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#Profession Journal 編集部
2015/01/21

《速報解説》 銀行等に対し預貯金情報をマイナンバーで検索できるよう義務付けへ~税務調査等での効率的な利用を促進。今後の関連法改正に注視(平成27年度税制改正大綱)~

《速報解説》 銀行等に対し預貯金情報をマイナンバーで検索できるよう義務付けへ ~税務調査等での効率的利用を促進。今後の関連法改正に注視(平成27年度税制改正大綱)~   仰星監査法人 公認会計士 岡田 健司   はじめに 「平成27年度税制改正大綱」において、預貯金情報に対してマイナンバーを付与することが織り込まれた。またこれを受けて、財務省より資料「マイナンバーが付された預金情報の効率的な利用について(案)」が公表されている。 そこで、この税制改正の内容と財務省から公表された資料に基づき、マイナンバーが付与された預貯金情報が今後どのように利活用される予定であるのかについて解説する。   1 税制改正の内容 平成27年1月14日に閣議決定した平成27年度の税制改正大綱(103頁)において、円滑で適正な納税環境を整備する観点から、マイナンバーが付された預貯金情報の効率的な利用に関する措置が織り込まれた。 具体的には、マイナンバーが付された預貯金情報を税務手続において効率的に利用する観点から、番号法並びに、国税通則法及び地方税法等を改正し、銀行等に対し預貯金情報をマイナンバーにより検索可能な状態で管理することが義務づけられることになる。   2 財務省「マイナンバーが付された預金情報の効率的な利用について(案)」 当該資料(下図)(※1)は、財務省のメールマガジン(平成26年12月30日付)で公表されたものである。当該資料で税制改正並びに「マイナンバーが付与された預貯金情報」制度のイメージ及び法改正の動向について把握していきたい。 (※1) この財務省の資料には、「預金」情報とあるが、貯金もその範囲に含まれることから、正しくは「預貯金」情報である。税制改正大綱においては、預貯金情報と記載されている。 【参考】 財務省ホームページ この資料から読み取れるこの制度のポイントは、次のとおりである。 なお、この制度の目的(※3)を十分に達成するための課題は、預貯金口座に対する付番をいかに促進し、いかにより多くの口座に対して付番をするかという点である (※3) 目的として資料に列挙されているのは社会保障制度における資力調査や税務調査であるが、換言すれば生活保護等の不正受給、脱税の防止抑制のためともいえる。これらのほか、マネーロンダリング防止、預金保険、通名による預金口座の名寄せなども挙げられる。 そこで、本資料には、付番開始後、すなわち平成30年1月から3年を目途に、預貯金口座に対する付番の状況等を踏まえて、預貯金口座への付番促進のための所要の措置を講じる旨の見直し規定を法案の附則に規定する方向で検討するとされている。つまり、預金者にマイナンバーの告知義務が課される可能性もありうるということである。 (了)

#No. 102(掲載号)
#岡田 健司
2015/01/20

《速報解説》 「中小企業の会計に関する指針」、平成26年改正に係る公開草案が公表~資産の陳腐化等の場合は未経過使用可能期間にわたる償却も~

《速報解説》 「中小企業の会計に関する指針」、平成26年改正に係る公開草案が公表 ~資産の陳腐化等の場合は未経過使用可能期間にわたる償却も~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年1月14日、「中小企業の会計に関する指針」の改正に関する公開草案が公表された(日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会から公表)。 これは、「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号)などの企業会計基準の改正等に対応するものである。 意見募集期間は、平成27年2月13日までである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正内容 1 固定資産の減価償却 従来、減価償却計算に適用した耐用年数又は残存価額の修正を行う場合、過年度における減価償却累計額を修正し、その修正額を特別損失に計上するとしていた。 公開草案では、資産の陳腐化その他一定の事由により使用可能期間が従来の耐用年数に比して著しく短くなった場合は、未経過使用可能期間(使用可能期間のうちいまだ経過していない期間)にわたり減価償却を行うとしている。 2 退職給付債務・退職給付引当金 公開草案は、確定給付制度、退職給付債務、確定拠出制度の用語を用いた表現に改正している。 3 組織再編の会計 「少数株主」から「非支配株主」へ用語を改正している。 (了) ↓お薦め連載↓

