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リゾート会員権をめぐる法律問題とトラブル事例 【第2回】「近年発生しているトラブル事例とその対応策①」

リゾート会員権をめぐる法律問題とトラブル事例 【第2回】 「近年発生しているトラブル事例とその対応策①」   クレド法律事務所 駒澤大学法科大学院非常勤講師 弁護士 栗田 祐太郎   前回はリゾート会員権の権利関係及び関連する法律の複雑性について解説したが、今回からはリゾート会員権をめぐり近年発生しているトラブル事例を紹介し、その対応方法を解説する。 代表的な事例について把握しておくことは、トラブルへの対処方法を知るのみならず、リゾート会員権の取得・入会を検討する際のリスク評価としても極めて重要である。   1 会員権の取得・入会にあたっての注意点 - 解 説 - リゾート会員権をめぐるトラブルを予防するためには、まず何といっても、会員権を取得して入会する際に、十分な確認を行うことが重要である。 入会後に発生するトラブルの多くは、入会時に必要な確認を行っていれば防ぐことができるものといえる。 会員権の取得・入会にあたり主に確認すべきポイントは、以下のとおりである。 そのリゾート会員権を取得することのメリット・デメリットをあらゆる角度から慎重に検討する必要がある。 そして、調査の結果、契約事項や提供されるサービスに不明瞭な点があればクラブ側に十分確認をし、納得できる説明を受けた上で契約を締結すべきである。 なお、クラブ側に確認した結果は、回答書面やメール等により書面化しておくことが望ましい。 他方、質疑応答の中で、クラブ側の対応に誠意が見られない等の場合には、リゾート会員権の取得を見合わせることも考えるべきである。 これらの注意事項は、ゴルフ会員権等の取得を検討する際にも当てはめることができる。   2 リゾート施設の利用ができない - 解 説 - リゾート会員権は、通常、会員に対してリゾート施設の優先的な利用権を与えるものである。 会員はクラブに対して予め利用したい日時及び期間を申告して予約を取り、会員は数日から1週間前後程度の施設利用を許可される。 このような利用形態につき、広告等においては『タイムシェア』というような謳い文句で宣伝されている場合が多い。 しかし、クラブが保有する施設の数(ホテルであれば客室数、プールであれば一度に利用可能な人数等)と会員数とのバランスによっては、少ない施設に利用申込みが殺到することになるのは容易に想像できる。 そのようななかで、近年、国民生活センター等の相談窓口に寄せられる件数が急増しているのが、上記のようなケースである。 会員であるにもかかわらず施設を利用できないというトラブルを避けるためにも、まずは[ケース1]で解説したような入会前の十分な事情確認が必要かつ有効である。 それでは、不幸にして入会後に上記のようなトラブルが発生した場合には、どう対応すべきか(以下、クラブが日本国内に所在する団体であることを前提とする)。 採りうる方法としては、まず、 べきである。 そもそもリゾートクラブ会員権の取得が、リゾート施設を優先的に利用することを目的としている以上、入会したにもかかわらずシーズンに一度も施設を利用できないということは、会員契約の趣旨に反する事態といえる。 このような事態は、クラブ側が債務者として負うべき債務を履行していない、つまり債務不履行(民法415条)と評価できる場合も多い。 なお、後日民事訴訟等に発展する場合も視野に入れた証拠作りのためにも、クラブに対する申入れや履行請求は、書面で行うべきである。最低限メールでやりとりし、その経緯を後に残せる形にしておく必要がある。 このようにして施設利用の請求を繰り返し求めたにもかかわらず、施設の利用が実現しない場合には、 ことが考えられる。 これに加え、 ことが考えられる。 クラブ側との任意の協議だけでは解決しそうにない場合には、民事調停の申立てや民事訴訟の提起を検討することになろう。 (了)

