《速報解説》 中小企業向けの法人税軽減税率の特例、2021年3月31日まで2年延長 ~平成31年度税制改正大綱~ 公認会計士・税理士 鯨岡 健太郎 1 はじめに 平成30年12月14日、与党(自由民主党及び公明党)より平成31年度の税制改正大綱が公表された。平成31年度は消費税率の引上げが予定されている中、引き続き現在の景気回復基調を持続させ、デフレ脱却・経済再生を確実なものとすることが必要であるとして、企業に対しては引き続き収益拡大分を賃金上昇・雇用拡大や設備投資の増加につなげることが期待されている。 このように、経済政策についてはこれまでの流れを踏襲しつつ、中小企業対策についても必要な税制改正が盛り込まれているところであるが、本稿では中小企業向け軽減税率の延長について説明する。 2 改正の概要 中小企業向けの法人税の軽減税率の特例について、その適用期限を2年延長し、平成33(2021)年3月31日までの間に開始する事業年度まで適用する。 3 補足(現制度の概要) 普通法人(※)のうち各事業年度終了の時において資本金額又は出資金額が1億円以下であるもの、資本もしくは出資を有しないもの(一定の医療法人を除く)、又は人格のない社団等の平成24年4月1日から平成31年3月31日までの間に開始する各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額については、法人税率を本則の19%ではなく15%とする特別措置が定められている(措法42の3の2①)。 (※) 保険業法に規定する相互会社、及び大法人(資本金額又は出資金額が5億円以上である法人等)との間に完全支配関係がある普通法人を除く。 (了)
《速報解説》 会計士協会、「偶発事象の会計処理及び開示に関する研究報告」(公開草案)を公表 ~偶発事象全般に関する会計基準の開発を提言~ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 2018(平成30)年12月14日、日本公認会計士協会は、「偶発事象の会計処理及び開示に関する研究報告」(公開草案。会計制度委員会研究報告)を公表し、意見募集を行っている。 我が国には、偶発事象に関する会計基準は存在せず、偶発債務等の注記は規定されているが、偶発事象(偶発損失及び偶発利益)の定義や会計上の取扱いに関するルールが定められていないことから、偶発事象の会計上の取扱いについて研究を行ったものである。 意見募集期間は2019(平成31)年1月25日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 公開草案の概要 公開草案は、目次を含めて40ページに及ぶものであり、以下では、主な内容について解説する。 1 偶発事象の定義 偶発事象について、現行の日本基準では特に定義はないとのことである。 日本公認会計士協会が過去に公表していた監査基準委員会報告書第2号(中間報告)「特記事項」(1992年(平成4年)11月11日公表、2003年(平成15年)2月18日廃止)の偶発事象の定義や、「監査マニュアル」(監査第一委員会研究報告第1号)の「4090偶発債務に関する監査手続書」を用いて検討している。 すでに廃止された監査基準委員会報告書第2号(中間報告)「特記事項」では、偶発事象を次のように定義していた。 なお、IFRSのIAS 第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」では引当金、偶発負債及び偶発資産についての定義は定められているものの、偶発事象の定義は定められていないとのことである(4ページ)。 2 日本公認会計士協会の提言 日本公認会計士協会として、偶発債務の我が国の会計上の取扱いについて、次の取扱いを検討すべきではないかと考えるとのことである(22ページ)。 我が国においては存在していない偶発事象全般に関する会計基準を新たに開発することを目標に検討されることが望ましいと考えられるとのことである(30ページ)。 (了)