#No. 102(掲載号)
#阿部 光成
2015/01/20

《速報解説》 中小企業等の貸倒引当金の特例、簡便法適用時の基準年度を見直し~平成12年4月1日以後の新設法人も適用可能に(平成27年度税制改正大綱)~

 《速報解説》 中小企業等の貸倒引当金の特例、簡便法適用時の基準年度を見直し ~平成12年4月1日以後の新設法人も適用可能に(平成27年度税制改正大綱)~   税理士 小谷 羊太   〇一括貸倒引当金-現行制度の概要 貸倒引当金は、金銭債権のうち、将来の貸倒れに備えるために、その損失の見込額を計上することができる引当金制度である。 一括貸倒引当金は、会社が有する金銭債権のうち、将来回収不能となるであろうと予測する貸倒損失額を当期において見積計上しようとするものである。 損金経理により貸倒引当金として費用計上した金額のうち、一定額(貸倒引当金繰入限度額)が当期の損金として認められる。   〇一括貸倒引当金繰入限度額の計算 繰入限度額の計算には、貸倒実績率による計算方法と法定繰入率による計算方法がある。 このうち、法定繰入率による計算方法は期末資本金が1億円以下の中小法人のみが選択することができる。 ◆貸倒実績率による計算方法(参考) 一括評価金銭債権 × 貸倒実績率 = 一括貸倒引当金繰入限度額 ◆法定繰入率による計算方法   〇中小企業等の貸倒引当金の特例-貸倒引当金の繰入限度額の計算 法定繰入率により計算する一括貸倒引当金繰入限度額は、上記算式のとおり「一括評価金銭債権の額」から「実質的に債権とみられないものの額」を差し引いた金額に「法定繰入率」を乗じて算出する。 「実質的に債権とみられないものの額」の計算方法には、個別法による方法と簡便法による方法がある。個別法で算出した金額と簡便法で算出した金額のうち、いずれかの金額を選択することができるが、少ない金額を採用したほうが結果的に貸倒引当金の繰入限度額は大きくなる。 黒字が見込まれる事業年度については特に、それぞれの方法で計算した結果を踏まえて有利な方を選択することとなる。   〇平成27年度税制改正大綱の内容 平成26年12月30日付けで公表された自由民主党、公明党による平成27年度税制改正大綱によれば、「中小企業等の貸倒引当金の特例について、実質的に債権とみられない金額の計算について基準年度実績による簡便法を用いる場合の基準年度を平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始した各事業年度に見直す」とある(大綱p73)。 現行制度においては、簡便法を用いる場合の基準年度は平成10年4月1日から平成12年3月31日までの間に開始した各事業年度のデータを基にして計算することとなっているが、この期間を上記の期間に見直すということが公表された。   〇基準年度実績による簡便法の計算 基準年度実績による実質的に債権とみられないものの額の計算は、次の算式により計算した「控除割合」を一括評価金銭債権に乗じて計算する。 上記算式にある各事業年度は、基準年度のものを使用する。 つまり、現行制度においては、平成10年4月1日から平成12年3月31日までに開始した各事業年度のものを使用し、税制改正による見直しはこの基準期間について、平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始した各事業年度のものを使用することとなる。   〇基準年度における留意点 現行制度においては、平成10年4月1日から平成12年3月31日において会社が存在していなかった場合、つまり、平成12年4月1日以降に新設された会社などについては、上記の基準期間が存在しないため、この基準年度実績による簡便法の計算ができなかった。しかし、今回改正によりその基準期間を平成27年4月1日から平成29年3月31日として見直しをすることにより、簡便法での計算が可能となる。 簡便法による計算は、控除割合を用いて「実質的に債権とみられない金額」を容易に計算することができるため、通常の申告時には貸倒引当金の適用を受けない企業であっても簡便法による計算により貸倒引当金の繰入限度額が容易に計算できるようになる。 改正後においては、新しい控除割合の数値が必要となるため、平成27年4月1日から平成29年3月31日までに開始する各事業年度においては、個別法により「実質的に債権とみられないものの額」の計算をしておく必要がある。   〇実質的に債権とみられないものの額(参考) 実質的に債権とみられないものの額は、有する金銭債権の相手方に対して相殺適状にある債務のほか、次のような金額も該当する。 (了)