#No. 71(掲載号)
#栗田 祐太郎
2014/05/29

《速報解説》 日本公認会計士協会による「監査業務と不正等に関する実態調査」について

《速報解説》 日本公認会計士協会による 「監査業務と不正等に関する実態調査」について   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成26年5月23日付で、 日本公認会計士協会は、「監査業務と不正等に関する実態調査」(以下「実態調査」という)を公表した。 当該実態調査は、公認会計士の不正な財務報告等に関する意識や過去の経験を調査し、不正な財務報告を未然に防止又は会計監査での適切な対応を行うための施策を検討する際の参考とするために行ったものである。 実態調査では、多数のアンケート対象者に回答を依頼し、回答があったものだけを分析する手法を採っているため、分析結果を理解するに当たり、寄せられた回答が、監査業務を行う公認会計士全体の傾向を正確に反映していない可能性があることに留意が必要であると述べられているので、当該実態調査をお読みになる場合には、注意が必要である。 また、本稿では、質問内容や回答を省略して記載している部分があるので、ぜひ、実態調査の原文をお読みいただきたい。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な事項 以下では、主な質問事項とその回答について記載している。 下記以外にも貴重な分析が記載されているので、ぜひ、実態調査の原文をお読みいただきたい。   (1) 監査業務を通じて不正な財務報告に遭遇したことが何件くらいありますか(過去10年間程度を目安)。 回答者数(936人)の約半数(48.8%)の回答者が1件以上の「不正等との遭遇あり」と回答している(479人はゼロ件)。 回答者一人当たりの平均件数は2.02件である。   (2) 不正な財務報告を防止する上で障害となっていると思われるものを以下から選んで下さい。 下記の結果が記載されている。 出所:実態調査の「Ⅱ―2」に記載の表   (3) 「不正等との遭遇」の内容は次のどれに当たりますか(最も当てはまるものを選択)。 下記の結果が記載されている。 出所:実態調査の「Ⅲ―4」に記載の表 出所:実態調査の「Ⅲ―5」に記載の表   (4) 不正等に関与していた最も高位の被監査会社(法人)の関係者はどのレベルでしたか。 次の分析が示されている。 (了)

#No. 70(掲載号)
#阿部 光成
2014/05/23

Profession Journal No.70が公開されました!~お薦め記事のご紹介~

2014年5月22日(木)AM10:30、Profession Journal  No.70 が公開されました。 Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開してまいります。

#Profession Journal 編集部
2014/05/22

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例14(法人税)】 「親会社の減資により特定中小企業者に該当することとなり、「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」の適用ができたはずとして賠償請求を受けた事例」

「税理士損害賠償請求」 頻出事例に見る 原因・予防策のポイント 【事例14(法人税)】   税理士 齋藤 和助   《事例の概要》 平成X5年3月期及び平成X6年3月期の法人税につき、親会社乙社の減資により100%子会社である依頼者(甲社)が特定中小企業者に該当することとなった。 これにより、甲社は「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」(以下、単に「特別控除」という)の適用が受けられたにもかかわらず、税理士がこれを適用しなかった。 このため、法人税等が過大納付となり、過大納付税額350万円つき賠償請求を受けた。   《賠償請求の経緯》 税理士はグループ全体の顧問税理士であった。 乙社は平成X4年9月に資本金を1億円に減資した。 甲社は乙社の100%子会社であり、資本金3,000万円、従業員30人であった。 甲社は特別控除の適用がある機械装置を平成X5年3月に2,000万円、平成X6年3月に3,000万円、それぞれ取得していた。   《基礎知識》 ◆中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の6⑦) 特定中小企業者が、指定期間内に新品の特定機械装置等を取得等して事業供用した場合において、特別償却の適用を受けないときは、取得価額の7%(法人税額の20%を限度)を法人税額から控除できる。 ◆「中小企業者等」の意義(措令27の4⑩) 資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人のうち次の①②に掲げる法人以外の法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人とする。 ① その発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上が同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除く)の所有に属している法人 ② その発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上が大規模法人の所有に属している法人   ◆「特定中小企業者」の意義(措令27の6⑨) 中小企業者等のうち、資本金の額又は出資金の額が3,000万円以下の法人をいう。   《税理士の落とし穴》   《税理士の責任》 甲社の資本金はもともと3,000万円であったところ、平成X4年9月に親会社乙社が減資をしたことにより、同日以後は特別控除の適用を受けることができる特定中小企業者に該当することとなった。 しかし、税理士はこれを失念したまま法人税の申告をし、甲社の社長に指摘されてはじめてその事実に気づいた。 税理士は親会社乙社にも関与しており、乙社の減資について知り得る立場にあった。 乙社が減資をした段階で甲社の特別控除の適用要件を確認していれば適用は受けられたことから、税理士に責任がある。   《予防策》 [ポイント①] 資本金の増減には注意する 法人税の場合、中小企業者だけに適用を認める特別償却や特別控除があるため、増資や減資があった場合には、特例の適用の有無をその都度確認する必要がある。 中小企業者の判定には、本事例のように甲社だけでなく、その親法人の資本金が関係してくるケースもあるので注意が必要である。 本事例は親法人、子法人とも同じ税理士が関与していたが、グループ会社内では別の税理士が関与しているケースもあることから、少なくとも申告時には親法人の資本金を確認するようにしたい。 なお、中小企業者等で資本金3,000万円超の法人には特別控除の適用はない(特別償却のみ適用可能である)ので併せて注意したい。   [ポイント②] チェックリストを活用したダブルチェック体制の構築 申告時のミスは、期中処理と違い、ある程度は申告書自体をチェックすることで防げる。 したがって、申告時のチェックリストを作成して、担当者だけでなく、所長税理士又は有資格者等によるダブルチェック体制を構築することが必要である。 (了)