《速報解説》 会計上の論点及びスキーム別の会計処理上の論点などをまとめた 「インセンティブ報酬の会計処理に関する研究報告」(公開草案)が公表される 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 2018(平成30)年12月14日、日本公認会計士協会は、「インセンティブ報酬の会計処理に関する研究報告」(公開草案。会計制度委員会研究報告)を公表し、意見募集を行っている。 これは、インセンティブ報酬の会計上の取扱いについて研究したものである。 意見募集期間は2019(平成31)年1月25日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 公開草案の概要 公開草案は、目次を含めて101ページに及ぶものであり、以下では、主な内容について解説する。 1 インセンティブ報酬に関する会計上の論点(総論) インセンティブ報酬に関する会計上の論点(総論)として、次のことが記載されている。 「② 費用計上額の測定日(事後的な時価の見直しの要否)」に関しては、費用計上額に焦点を当てて考えたときの時価測定の時点は、付与日(契約締結日)ということになり、また、発行されるオプション又は株式に焦点を当てて考えてみたときにおいても、時価測定の時点は、付与日(契約締結日)ということになると記載している(17ページ)。 2 インセンティブ報酬に関するその他の会計上の論点(各論) インセンティブ報酬に関するその他の会計上の論点(各論)として、次のことが記載されている。 「⑥ 株価連動型金銭報酬における取扱い」に関して、株価連動型金銭報酬とは、株式の発行や自己株式の処分は伴わず、金銭(現金)によって役員等に給付される報酬であるものの、当該報酬の額が自社ないし親会社等の株価に連動して決定されるような報酬をいい、我が国の会計基準等において、株価連動型金銭報酬の会計処理は特に定められておらず、会計上の定義についても明文の定めはないと記載されている(48ページ)。 一般的に、株価連動型金銭報酬に区分される報酬制度としては、仮想的に株式を交付するか否かによって、次の2つに区分されるとのことである(48、49ページ)。 3 インセンティブ報酬のスキーム別の会計処理上の論点 インセンティブ報酬のスキーム別の会計処理上の論点として、次のことが記載されている。 (了)
《速報解説》 空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例に係る改正事項 ~平成31年度税制改正大綱~ 弁護士 羽柴 研吾 1 はじめに 平成30年12月14日に公表された与党の平成31年度税制改正大綱において、空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充・延長措置が明記された(大綱21頁)。 2 改正の背景 近年、周辺の生活環境に悪影響を及ぼしうる空き家の数が年々増加し、相続人が使う見込みのない古い住宅が空き家として放置され、周辺の生活環境に悪影響を与えることを未然に防止する必要性が認識されていた。 このような中、平成28年度税制改正において、空き家の発生を抑制するため、被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下「相続空き家の特例」という)が創設された。これは、相続又は遺贈によって取得した被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等を譲渡した場合で、一定の要件に該当するときは、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(租特法第35条《居住用財産の譲渡所得の特別控除》第1項)の適用を受けることができるようにするものであった。 相続空き家の特例の適用対象となる「被相続人居住用家屋」とは、相続の開始の直前において当該相続又は遺贈に係る被相続人の居住の用に供されていた家屋である(租特法第35条第4項)。そのため、例えば、その被相続人がその相続の開始の直前において老人ホーム等に入居していて、既にその家屋を居住の用に供していなかった場合には、被相続人居住用家屋には該当しないものとされていた(財務省「平成28年度税制改正の解説」152頁参照、租特通35-10、31の3の2も併せて参照されたい)。 しかしながら、被相続人は相続開始の直前において老人ホーム等に入居していることも多く、被相続人が家屋に住まなくなった理由のうち、老人ホーム等の施設に入居したことを理由とするものが14.4%を占めており、これは死亡を理由とするもの(64.2%)に続く割合を占めている(国土交通省「平成31年度国土交通省税制改正概要」11頁)。 そこで、今回の改正は、老人ホーム等に入居した場合であっても、一定の要件に該当するときは、相続空き家の特例の適用を受けられるようにしたものである。 3 拡充の内容 (1) 被相続人居住用家屋の対象の拡充 次の要件を満たす場合に、被相続人居住用家屋に該当するものとされた。 (2) 適用期間の延長 相続空き家の特例の適用期間が、4年間(平成32年(2020年)1月1日から平成35年(2023年)12月31日)延長された。 4 適用時期 改正法は、平成31年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用される予定である。 (了)