#No. 102(掲載号)
#小谷 羊太
2015/01/19

《速報解説》 平成27年度改正における主な措置法(法人税関係)の見直し(まとめ)~商業・サービス業等活性化税制は2年延長、生産等設備投資促進税制は廃止へ~

《速報解説》 平成27年度改正における 主な措置法(法人税関係)の見直し(まとめ) ~商業・サービス業等活性化税制は2年延長、生産等設備投資促進税制は廃止へ   Profession Journal編集部   以前よりその有効性について検証が行われていた租税特別措置については、特に昨年は法人税率の引下げに伴う代替財源策として、政府税調においても下記のように、廃止を含めた見直しの方向で議論されていた(税制調査会「法人税の改革について」(平成26年6月)p3~4)。 以下では平成27年度税制大綱(与党大綱)で明らかとなった主な措置法の見直し等の内容についてまとめた。   〇商業・サービス業・農林水産業活性化税制は2年延長 商業・サービス業を営む中小企業等が経営改善設備を取得した場合に、取得価額の30%特別償却又は7%税額控除ができる「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」(特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除:措法42の12の3)は、対象者から認定経営革新等支援機関等を除外し、一部の対象設備については消費税率引上げ対策と関係がないものを除外するなど所要の見直しを行った上、適用期限(現行:平成27年3月31日まで)を平成29年3月31日まで2年延長することとされた(所得税についても同様)(大綱p75)。 なお本制度の詳細は下記の記事を参照いただきたい。   〇生産等設備投資促進税制は平成27年3月31日で廃止 法人の規模にかかわらず一定額以上の生産等設備を取得した場合に、新たに取得等をした機械・装置について30%の特別償却又は3%の税額控除(法人税額の20%を限度)ができる「生産等設備投資促進税制」(国内の設備投資額が増加した場合の機械等の特別償却又は法人税額の特別控除:措法42の12の2)については、適用期限となる平成27年3月31日をもって廃止することとされた(大綱p75)。 (※) 「生産性向上設備投資促進税制」(措法42の12の5)については後述。   〇環境関連投資促進税制(いわゆるグリーン投資減税)の即時償却は、対象資産を風力発電設備のみとした上で1年延長 エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合に特別償却又は税額控除が可能な「環境関連投資促進税制」(エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除:措法42の5)のうち、平成27年3月31日で適用期限を迎える即時償却については、風力発電設備のより一層の導入促進を図るため、即時償却の対象資産から太陽光発電設備を除外し風力発電設備のみとした上で、その適用期限を平成28年3月31日まで1年延長することとされた(所得税についても同様)(大綱p75)。   〇雇用促進税制は地方拠点強化税制に係る特例措置を拡充 一定以上の雇用者数の増加に応じ税額控除を受けられる「雇用促進税制」(雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除:措法42の12)は、地方における企業の拠点強化を促進する特例措置の創設(地方拠点強化税制)の一環として、「地方拠点の当期増加雇用者数1人当たりの税額控除の特例措置(拡充型・移転型)」が加わる(適用期間は3年間(平成30年3月31日までに「地方拠点強化実施計画」が承認された事業者が対象))(大綱p69)。 【参考図】   (※) 経済産業省ホームページ   〇生産性向上設備投資促進税制、所得拡大促進税制、研究開発税制の取扱い判断は平成28年度改正以降へ 次年度以降に適用期限を迎える「生産性向上設備投資促進税制(措法42の12の5)」(平成28年度末期限)、「所得拡大促進税制(措法42の12の4)」(平成29年度末期限)及び「研究開発税制(措法42の4)」(増加型・高水準型は平成28年度末期限)については、いずれも平成28年度税制改正以降における法人税改革の第2段階において、「景気の好循環の定着状況等を踏まえつつ、取扱いについて検討を行う」こととされた(大綱p4)。 なお、所得拡大促進税制及び研究開発税制(総額型)については、適用要件等の見直しが行われている。くわしくは下記の《速報解説》を参照いただきたい。 (了)

