。この場合の固定資産の所有者というのは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者(区分所有に係る家屋については、当該家屋に係る建物の区分所有等に関する法律2条2項の区分所有者とする)として登記又は登録がされている者(地法343②前段)とされる。つまり、固定資産の所有者であっても、固定資産課税台帳に所有者として登録されない限り、固定資産税を課されることはない(※1)

(※1) 金子宏『租税法(第24版)』(弘文堂、2021年)771頁

また、賦課期日である1月1日に売買して所有権が移転したとしても、固定資産課税台帳に所有者として名前が記載されている限り固定資産税の納税義務を免れることはない(本連載【第36回】「1月1日に売却した家屋のその年の固定資産税等の納税義務者は売主であるとされた事例」参照)。

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連載目次

固定資産をめぐる判例・裁決例概説

第1回~第20回 ※クリックするとご覧いただけます。

筆者紹介

菅野 真美

(すがの・まみ)

税理士・社会福祉士・CFP

関西学院大学法学部政治学科卒業後、平成2年税理士試験合格。
平成18年まで新日本監査法人大阪事務所並びに関係会社において、監査並びに税務コンサルティング業務に従事。
その後、日本租税綜合研究所主任研究員を経て、税理士事務所開業。現在、東京税理士会芝支部、信託法学会会員、成年後見法学会会員。

【主な著書】
・『老後の備え・相続から教育資金贈与、事業承継まで 「信託」の基本と使い方がわかる本』日本実業出版社
・『税理士のために国外転出時課税と国際相続について考えてみました』中央経済社
・『申告なし・税金なしの贈与使いこなしQ&A 教育・結婚・子育て資金一括贈与+ジュニア NISA』中央経済社
・『顧問税理士なら答えて!個人の国際課税Q&A 結婚・転勤・移住・留学・運用・相続アラカルト80』(共著)中央経済社
・『教育資金の一括贈与非課税制度完全ガイド』中央経済社
他多数

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