#No. 70(掲載号)
#齋藤 和助
2014/05/22

《編集部レポート》 物納のハードルは、それほど高くない!?~平成18年度改正で要件が明確になった物納は困難との雰囲気だが、その実態は・・・~

《編集部レポート》 物納のハードルは、それほど高くない!? ~平成18年度改正で要件が明確になった物納は困難との雰囲気だが、その実態は・・・~   Profession Journal 編集部   来年からの相続税課税強化を前に、相続対策はもちろん納税対策に頭を痛めている納税者も多い。相続税の納税は金銭納付が原則ではあるが、それが困難な場合には物納が認められることとなる。 この物納、平成18年度税制改正で金銭納付困難理由等が明確化されたことから、物納を選択肢から外さなければならない、という雰囲気が蔓延している。だが、税務の現場では「当初想定されたほどハードルは高くない」との感想も聞かれる。   〇制度明確化の影響か、物納申請はわずか209件 物納申請件数は、国税庁ホームページによると、ピークとなった平成4年度の12,778件(平成6年度は16,066件だが特例物納7,268件を含むため排除)を境に下落し、最新のデータとなる平成24年度はわずか209件にまで落ち込んでいる。 だが、平成27年1月からの相続税の課税ベースの拡大により、税理士の間では物納に改めて注目が集まっている。 物納制度は、「金銭納付困難 ⇒ 延納困難 ⇒ 物納」と相続税納税の最終手段となっており、その前提条件となる金銭納付困難理由が平成18年度税制改正で明確化されたことから、以後、物納のハードルが上がったとみられてきた。これを裏付けるように、平成18年度から19年度の改正を境とした物納申請件数をみると1,036件から383件と大きく件数が落ち込み、改正の影響がみてとれる。 その改正内容だが、金銭納付困難理由については、改正前では「子どもが来年に大学入学予定であるため納税資金が賄えない」など、一種の“作文”をすれば認められていたが、改正後には「延納許可限度額」と「物納許可限度額」などの計算式が新たに導入され、納税者ごとに固有財産・給与所得・生活費等を基にその上限金額を計算し、物納申請や延納申請の上限金額が定められた。 加えて、管理処分不適格財産と物納劣後財産も明確化されるなど、物納が可能となる状況が限定されることとなったため、「物納は困難」との認識が税理士の間に広がり、現在に至っている。   〇厳格な要件チェックはナシ? こうした状況に対して、「それほどハードルが上がったとは思えない」と話すのは、相続税に特化した事務所に勤務するA税理士だ。 「たしかに金銭納付困難理由は明確化されましたが、例えば支出に関しても、以後に予定されている支出内容を記入すればよく、その裏付けは求められないなど、現時点でもある程度の“調整”の余地は残されている」と語る。 国税サイドの組織で相続税を扱うのは資産課税部門であるが、物納を扱うのは管理運営部門であり、物納申請者の状況についてあまりに極端な数字でなければ確認などは行われないのは従前のとおりのようだ。   〇成功のカギは相続開始前からの事前準備! また、勘違いしがちなのが、金銭納付困難であることが求められるのは物納申請者に限られる点だ。つまり、相続財産に現預金や上場株式が多く含まれていたとしても、申請者がそれらの金融財産を相続しておらず、自身の預貯金も少額などである場合には、金銭納付困難とみなされる可能性は高くなる。 すなわち、物納を成功させるポイントは、相続開始前から“いかに仕組み作りをするか”なのだという。 上記のように、誰に物納をさせるのか、そのためにどの財産を相続させるのか、またどの財産を物納にあてるのかなどを相続開始前から計画・準備する。そして、その財産について境界確定測量を行い確定図面を用意するなど収納されやすい状況を作っておくことが肝要のようだ。 国税庁が「来年からの相続税増税により相続税の申告件数が増加することに伴い、物納申請件数も増加すると予想される」と話すように、金銭納付困難の納税者の増加も想定されている。 18年度改正以前に比べれば困難となった物納――確かに従前のように相続発生後にバタバタと対応を行えばどうにか収納された状況とは異なるとはいえ、相応の準備を行っていれば、そのハードルは想像するより高くはなさそうだ。 【参考】 国税庁ホームページより ※Wordファイルはこちら 「金銭納付を困難とする理由書(延納申請・物納申請共通)」 (表面) (裏面) (了)