《速報解説》 土地の所有権移転登記等に係る登録免許税の軽減措置の延長等、登録免許税に係る主な改正事項 ~平成31年度税制改正大綱~ 税理士・行政書士・AFP 山端 美德 平成30年12月14日、与党(自由民主党と公明党)による「平成31年度税制改正大綱」が公表された。 登録免許税に係る主な改正事項は、以下のとおりである。 1 土地の所有権移転登記等に係る登録免許税の延長 人口の減少下においても土地に対する需要を喚起し、土地の流動化を通じた有効利用等の促進を図るため、また、2019年10月には消費税率の10%への引上げが予定されており、土地に係る税額も住宅取得に影響を与えるおそれがあることから、土地の所有権移転登記等に係る登録免許税の税率について、下記の軽減税率を平成33年(2021年)3月31日まで2年間延長する。 2 Jリート及びSPCが取得する不動産に係る特例措置の延長 2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017-Society 5.0の実現に向けた改革」により、2020年頃までにリート等の資産総額を約30兆円に倍増することを目指し、成長性の高い不動産への転換や供給に向けた投資を促す観点から、Jリート及びSPC(資産流動化法に基づく特定目的会社)が取得する不動産に係る登録免許税について、下記の軽減税率を平成33年(2021年)3月31日まで2年間延長する。 3 不動産特定共同事業において取得される不動産に係る特例措置の拡充・延長 都市機能の向上及び地域活性化を図るため、またデフレからの脱却のためには、不動産特定共同事業法の仕組みを一層活用し、さらなる民間不動産投資を誘発することが必要であり、特例事業者等が取得する不動産に係る現行の特例措置を平成33年(2021年)3月31日まで2年間延長するとともに、一部の要件の見直しを行う。 (了)
《速報解説》 BEPS勧告を受けた過大支払利子税制の見直し ~平成31年度税制改正大綱~ 弁護士 木村 浩之 平成30年12月14日公表の与党大綱において、過大支払利子税制の見直しが明記された。本稿ではその概要について解説を行う。 1 改正の背景 法人税の所得の計算上、支払利子は損金に算入されることから、これを利用し、過大な支払利子を損金に計上することで税負担を圧縮する租税回避行為が可能となる。そこで、日本では、平成24年度税制改正により、所得金額に比して過大な利子を関連者間で支払うことを通じた租税回避を防止するため、過大支払利子税制が創設された。 この点、企業グループ内のような関連者間においては、借入れを比較的容易に設定できるため、過大な支払利子を通じた税負担の圧縮が恣意的になされるおそれが高いといえる。このようなことから、改正前の現行制度(以下「旧制度」という)では、関連者に対する純支払利子(支払利子からこれに対応する受取利子を控除したもの)のうち、基準となる所得(調整所得金額)のうちの一定の割合(50%)を超える部分の金額について損金不算入とされていた。 かかる過大な支払利子を通じた租税回避行為は日本のみならず、各国における共通の問題と考えられており、G20/OECDのBEPSプロジェクトでも独立したテーマ(行動4)として取り上げられた。そして、BEPSプロジェクトの最終報告書において、これに対抗するためのベストプラクティスについて勧告がなされた(以下「勧告」という)。 今回の改正は、この勧告内容に照らして、旧制度が不十分であると考えられる点を強化するとともに、借入れを活用した投資活動を過度に抑制することのないようにとの経済界等の要望にも一定の配慮がなされたものといえる。 以下では、主な改正点について解説する。 2 対象となる利子の支払先の拡張 旧制度では、損金算入制限の対象となる利子の支払先は関連者に限られていた。これに対して、関連者以外の第三者からの借入れを通じた租税回避行為も多くみられることが指摘されており、勧告では支払先について特段の限定はなされていない。 そこで、今回の改正では、基本的には、支払先について特段の限定をすることなく、関連者以外の第三者に対する支払であっても制限の対象にするものとされた。もっとも、それでは正常な経済活動が阻害されるおそれがあることから、租税回避とは考えにくい一定の支払利子については対象外にすることとされた。 