#No. 102(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2015/01/16

《速報解説》 主な車体課税の改正事項~10%消費税率へ向け抜本改革は先送り(平成27年度税制改正大綱)~

 《速報解説》 主な車体課税の改正事項 ~10%消費税率へ向け抜本改革は先送り(平成27年度税制改正大綱)~   公認会計士・税理士 菊地 弘   平成26年12月30日公表の「平成27年度税制改正大綱」(自由民主党・公明党)で明らかとなった自動車の車体課税等に関する主な改正事項は次のとおりである。 なお、消費税率10%引上げの延期により、「消費税率10%段階の車体課税の見直しについては、平成28年度以後の税制改正において具体的な結論を得る」とされ(大綱p8)、自動車取得税の廃止等の判断は先送りされることとなった。   1 車体課税の見直し (1) 自動車重量税【国税】 ① 「自動車重量税のエコカー減税」についての見直しと適用期限の2年延長   (乗用自動車等の例)(H27.5~H29.4) 消費税率10%への引上げ時の環境性能割の導入にあわせ、エコカー減税の対象範囲を、平成32年度燃費基準の下で、政策インセンティブ機能を回復する観点から見直すとともに、基本構造を恒久化することとされた。 ② 本則税率適用対象車の見直し 上記①の改正により、本措置の対象外となる平成27年度燃費基準を満たす検査自動車で平成29年4月30日までに新車に係る新規検査を受けるものについては、当該新規検査の際に納付すべき自動車重量税について本則税率を適用する経過措置を講ずる。 (2) 自動車取得税【地方税】 ① 「自動車取得税のエコカー減税」の見直しと適用期限の2年延長   (自動車等の例)(H27.4~H29.3) (3) 軽自動車税【地方税】 ① 「軽自動車税のグリーン化特例(軽課)」の導入   (乗用車の例)(H27.4~H28.3) (注1) 平成27年4月1日から平成28年3月31日までに新規取得した四輪以上及び三輪の軽自動車(新車に限る。) (注2) H21年排出ガス規制窒素酸化物10%低減 (注3) H17年排出ガス規制窒素酸化物等75%低減 上記の特例措置は、自動車税・軽自動車税における環境性能割の導入の際に、自動車税のグリーン化特例(軽課)とあわせて見直すこととされた(大綱p96)。 ② 税率適用開始の1年間延期 平成27年度分以後の年度分について適用することとされている原動機付自転車及び二輪車に係る税率については、適用開始を1年間延期し、平成28年度分以後の年度分について適用することとされた(大綱p98)。   2 租税特別措置等 (1) バリアフリー車両(ノンステップバス、リフト付きバス等)に係る特例措置 ① 自動車重量税【国税】 公共交通移動等円滑化基準に適合した乗合自動車等に係る自動車重量税の免税措置の適用期限を3年延長する。 ② 自動車取得税【地方税】 公共交通移動等円滑化基準に適合したノンステップバス及びリフト付きバス並びにユニバーサルデザインタクシー(新車に限る)に係る自動車取得税の課税標準の特例措置の適用期限を2年延長する。 (2) 先進安全自動車(ASV)に係る特例措置の延長・拡充 先進安全自動車(ASV)技術(対象装置:衝突被害軽減制動制御装置(衝突被害軽減ブレーキ)、車両安定性制御装置)を備えるトラック・バスに係る特例措置について、対象要件の拡充等を行った上で、自動車重量税の特例措置は3年間、自動車取得税の特例措置は2年間延長する。 車両総重量20トン超22トン以下のトラックについて、1装置装着の特例期間は平成28年10月31日まで。 平成28年11月1日以降は両装置装着に限り、自動車重量税:50%軽減(初回のみ)、自動車取得税:取得価額から350万円控除。 車両総重量5トン以下のバスに係る特例措置の対象装置は、衝突被害軽減ブレーキに限る。 (了)

#No. 102(掲載号)
#菊地 弘
2015/01/16

Profession Journal No.102が公開されました!~今週のお薦め記事~

2015年1月15日(木)AM10:30、 Profession Journal(プロフェッションジャーナル)  No.102 が公開されました。   - ご 案 内 - Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2015/01/15

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第25回】「消費税法上の「事業」と所得税法上の「事業」(その1)」~租税法内部における同一概念の解釈~