#No. 70(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2014/05/22

生産性向上設備投資促進税制の実務 【第2回】「生産ライン・オペレーション改善設備の要件」

生産性向上設備投資促進税制の実務 【第2回】 「生産ライン・オペレーション改善設備の要件」   税理士法人オランジェ 代表社員 税理士 石田 寿行   前回は、生産性向上設備投資促進税制(措法42の12の5)の制度概要と対象設備のうち「先端設備」の要件について解説した。 今回は本制度のもう1つの対象設備である「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」(経産規5②)の要件について解説する。 生産ラインやオペレーションの改善に資する設備については、機械装置、工具、器具備品(サーバー用の電子計算機については、情報通信業のうち自己の電子計算機の情報処理機能の全部又は一部の提供を行う事業を行う法人が取得又は製作をするものを除く)、建物、建物附属設備、構築物、ソフトウエアで、以下の要件1及び2をすべて満たす設備が対象となる。 なお、要件1については、経済産業大臣(経済産業局)の確認、証明が必要となる。   1 投資利益率要件 (1) 投資利益率の計算 事業者が策定した投資計画で、その投資計画におけるその設備投資による効果として年平均の投資利益率が15%以上(中小企業者等(※1)にあっては5%以上)となることが見込まれるものであることにつき、経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けたものであることが要件となる。 (※1) 中小企業者等とは、資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人等又は農業協同組合等で、青色申告書を提出するものをいう。 また、対象となる設備は、その投資計画に記載されている設備で、その事業者にとって投資目的を達成するために必要不可欠なものとする。 なお、年平均の投資利益率は、次の算式によって算定する。 (※2) 会計上の減価償却費 (※3) 設備の取得等をする年度の翌年度以降3年度の平均額 (※4) 設備の取得等をする年度におけるその取得等をする設備の取得価額の合計額   (2) 経済産業大臣(経済産業局)確認までの手続の流れ 経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けるまでの手続については、経済産業省のホームページに具体的な申請書類のサンプル等が公開されている。 それらの詳細については、次回以降において具体例に基づき解説するため、まずは全体的な申請手続の流れを確認していくことにする。   2 最低取得価額要件 最低取得価額以上のものであることが要件となる。 最低取得価額については、前回解説した「先端設備」の最低取得価額と同じ(構築物は建物と同条件とする)。 (了)