対象外となる主なものは、①受領者において日本の課税所得に含まれる支払利子(すなわち、日本の課税ベースを侵食しない支払利子)、②社債などの債券に係る支払利子であって非関連者に対して支払われるもの(すなわち、恣意的な借入れに係る支払利子とはみられにくいもの)である。②については、債券利子が日本で課税されるかどうか、国内又は国外のいずれで発行されるかなどにより、対象外とされる金額が異なることになる。 3 基準となる所得の縮小 旧制度では、受取配当の益金不算入額も基準となる所得に含まれており、課税対象とはならない多額の所得によって損金算入が認められる余地が大きく増加するという弊害があった。これに対して、勧告では、益金不算入となる受取配当は基準となる所得には含まれないものとされている。 そこで、今回の改正では、国内外の受取配当益金不算入額は基準となる所得に含まれないこととされた。これにより、損金算入が認められる余地は減少することになる。 4 基準割合の引下げ 旧制度では、基準となる所得のうちの50%を超える部分が損金不算入とされており、言い換えれば、50%までは損金算入が認められていた。これに対して、勧告では、基準割合は10%~30%とされている。 そこで、今回の改正では、この基準割合を20%に引き下げることとされた。これにより、損金算入が認められる余地は減少することになる。 5 制度の適用免除 以上のとおり、今回の改正は制度の適用対象を拡大するものであるが、その緩和措置として、制度の適用免除の要件が緩和された。すなわち、いわゆるデミニミスルールとして、対象となる純支払利子が2,000万円以下である場合には適用を免れられることになった。旧制度では1,000万円以下が基準とされており、これが引き上げられることで要件が緩和されたものである。 また、旧制度では、関連者に対する支払利子割合が全体の50%以下である場合に適用免除とされていたが、今回の改正では、このルールに替えて、50%超の保有関係にある内国法人グループ全体を見た場合において、グループ全体での支払利子のネット金額が基準となる所得の20%以下である場合に適用免除が認められることとされた。 6 適用時期 今回の改正は、平成32年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用される予定である。 (了)
《速報解説》 平成31年度税制改正大綱(与党大綱)が公表される ~個人版事業承継税制の創設と特定事業用宅地等に係る小規模宅地等特例の要件見直し、 配偶者居住権の評価方法を明記、 中小企業の防災・減災設備投資を促進する税制の創設~ Profession Journal編集部 自由民主党・公明党は平成30年12月14日、当初予定より2日ほど遅れ「平成31年度税制改正大綱」(与党大綱)を公表した。 今回の大綱取りまとめに当たり焦点となったのは、来年(2019年)10月1日から実施される消費税率10%引上げ後の景気の落ち込みを抑制する施策であり、増税後の自動車や住宅の購入に係る税制措置のさらなる拡充が図られることとなった。 一方で、来年中に期限切れとなるものを含む租税特別措置については、単純な延長ではなく、その効果等を検証し適用要件の見直しが行われるものも多い。 さらに相続法制の見直し及び成年年齢の引下げに関するそれぞれの改正民法を受け、税制においても新たな財産の評価方法や現行制度の見直しが行われており、実務への影響も大きい。それぞれの施行時期については一律ではないという点も留意したい。 以下、主な改正事項を紹介する。なお、例年のとおり、重要な改正事項については年末から年始にかけ個別に速報解説を順次公開していくので、そちらも合わせて参照されたい。 また、こちらの[資料リンク集]ページも今後更新を重ねていくので、ログインの上、ブックマークボタンを押すなどして確認できるようにしていただきたい。 (注)下記で用いている元号表示を西暦で表記すると、次のとおりとなります。 〇住宅・車体課税 車体課税については、平成31年10月1日に導入される自動車税の環境性能割について平成32年9月30日までの軽減措置、自動車税種別割の税率引下げ(恒久化)を行い、一方で自動車税のグリーン化特例や自動車取得税のエコカー減税については対象の絞り込みを行うなど抜本的な見直しが行われている【大綱p83】。 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(住宅ローン控除)の特例が創設され、消費税等の税率が10%である場合の住宅の取得等について、適用年の10年目までは現行制度と同額の住宅借入金等特別控除を認めた上、11~13年目までの各年の控除額を消費税率2%引上げの負担に着目し、①住宅借入金等の年末残高(4,000万円(※)を限度)×1%と②〔住宅の取得等の対価の額又は費用の額-当該住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等〕(4,000万円(※)を限度)×2%÷3のいずれか少ない金額とすることとされる(平成31年10月1日~平成32年12月31日)【大綱p18】。 (※) 一般住宅の場合。認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅の場合は5,000万円。 なお、住宅関連では他に、来年12月31日で期限切れとなる空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について適用期限を平成35年12月31日まで4年延長した上、老人ホーム等に入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋・土地等について、一定の要件の下、適用を認めることとした(H31.4.1以後の譲渡から)【大綱p21】。また、土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限は平成33年3月31日まで2年延長される【大綱p48】。 〇中小企業関係税制、延長に合わせ一部見直しも まず中小企業者等の法人税率の特例(年800万円以下の所得金額について15%(本則19%))は平成33年3月31日までの2年延長。中小企業向けの主な設備投資減税(中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制)もそれぞれ平成33年3月31日まで延長される。ただし、商業・サービス業・農林水産業活性化税制は「投資を含む経営改善により売上高又は営業利益の伸び率が年2%以上となる見込みであることについて認定経営革新等支援機関等の確認を受けること」という要件が追加され(H31.4.1以後取得等分)、中小企業経営強化税制についても特定経営力向上設備等の範囲の明確化・適正化を行うとしている【大綱p64】。 これら法人税関係の中小企業向けの各租税特別措置の適用に当たっては、適用不可とされる「みなし大企業」をめぐり以下の改正が行われる。まず適用対象法人の中に法人税法上のみなし大企業(下記〔補足〕参照)に該当する法人も存在しているとの指摘から、措置法上のみなし大企業の適正化を図るため、その判定において、大規模法人に①大法人(※)の100%子法人②100%グループ内の複数の大法人に発行済株式又は出資の全部を保有されている法人が加えられる【大綱p66】。一方で、事業承継ファンドから出資を受けた場合にみなし大企業とされ、中小企業向けの設備投資減税が適用されないという問題から、事業承継ファンドを通じて中小企業基盤整備機構から受ける出資については、大規模法人の所有する株式等に含まないこととされる【大綱p65】。 (※) 資本金の額等が5億円以上の法人、相互会社もしくは外国相互会社(常時使用従業員数1,000人超)又は受託法人 新たな税制措置としては、昨今頻発する自然災害を受け、中小企業・小規模事業者の事業継続力を強化するための設備投資を後押しするため、一定規模以上の自家発電機や制震・免震装置、照明器具や貯水タンク等の防災・減災を目的とした設備(特定事業継続力強化設備等)を取得等し事業の用に供した場合の特別償却(20%)制度が創設される。なおこの新制度は中小企業等経営強化法の改正が前提とされ(施行時期は同法の改正法の施行日~平成33年3月31日)、適用に当たっては一定の事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画(仮称)を作成し経済産業大臣の認定を受ける必要がある【大綱p65】。 公益法人等又は協同組合等の貸倒引当金の特例(繰入限度額の10%割増措置)については、既報のとおり会計検査院からの指摘により、来年3月31日をもって期限切れ(廃止)となる(5年間の経過措置あり)【大綱p79】。 研究開発税制は、税額控除率の上乗せ措置の期限切れに合わせ、主に以下の見直しが行われる。まずオープンイノベーション型の対象範囲に民間企業(研究開発型ベンチャー(経産省が認定したファンドから出資を受けているベンチャー企業等))への一定の委託研究を追加等し控除上限を法人税額の10%(現行5%)に引き上げる。また総額型については、研究開発を行う一定のベンチャー企業の控除上限を法人税額の25%から40%に引き上げるとともに、税額控除率及び控除上限の上乗せ措置の適用期限を2年延長し、増加インセンティブを高めることを目的に、平成29年度改正に続きさらに控除カーブの見直し等を行う。