酒井克彦の 〈深読み◆租税法〉 【第25回】 「消費税法上の「事業」と所得税法上の「事業」(その1)」 ~租税法内部における同一概念の解釈~   中央大学商学部教授・法学博士 酒井 克彦   Ⅰ 事案の概要 本件は、X(原告・控訴人)が代表者を務めていた有限会社Aに対する建物の賃貸は消費税法上の「事業」に当たらないとしてした消費税及び地方消費税の更正の請求について、税務署長Y(被告・被控訴人)が更正をすべき理由がない旨の通知処分をしたことに対し、Xがその取消しを求めた事案である。 Xは、平成10年1月1日から同年12月31日までの課税期間(以下「本件課税期間」という)中、A社に対し、A社が工場等として使用するX所有の工場、倉庫及び事務所各1棟合計3棟の建物を、その敷地も含め月額15万円で賃貸していた(以下「本件賃貸」という)。   Ⅱ 争点 本件の争点は、本件賃貸が消費税法上の「事業」に当たるか否かである。 消費税法上、消費税は、「事業者」が行った課税資産の譲渡等に該当する場合に課されるものであることから、Xの行った本件賃貸が「事業」に該当しない限り課されないことになる。 そこで、Xは、本件賃貸のような小規模のものは消費税法上の「事業」には当たらないと主張したのである。その理由は、消費税法上の「事業」は所得税法上の「事業」と同じように、規模によって判断すべきであるというのであった。 これに対して、Yは、本件賃貸も消費税法上の「事業」に当たると主張した。Yは、消費税法上の「事業」と所得税法上の「事業」とは異なるというのである。 ここで、所得税法上の「事業」について、所得税基本通達の考え方を確認してみよう。 上記通達が示すように、「事業」該当性については、社会通念によってそれが事業的規模であるかどうかを判断せざるを得ないとし、事実推定的な取扱いとして、いわゆる「5棟10室基準」を示している。 これら実務慣行を前提とすると、本件賃貸は、所得税法上の「事業」概念には当たらない程度の貸付け、すなわち業務的規模の貸付けであると思われる。 〔所得税法上の「事業」〕 前述のとおり、Yは、所得税法上の「事業」と消費税法上の「事業」の意義は異なるものだと主張したのに対して、Xは、両者の「事業」概念は同じであると論じている。 ここで問題となったのは、租税法上の概念(用語)について、個別税法ごとに異なる解釈をすることが果たして許されるか否かという問題である。 この点につき、Yは、 と主張した(次図参照)。 〔Yの主張〕 これに対し、Xは、 と論じて、消費税法上の「事業」の概念を所得税法上のそれと別異に解することはできないと主張した(次図参照)。 〔Xの主張〕 ところで、所得税法27条1項は、事業所得についての定義規定を置き、 と定め、これを受けて同法施行令63条は、事業の範囲について、同条各号に掲げる事業(不動産の貸付業又は船舶若しくは航空機の貸付業に該当するものを除く。)とする旨規定している。また、所得税法は、不動産所得、事業所得又は山林所得の計算に関して、「事業」という文言を用いて、「事業の用に供される固定資産」(同法51条1項)、「事業について生じた損失」(同条2項)、「事業に従事する親族に支払った給与」(同法57条1項、3項)、「事業を営む者」(平成4年法律第14号により削除された租税特別措置法25条の2第1項)等を要件とする各種の特則を設けている。 これらの所得税法上の「事業」については、一般的に、活動の規模を前提とした概念であると理解されているが、本件においても、この点については両当事者に争いはない。 さて、いずれの主張が妥当なのであろうか。   Ⅲ 判決の要旨 裁判所は、Xの主張を排斥して、消費税法上の「事業」と所得税法上の「事業」とは異なるものと判示している。 1 第一審富山地裁平成15年5月21日判決・税資253号順号9349 富山地裁は、まず、消費税の性質を論じた上で、消費税法上の「事業」の判断に当たってはその規模は問われないと説示している。 そして、所得税はこれとは異なるものだと論じるのである。 2 控訴審及び上告審 この事件は控訴されたものの、控訴審名古屋高裁金沢支部平成15年11月26日判決(税資253号順号9473)は、第一審の判断を維持した。また、上告審最高裁平成16年6月10日第一小法廷決定(税資254号順号9666)も上告を棄却したため、本件はX敗訴で確定した。 (続く)