#No. 70(掲載号)
#石田 寿行
2014/05/22

貸倒損失における税務上の取扱い 【第18回】「判例分析④」

貸倒損失における税務上の取扱い 【第18回】 「判例分析④」   公認会計士 佐藤 信祐   第15回目、第16回目においては、日本興業銀行事件に係る第1審判決の内容について解説を行い、第17回目においては控訴審判決についての解説を行った。 第18回目にあたる本稿においては、最高裁判決についての解説を行う。なお、紙面の関係上、当事者が主張を行った内容については割愛し、裁判所の判断についてのみ解説を行う。 (3) 最高裁・平成16年12月24日判決(民集58巻9号2637頁、訟月52巻3号1020頁、裁時1378号12頁、判時1883号31頁、判タ1172号129頁、税資254号順号9877、金法1739号42頁、集民215号1121頁) このように、最高裁においては納税者側の主張が認められ、結果的に、貸倒損失の損金算入が認められることになった。本事件については、貸倒損失の計上の要否について、債務者側の事情だけでなく、債権者側の事情も考慮すべきであるという点を明らかにした判決として意義のある判決であるとは言われている。 また、判決文においては、債権放棄の効力が平成8年3月期に生じていたかどうかについて書かれておらず、「本件債権の全額が回収不能であることは客観的に明らかとなっていたというべきである。」としているため、法人税基本通達9-6-2により判断がなされたようにも思える。 この点につき、谷口勢津夫教授は、 と指摘されている。 すなわち、「第1審では債権放棄の有無にかかわらず」としたのに対し、最高裁では「本件債権の放棄が解除条件付きでされたことによって左右されるものではない」としているため、債権放棄がなされていなければ、第1審では納税者が勝訴しただろうが、最高裁では敗訴していた可能性があるという見解にも繋がってくる、 その結果、法人税基本通達9-6-1(3)(4)、9-4-1のいずれかで判断がなされた可能性もあり、法人税基本通達のいずれに該当するのかという点については議論のあるところである。この点については、「本件債権の全額が回収不能であることは客観的に明らかになっていたというべきである。」と判示していることから、債権放棄の効力が確定しているのであれば法人税基本通達9-6-1(3)又は(4)により判断し、債権放棄の効力が確定していないのであれば法人税基本通達9-6-2で判断したようにも思えるが、谷口勢津夫教授が言われるように、債権の放棄を前提として貸倒損失が認められるか否かを判断したという意見についてはあえて反対したい。もしそうであるならば、債権放棄の効力が確定しているかどうかについては裁判における主要な争点であり、最高裁判決がこれにほとんど触れていないという点については疑問が残るからである。 そうなると、第一審判決にあるように、平成8年3月末の時点で既に全額回収不能の状態にあり経済的な価値はなくなっていたと評価されるのであれば、債権放棄の有無にかかわらず、その全額を損金に算入できるという判断がなされ、債権放棄の効力が確定しているかどうかについては、ほとんど検討がなされなかったと考えるべきではなかろうか。すなわち、最高裁判決においても、法人税基本通達9-6-2による判断がなされたと考えるべきである。 日本興業銀行事件については、様々な論者が指摘をしており、様々な見解があるというのも事実である。さらに、最高裁判決に至るまでの間に、納税者側も国側も様々な主張をしていることから、その論点は多岐にわたるにもかかわらず、最高裁判決において指摘された論点は限定的であり、未だに明らかにされていない部分も少なくない。 次回以降においては、さらなる詳細な分析を行い、本判決が実務に与える影響について考察を加えることとする。 (了)