これらにより高水準型は総額型に統合される構造となる【大綱p60】。 〇個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度の創設 中小企業の事業承継を促進する措置については平成30年度税制改正において事業承継税制の特例措置が期間を10年に限定して導入されたところだが、平成31年度では新たに個人事業者の事業承継を促進する個人版の事業承継税制(個人事業者の事業用資産に係る贈与税・相続税の納税猶予制度)が、こちらも10年間の時限措置として創設される【大綱p41】。 具体的には、贈与税の場合、一定の承継計画に記載され経営承継円滑化法の規定により認定を受けた後継者(認定受贈者)が、平成31年1月1日から平成40年12月31日までの間に贈与により特定事業用資産を取得し事業を継続する場合、担保の提供を条件に、認定受贈者が納付すべき贈与税額のうち贈与により取得した特定事業用資産の課税価格の100%に対応する贈与税額が猶予される。なお特定事業用資産とは、贈与者の事業(不動産貸付事業等を除く)の用に供されていた土地(面積400㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)及び建物以外の減価償却資産(固定資産税又は営業用として自動車税もしくは軽自動車税の課税対象となっているもの等)をいう。その他、猶予税額の全額・一部免除や承継後の届出書等の提出要件など法人版の事業承継税制をベースに設計されている。 なお個人事業者の事業承継をめぐっては、許認可手続の簡素化が規制改革推進会議で検討されており、これら他方面からの環境整備の動向も注目される。 ただしこの個人版事業承継税制は、既存の個人版事業承継税制ともいえる特定事業用宅地等に係る小規模宅地等特例との選択適用となる。既存制度はすでに浸透している制度であり減税効果も大きいことから、新制度の適用には躊躇する面もあるが、一方で特定事業用宅地等については、昨年の会計検査院の指摘もあり、その範囲から、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等(当該宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、当該宅地等の相続時の15%以上である場合を除く)が除外されるという見直しが行われる(H31.4.1~)【大綱p44】。 特定事業用宅地等をめぐる本特例については、相続税の申告期限までしか事業の継続要件がない等、上記以外にも制度上の問題点がいくつか指摘されており、小規模宅地等特例については、32年度以降の改正動向にも注視が必要だ(【大綱p6、p121】の記載も合わせて参照されたい)。 〇改正相続法への対応 既報のように11月公布の施行日政令により、各改正項目の施行時期が判明した民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(改正相続法)だが、税制上の対応として次の事項が示された【大綱p57】。 まず、改正相続法の附帯決議にもその対応が求められていたが、相続税における配偶者居住権等の評価額を次のように定めるとした。 一昨年の広大地評価の見直し等と同様に考えると、今後、財産評価基本通達の改正案がパブコメに付され、配偶者居住権の施行(平成32年4月1日)に合わせて確定されるという工程が考えられる。 なお、配偶者居住権が設定された不動産については物納劣後財産(物納に充てることが認められる順位の低い財産)とされ、配偶者居住権の設定の登記については、登録免許税を課税することとされた(2/1,000)【大綱p58】。 他の改正項目として、被相続人の療養看護等を無償で行い被相続人の財産の維持等に貢献した相続人以外の被相続人の親族(例えば長男の嫁等)に、相続人に対するその寄与に応じた金銭の請求が認められる特別寄与料については、被相続人から遺贈により取得したとみなし相続税の課税対象とされる。また特別寄与料を支払う相続人の課税価格からは、その額が控除される【大綱p58】。 〇成年年齢の引下げに伴う見直し 「民法の一部を改正する法律」が平成34年4月1日から施行され成年年齢が20歳から18歳に引き下げられるが、税制上、年齢要件を20歳又は成年(未成年)としている制度は、対象者の行為能力や管理能力に着目して要件を定めているとの考えから、同法施行に合わせ、相続税の未成年者控除の対象者や、相続時精算課税制度(及び同特例)・直系尊属からの贈与に係る贈与税の特例税率・非上場株式等に係る贈与税の納税猶予といった各制度における受贈者の年齢要件が20歳から18歳に引き下げられる【大綱p57】。