#No. 102(掲載号)
#酒井 克彦
2015/01/15

法人税改革の行方 【第6回】「外形標準課税の適用拡大(2)」

法人税改革の行方 【第6回】 「外形標準課税の適用拡大(2)」   慶應義塾大学経済学部教授 土居 丈朗   本連載の前回では、地方の法人事業税の外形標準課税、中でも付加価値割の性質について言及した。今般取りまとめられた「平成27年度税制改正大綱」では、法人実効税率を2016年までに3.29%引き下げる一方で、その代替財源としての課税ベースの見直しでは、外形標準課税の適用拡大が最も大きな項目となった。 法人実効税率を大きく引き下げようとすれば、その代替財源もまとまったものを見つけ出さなければならないが、外形標準課税の適用拡大以外にまとまった財源となる課税ベースが見出せず、結局外形標準課税の適用拡大頼みになってしまった節がある。 一般に、「外形標準課税」は、赤字法人にも課税される。赤字法人への課税に対する評価は分かれている。企業が赤字なのに、それでもなお税負担を求めるのは、企業経営をより圧迫しかねないとする否定的な見方がある一方で、法人所得に比例する形での課税だと、企業が赤字というだけで税負担から逃れられるから、「外形標準課税」を用いて赤字法人にも課税すべきであるとする肯定的な見方もある。 しかし、本連載の前回で述べたように、わが国の外形標準課税、中でも付加価値割は、人件費を増やせば増税になる性質を持っている。それ以外にも、赤字法人に課税するにしてはいろいろと支障のある性質を持っている。 それは、同じような付加価値に課税している消費税と比較するとよくわかる。法人事業税の付加価値割の課税ベースは、前回も紹介したように、報酬給与額と純支払利子と純支払賃貸料と単年度損益の合計額である。このように、付加価値となる要素を足す形で計算して課税するものを、「加算法付加価値税」とも呼ぶ。他方、消費税の課税ベースは、売上額から仕入額を引いたものである。このように、付加価値を差し引く形で計算して課税するものを、「控除法付加価値税」とも呼ぶ。 そこで、法人事業税の付加価値割は、経済学的に見て、次のような問題を持っていると指摘されている。 (1)について、法人事業税の付加価値割を、同じような付加価値に課税している消費税と比較してみよう。消費税には、仕入税額控除があり、商品を売る際に税額を上乗せすることを前提とした仕組みとなっている。ところが、法人事業税の付加価値割には、仕入税額控除はなく、税制の仕組み上、流通過程で付加価値割税額を価格転嫁することを想定していない。 (2)は、前回述べた通りである。(3)は、同じように付加価値に課税している消費税では輸出取引が免税となるのに対して、法人事業税の付加価値割にはそうした措置はない。そのために輸出にとって不利な課税となる。 このことからもわかるように、そもそも、消費税は控除法付加価値税であるのに対して、法人事業税の付加価値割は加算法付加価値税であるために、同じ「付加価値」に課税していながら似て非なる税である。 特に、(1)があるために、(2)の性質が企業行動に歪みを与えることが懸念される。これは、法人事業税の付加価値割の課税ベースが、報酬給与額の実額に連動する形で設定されているからである(これは、雇用安定控除を設ければ緩和されるといえども本質的には変わらない)。 もし赤字法人にも課税すべきということなら、付加価値割ではなく、法人住民税の均等割を用いればよい。法人住民税の均等割は、人件費を増やしても法人所得が増えても一定額だけ課税されて終わる。企業活動に連動しない形で課税されるから、企業活動を阻害する効果がほぼない。 巷間で、赤字法人にも課税すべきとして、それは「外形標準課税」で実現できると考えている人は、恐らく付加価値割が持つ前述の性質を認識せず、むしろ法人住民税の均等割のような効果を期待して「外形標準課税」という言葉を用いているのだろう。確かに、法人住民税の均等割も広い意味では「外形標準課税」である。しかし、わが国の税制における「外形標準課税」といえば、法人事業税の付加価値割と資本割のみを指す。それを踏まえると、安直に「外形標準課税」と言ってはミスリードである。 今般の税制改正大綱では、法人実効税率引下げに対応した代替財源では、2012年度で約5,600億円もの税収を持つ法人住民税の均等割は全く用いられなかった。これを2倍にすれば法人実効税率を1%強引き下げられるほどの財源であるにもかかわらずである。 しかし、同大綱では、2016年度改正においても、課税ベースの拡大等により財源を確保して、2016年度における税率引下げ幅のさらなる上乗せを図ることがうたわれた。さらに、その後の年度の税制改正においても、引き続き、法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指して、改革を継続するとした。 次なる法人税改革の際には、企業活動を阻害する効果がほぼない法人住民税の均等割を用いることを検討すべきである。 (了)