#No. 70(掲載号)
#佐藤 信祐
2014/05/22

〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第22回】 「申告作業の前段階で対応すべき点」

〔しっかり身に付けたい!〕 はじめての相続税申告業務 【第22回】 「申告作業の前段階で対応すべき点」   税理士法人ネクスト 公認会計士・税理士 根岸 二良   前回までで、相続人の確定、相続財産の確定、遺産分割について見てきた。 今回からは、相続税申告についての説明を行う。 〔納税資金の準備への対応〕 相続税申告を行う際には、相続税申告及び納税を、他界してから10ヶ月以内に完了させる必要がある。このため相続税の申告業務は、逆算して作業スケジュールを立てなければならない。 さらに重要なのは、納税が必要な場合で納税資金が不足しているケースでは、納税準備に時間が必要となるという点である(延納・物納手続が可能かという検討時間も含め、納税計画・準備の時間が必要である)。 したがって相続税申告を行う際には、以下の点につき概算計算を行った上で、依頼者へ早期報告を行い、検討していく必要がある(*1)。 上記(1)(2)(3)は、相続人の範囲、相続財産の範囲(評価含む)が確定すれば算定することができる(*2)。 相続財産が小規模な案件では、一般的には納税資金が不足するケースは少ないと考えられるが、相続財産が大規模である案件では納税資金が不足するケースが多々あるため、迅速に対応する必要がある。 相続財産が大規模である案件では、不動産が複数あり、評価に時間がかかる可能性が高いが、そのような案件であるほど、迅速さが求められるのである。   〔時間を要する作業への対応〕 相続税申告を行う上での作業としては、 に時間を要する(*3)。 ただし、非上場会社オーナーの相続税申告案件以外については、(C)は該当しないケースがほとんどであるため、一般的には(A)(B)(D)ということになる。 (A) 依頼者からの資料・情報入手 依頼者からの資料・情報入手には、時間がかかることが多い。 対応としては、依頼資料・確認情報一覧をチェックリストとして作成しておき、それを依頼者に最初の段階で依頼することが考えられる。 なお、一般的に依頼者は相続手続に明るくないことが多く、専門用語なども理解していないことが多いため、単に依頼資料・確認情報一覧を渡すだけでは、理解すること自体に時間がかかってしまうこともある。 そこで、依頼資料・確認情報一覧を渡す際には、依頼者へ口頭で説明しながら、必要な資料や確認する必要がある情報が、依頼資料・確認情報一覧のうちどれであるかを明確・限定しておくと、結果として、資料・情報入手の時間が短縮できることになる。 加えて、我々税理士の理解が不足している場合に、追加で資料依頼・情報確認する状況になるケースがあるため、相続税申告業務(相続税及び相続関連法務、評価上必要な不動産関連法務など)に精通することも、結果として資料・情報入手の時間短縮化に必要なことである(我々税理士が書籍等で調べる時間が必要な場合、その時間、及び依頼者へ連絡する時間が追加で必要となり、全体スケジュールを遅延させる要因となりうる)。 (B) 土地評価 土地評価は、資料・情報さえ整えば、作業時間のみの問題となる。 ただし、現地調査、役所調査を行う必要が原則あるため、その時間を早いタイミングでとっておく必要がある。 時間をとることが難しい場合には、机上評価のみを行い、第1回目の報告を依頼者へ行う際、自宅(多くの場合、被相続人の自宅、またはその周辺)へ出向き、同時に、評価対象地の現地調査、役所調査を行うことも考えられる。 また、(A)と同様に、我々税理士の知識が不足している場合には、書籍などを調べながら業務を行うことになるため、作業時間が多くかかる結果となる。 この時間を短縮するためには、土地評価の知識を十分に習得しておくこと、テンプレート・チェックリストなどを事前に準備しておくことで、作業時間の短縮化と正確性の向上を図ることが可能と思われる。 (D) 預貯金取引検証 預貯金取引の検証は、相続税・贈与税の対象となる可能性のあるものがないかという視点から行う(相続税申告後、税務署では一般的に、被相続人・相続人の預貯金取引のチェックを行うことが多いと考えられるため、指摘を受けそうな事項については事前に検証しておく必要があると考えられる)。 その場合に、依頼者に預貯金通帳を準備してもらうと同時に、まず、贈与に該当するようなものがないか否か(あれば、贈与税申告の有無についても確認する必要がある)など口頭で確認したうえで、預貯金通帳チェックを行ったほうが効率的である。 また、預貯金通帳チェックを行い、依頼者へ確認すべき項目については、一覧表にして確認結果を文書にメモしておく必要がある。 内容によっては依頼者もわからない場合がありえるが、相続税申告においてどのように取り扱うことが可能か、また、その場合の税負担、否認リスク(ペナルティの金額など)を報告したうえで、依頼者の同意のもとで対応を決める必要がある。 (了)