成年=20歳との思い込みから判断を誤ることのないよう施行時期に合わせた対応を心がけたい。なお、他にも税理士資格を有する成年の年齢についても改正後の成年の年齢と同様とされるため【大綱p118】、今後、10代の税理士資格保有者が登場する可能性がある。 〇世代間の早期資産移転を目的とした贈与税の非課税措置は縮減へ 平成31年3月31日に適用期限を迎える「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」及び「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、内閣府や文部科学省などから制度恒久化や対象拡大等の要望がなされていたが、共に足元1年間の新規契約数が創設当初の件数から大幅に落ち込んでいることや、教育資金特例については経済格差が教育格差を生んでいる現状などから、共に平成33年3月31日まで2年延長されたものの、教育資金特例については受贈者の所得要件(1,000万円)が規定され23歳以上の者の教育資金の範囲の限定などが行われ、結婚・子育て資金特例も受贈者の所得要件(1,000万円)が追加された【大綱p45、p46】。 〇その他地方税、国際課税関係、ひとり親への対応 地方税源の偏在是正の問題への対応として、平成31年10月1日以後開始事業年度からの地方法人特別税の廃止と法人事業税への復元に合わせ、復元後の法人事業税(所得割・収入割)の一部(法人事業税の約3割)を特別法人事業税(仮)(国税(ただし賦課徴収は法人事業税と併せ都道府県が行う))として分離し、その全額を特別法人事業譲与税(仮称)として、人口を譲与基準として都道府県に譲与する仕組みが設けられる【大綱p71】。 また過度な返礼品が問題視されていたふるさと納税については、税額控除の対象となる団体を、一定の基準(返礼割合3割以下、地場産品等)に基づき総務大臣が指定したものに限られ、指定した都道府県等がその基準に適合しなくなった場合は指定を取り消すことができることとされた(H31.6.1~)【大綱p40】。 国際課税の関係では、過大支払利子税制においてBEPS勧告内容に合わせるため①対象となる利子②調整所得の定義③基準値についての見直し等を行い【大綱p98】、移転価格税制では評価困難な無形資産取引に係る価格調整措置の導入、移転価格税制上の無形資産の定義の明確化などが行われている【大綱p100】。 最後まで与党間での協議が難航したひとり親をめぐる税制上の措置については、「子どもの貧困に対応するため、事実婚状態でないことを確認した上で支給される児童扶養手当の支給を受けており、前年の合計所得金額が135万円以下であるひとり親に対し、個人住民税を非課税とする措置を講ずる」とした上【大綱p14、p41】、大綱p121(第三 検討事項)において「婚姻によらないで生まれた子を持つひとり親に対する更なる税制上の対応の要否等について、平成32年度税制改正において検討し、結論を得る。」とされている。 (了)
2018年12月13日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル No.298を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!- - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。
酒井克彦の 〈深読み◆租税法〉 【第71回】 「社会通念から読み解く租税法(その2)」 中央大学商学部教授・法学博士 酒井 克彦 Ⅱ 租税法と社会通念(承前) 2 財産分与に係る第二次納税義務 (1) 財産分与と「著しく低い額の対価による譲渡」 離婚に伴う財産分与については、既に過去の最高裁判決によって、財産分与を行った者に対して譲渡所得課税がなされるとされている。 すなわち、最高裁昭和50年5月27日第三小法廷判決(民集29巻5号641頁)は、次のように述べ、財産分与者に対する譲渡所得課税を肯定する。 このように、財産分与をする側の者に対して所得課税が行われると判断されており、財産を取得した側に対する課税はなされないものと理解されているところである。 これに対して、離婚に際し自宅を財産分与された妻が、元夫が国税を滞納していたことに関して「第二次納税義務」の納税告知処分を受けたことから、かかる納税告知処分の取消しを求めた事例がある。次に、東京地裁平成29年6月27日判決(判例集未登載)をみてみよう。 