#No. 102(掲載号)
#土居 丈朗
2015/01/15

平成26年分 確定申告実務の留意点 【第2回】「給与所得者の特定支出控除」

平成26年分 確定申告実務の留意点 【第2回】 「給与所得者の特定支出控除」   公認会計士・税理士 篠藤 敦子   (1) はじめに 国税庁の統計資料によると、平成11年以降、所得税の確定申告をする人は毎年2,000万人を超えており、平成25年分の所得税についても2,143万人が確定申告を行った。そのうちの半数以上は、還付申告であり、給与所得者の場合は、確定申告をした人の約7割が還付申告である。 平成25年分の確定申告では、特定支出控除の適用を受ける給与所得者が急増した(平成24年分6人→平成25年分1,600人)。 これは、平成24年度税制改正で特定支出の範囲が拡大され、適用基準額の見直しも行われたため、制度を利用しやすくなったことが要因と考えられる。 平成25年分の確定申告で特定支出控除の適用を受けた(受けようとした)人の中には、特定支出の範囲を拡大解釈していたり、提出すべき書類を提出していなかったりするケースもあったようである。また、従業員から証明書の発行を依頼された企業側も、制度に対する十分な理解がなかったため、対応に困ったという話も聞く。 特定支出控除は、確定申告を行う個人だけでなく、特定支出控除に関する証明書を発行する企業側も制度の趣旨と内容をしっかりと理解しておく必要がある。最近、新聞や雑誌、ネット上で当該制度が取り上げられる機会が増えており、従業員から証明書の発行依頼を受ける可能性は従来よりも高まっていると考えられる。 企業側においても、確定申告に向け事前の準備をしておきたい。 なお、本稿の内容は、平成25年分以後の所得税に適用されるものである。改正前の制度の概要や改正前後の制度の比較については、拙稿「平成25年分 確定申告実務の留意点【第1回】平成25年分の申告から適用される改正事項①」(本誌No.51掲載)をご参照いただきたい。   (2) 制度の概要 給与所得者が特定支出をし、その合計額が適用基準額を超えるときは、確定申告を行うことにより、超えた部分の金額を、給与所得の金額の計算上、給与所得控除額に上乗せして控除することができる(所法57の2①)。 〈適用基準額〉 〈特定支出控除を適用する場合の給与所得の計算〉 (3) 特定支出とは 特定支出とは、次の①から⑥に掲げる支出のうち、一定のものである(所法57の2②、所令167の3)。 なお、給与の支払者から補填される部分がある場合で、その補填部分に所得税が課されていないときは、その補填部分は特定支出の金額から除かれる(所法57の2②③)。 〈特定支出の内容〉 なお、特定支出は、給与の支払者が証明したものに限られる(具体的には、所定の様式による証明書を発行する)。したがって、従業員から証明書の発行依頼を受けた場合には、支出の内容を検討し、特定支出に該当するかどうかを慎重に判断することが重要となる。   (4) 特定支出に関する判断のポイント 特定支出に関する判断のポイントは、次の3つである。 【ポイント①】 「職務の遂行に直接必要な支出であること。」  〈例〉 〇:該当する,×:該当しない 【ポイント②】 「通常必要であると認められる範囲の支出であること。」  〈例〉 〇:該当する,×:該当しない 【ポイント③】 「その年中に支出したものであること。」  〈例〉   (5) 適用を受けるための手続 特定支出控除の適用を受けるためには、確定申告をすることが必要である(所法57の2③)。 確定申告書には 「給与所得者の特定支出に関する明細書 平成25年分以降用」 と 「給与所得者の特定支出に関する証明書」 を併せて提出するとともに、支出した金額を証明する書類(領収書等)を添付するか又は申告書提出時に提示する必要がある(所法57の2③④、所令167の4、167の5、所規36の5、36の6)。 なお、給与所得控除を適用して確定申告を行った後、特定支出控除を適用した方が有利であることが判明した場合には、更正の請求の手続により、特定支出控除を適用し所得税の減額を求めることができる(所法57の2①③)。 *  *  * 次回は、海外転勤者の確定申告について解説を行う予定である。 (了)

#No. 102(掲載号)
#篠藤 敦子
2015/01/15
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