#No. 70(掲載号)
#根岸 二良
2014/05/22

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載60〕 雇用促進税制と所得拡大促進税制の適用比較

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載60〕 雇用促進税制と所得拡大促進税制の適用比較   税理士 竹内 陽一   Ⅰ 雇用促進税制 1 制度概要(改正の経緯) 雇用促進税制は平成23年度改正で創設され、平成23年4月1日から平成26年3月31日開始事業年度までの適用(平成26年度改正で平成28年3月31日開始事業年度まで延長)で、平成25年度改正において、適用年度に65歳以上の高年齢雇用者(雇用保険高年齢継続被保険者)となる者が出た場合、その者は当期雇用者からは除外されるので、前期雇用者から除くこととされた。 税額控除も増加雇用者1人につき20万円から40万円に引き上げられた。 2 適用要件 この制度の雇用者は、雇用者のうち、雇用保険一般被保険者とされた。 役員や親族雇用者を除く点は、所得拡大促進税制と共通である。 【要件1】 当期及び前期に事業主都合離職者がいない。 【要件2】 基準雇用者数5人以上(中小企業の場合は2人以上) ※基準雇用者数=当期末の一般被保険者数-前期末の一般被保険者数 【要件3】 【要件4】 当期給与等支給額≧前期給与等支給額×(1+基準雇用者割合×30%) 【要件5】 ① 期首から2月以内に、職安に雇用促進計画を提出 ② 上記要件についての職安確認書類を添付 【要件5】の添付要件があるので、所得拡大促進税制と選択適用であるが、雇用促進計画を提出していないと、事実上、期末においては所得拡大促進税制の選択しかない。 控除税額は、40万円(平成25年度改正後)×基準雇用者数である。   Ⅱ 所得拡大促進税制 1 制度概要(改正の経緯) 所得拡大促進税制は平成25年度改正で創設され、平成25年4月1日から平成28年3月31日まで開始事業年度の適用であったが、平成26年度改正により平成30年3月31日の開始事業年度まで延長された。 また増加額割合について、平成25・26年度は2%以上、平成27年度は3%以上に引き下げ、延長した平成28・29年度については5%以上の据え置きとした。 これらはいずれも平成24年度である基準年度との比較であり、対前期増加要件がある(詳細は拙稿「所得拡大促進税制の経過措置(平成26年度税制改正)-3月決算法人の場合-」参照)。 さらに平均給与等支給額の計算を、賃金台帳ベースでの日雇労働者給与のみを除く計算から、ここだけ、適用年度の継続雇用者及び前期等の継続雇用者とし、2期にわたって連続して勤務する雇用保険一般被保険者とした。 つまり、日雇労働者給与等を除くというシンプルな規定から、連続する2期において雇用保険の一般被保険者で比較することとした(詳細は拙稿「所得拡大促進税制の平成26年度改正事項と別表6(20)新様式の変更点」参照)。 2 適用要件 【要件1】 【要件2】 当期雇用者給与等支給額≧比較(=前期)雇用者給与等支給額 ※【要件1】【要件2】は、賃金台帳記載者で計算する。 【要件3】 当期平均給与等支給額>比較(=前期)平均給与等支給額 ※【要件3】についてのみ、賃金台帳記載者から、適用期とその前期について、継続して勤務する雇用保険の一般被保険者で計算する。 3 用語の確認 【要件1】【要件2】において、「雇用者」とは賃金台帳記載者をいい、その支給額の合計をいう。 【要件3】の平均給与等支給額の計算において、対象者は継続雇用者とされ、2期において雇用保険の一般被保険者とされた。 雇用保険の一般被保険者であるが、60歳定年退職後、65歳までの継続雇用制度対象者について、次の規定を置いた。 以上をまとめると、次表となる。 〈雇用促進税制と所得拡大促進税制の違い〉 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (*1) 平成25年度改正(他に控除金額の1人20万円から40万円への引上げ) (*2) 平成26年度改正(他に期間の延長と、当初期間の増加率の引下げ) 〈所得拡大促進税制の適用可否の計算例(26年4月決算法人から)〉 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。   4 平成25年度3月決算法人について 上記は、平成26年改正後の法人税申告書別表6(20)に対応しているが、平成25年度3月決算法人については改正前の別表6(20)で計算し、雇用者給与等支給増加割合が5%に達しない場合、平成26年度3月決算の申告において、平成26年度が要件に適合した場合に初めて、改正後別表の下段の各経過年度における計算において、適用の可否を判定することになる。  (了)

#No. 70(掲載号)
#竹内 陽一
2014/05/22

企業結合会計基準に対応した改正連結実務指針等の解説 【第3回】「一部売却(支配喪失)の会計処理」-子会社株式から関連会社株式・その他有価証券

企業結合会計基準に対応した 改正連結実務指針等の解説 【第3回】 「一部売却(支配喪失)の会計処理」 -子会社株式から関連会社株式・その他有価証券   公認会計士 布施 伸章   ◆ 解説 ◆ 1 子会社株式の一部売却により、投資先が子会社から関連会社になった場合 (1) 支配を喪失する前に親会社の持分の変動がない場合(例えば100%→20%) 子会社株式の一部を売却し連結子会社が関連会社となった場合(例えば持分比率が100%→20%となった場合)には、関連会社株式の連結貸借対照表計上額となる「持分法による投資評価額」は、原則として、親会社の個別貸借対照表に計上された関連会社株式の帳簿価額に、売却直前の「投資の修正額」のうち売却後の持分額(残存する持分額)を加減して算定する(資本連結実務指針45項)。 「投資の修正額」には、当該会社に対する支配を獲得したときから喪失する日までの期間における、以下のものが含まれる(資本連結実務指針66-5項)。 持分法を適用する場合には、資産及び負債の評価並びにのれんの償却は連結の場合と同様の処理を行うものとされており(持分法会計基準8項)、また、平成25年改正会計基準では、投資先が子会社から関連会社となっても残存する関連会社株式に対して投資の継続の会計処理を行うこととされているため、持分法による投資評価額は、上記のように、売却直前の連結上の評価額(持分法による投資評価額)と整合性のある算定を行うことになる。 また、連結損益計算書においては、売却直前の「投資の修正額」と、このうち売却後の株式に対応する部分との差額(その他の包括利益累計額を除く)、すなわち、連結損益に反映済みの額を、個別財務諸表で計上された子会社株式売却損益の修正として処理することになる。 (2) 支配を喪失する前に親会社の持分の変動がある場合 子会社株式の段階売却により関連会社となった場合(例えば持分比率は100%→60%→20%となった場合)や子会社株式の追加取得後に支配を喪失して関連会社となった場合(例えば、持分比率が60%→100%→20%となった場合)にも、持分法による投資評価額は、基本的には(1)と同様に算定することになる。 ただし、平成25年改正の連結会計基準では、子会社株式の追加取得が行われた場合、追加取得持分と追加投資額との間に生じた差額を(のれんではなく)資本剰余金として処理することとされたこと、また、一部売却をしても支配が継続している場合にはのれんの未償却額の減額を行わないこととされたため、支配喪失直前の子会社に対する持分比率とのれんの未償却額の割合が異なることになる。 このため「投資の修正額」には(1)で記載した①から③の項目に加え、次の2項目も考慮する必要がある(資本連結実務指針66-5項)。 上記の意味を、次の2つのケースで考えてみる。 支配喪失時ののれんの未償却額の取崩方法について、資本連結実務指針では、いくつかの考え方があるとしたうえで、支配獲得後の持分比率の推移等を勘案し、以下の方法などの中から、適切な方法に基づき、関連会社として残存する持分比率に相当するのれんの未償却額を算定することとしている(資本連結実務指針45-2項、66-6項)。   2 子会社株式の一部売却により、投資先が子会社及び関連会社に該当しなくなった場合 子会社株式の売却等により被投資会社が子会社及び関連会社に該当しなくなった場合には、連結上、残存する当該被投資会社に対する投資は、個別貸借対照表上の帳簿価額をもって評価するとされている(連結会計基準29項なお書き)。 連結範囲から除外する場合に留意すべき事項は、次のとおりである。 ①  子会社株式売却損益の修正額 連結範囲から除外する場合の子会社株式売却損益の修正額は、子会社株式の一部売却により関連会社になった場合に準じて算定する(資本連結実務指針46項)。 ②  子会社株式売却後の投資の修正額の処理 連結範囲から除外する場合、売却後の投資の修正額を取り崩す必要があり、当該取崩額を連結株主資本等変動計算書上の利益剰余金の区分に、「連結除外に伴う利益剰余金減少高(又は増加高)」等その内容を示す適当な名称をもって計上する(資本連結実務指針46項、連結税効果実務指針39-2項)。 取り崩すべき投資の修正額は、以下の項目のうち、残存する当該会社への投資に相当する部分が含まれる。 また、当該処理に係る投資の修正から生じた一時差異の解消額に対応する繰延税金資産又は繰延税金負債の取崩額も、(法人税等調整額ではなく)利益剰余金増減高から直接控除する(連結税効果実務指針39-2項)。 ③  子会社株式の追加取得及び一部売却等によって生じた資本剰余金の取扱い 子会社株式の追加取得及び一部売却等によって生じた資本剰余金は、連結範囲から除外された後も、引き続き、連結上、資本剰余金として計上する。 資本剰余金を取り崩さないのは、支配継続中の一部売却等の取引は、親会社と子会社の非支配株主との間の取引であり、当該取引によって生じた資本剰余金は子会社に帰属するものではないためである(資本連結実務指針68-2項)。 なお、資本剰余金が負の値となり、当該負の値を利益剰余金から減額する処理を行っていた場合には、連結範囲から除外された後も当該処理は連結上、引き継がれることになる(資本連結実務指針49-2項)。 (了)

#No. 70(掲載号)
#布施 伸章
2014/05/22
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