事案の概要 X(原告・控訴人)の夫Pは、土地を譲渡したことで譲渡所得の申告(修正申告)をしたが、滞納したため、平成12年4月に所轄国税局より所有土地の差押えを受けた。 その後、XとPは協議離婚を行い、かかる離婚に伴ってPはXに対して、居宅のあったA土地を財産分与することになった。これに伴いPは、翌年3月にA土地の財産分与(譲渡)に係る所得税の確定申告を行った。A土地を取得したXは、その後土地を分筆の上、平成19年1月にその一部を譲渡し、譲渡代金として、3,900万円を受け取った。 Pの国税の滞納が続いていたところ、所轄国税局は平成24年2月に租税債権約2億5,900万円の徴収のため、Xに対し、国税徴収法39条に基づき、納付税額約1億1,000万円とする第二次納税義務の納税告知処分を行った。 このように、国税徴収法39条は一定の場合における第二次納税義務を定めているが、同条における「著しく低い額の対価による譲渡」であるか否かの判断について、東京地裁は、その制度趣旨に鑑みて次のように説示する。 このように、東京地裁は、著しく低い額と認められるか否かについては、「社会通念」で判断すべきとしている。 そして、離婚に伴う財産分与の場合についても、国税徴収法39条所定の「譲渡」に当たると解されることを前提とした上で、まず財産分与の本旨を以下のように述べる。 そして、財産分与の協議等に従い不動産の譲渡等がなされた場合、それにより財産分与者が「分与義務の消滅」たる経済的利益を享受する点については、上述の最高裁昭和50年5月27日第三小法廷判決を参照している。 そして、財産分与と第二次納税義務の関係性に関し、次のように説示する。 (2) 不相当に過大な財産分与 上記のとおり、東京地裁は、不相当に過大な財産分与については、租税債権が徴収不足となり、納税者間の公平が損なわれるとしているが、それでは、具体的に財産分与として相当な額とはいったいいくらなのであろうか。 この点について、東京地裁は、①清算的財産分与、②扶養的財産分与、③慰謝料的財産分与の合計額を参考に検討しているため、簡潔に確認しておきたい。 ① 清算的財産分与 ② 扶養的財産分与 東京地裁は、①Xが本件離婚時において53歳であり、②本件離婚時に至るまでパートタイムの仕事により月約10万円の収入を得ており、③X名義の預金として388万8,734円を有していたこと、また、④上記1,152万2,735円相当の清算的財産分与を受けることができること、そして、⑤XとPとの間の子2名は、既に本件離婚時に成年に達し、その後も本件不動産上の建物においてPと同居をしていたことを認定した上で、扶養的財産分与としての相当額を次のように算定する。 ③ 慰謝料的財産分与 このような認定から、東京地裁は、民法768条3項の趣旨に反して不相当に過大と評価される財産分与の額を求めている。 すなわち、本件離婚に伴いPがXに対して少なくとも3,000万円を超えて財産分与をすることは民法768条3項の趣旨に反して不相当に過大なものとの評価を免れないとした上で、結論として次のように判断している。 本件東京地裁のいう「社会通念」に従って判断するとのことは、結局のところ、①清算的財産分与、②扶養的財産分与、③慰謝料的財産分与などの分析的手法による積み上げ計算での結果を指しているものと思われる。 このように考えると、社会通念とは、必ずしも非科学的な漠然とした観念として捉えられるものではなく、具体的な計算結果に落とし込んだ判断を展開するための法技術的な「道具」であるとみることもできなくはないといえよう。 (続く)
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【第4回】 「法人税の課税所得計算と損金経理(その4)」 国際医療福祉大学大学院准教授 税理士 安部 和彦 (6) 費用収益対応の原則 法人税法における損金性、すなわち当該損金をどの年度において計上するのかという年度帰属の問題を理解するにあたり、避けて通れないのが「費用収益対応の原則」と「権利確定主義」についてである。以下でそれぞれの意義を確認しておきたい。 まず費用収益対応の原則(matching principle)であるが、これは一般に、経済活動の成果をなす収益と、それを得るために費やされた犠牲としての費用を、厳密に対応づけその差額を利益として算定することを通じて、各会計期間の経営成績を適切に測定するという、企業会計における利益計算の基本原則であると解されている(※1)。 (※1) 桜井久勝『財務会計講義(第19版)』(中央経済社・2018年)75頁。 それでは、費用収益対応の原則は法人税法においても妥当するのであろうか(※2)。これについては、法人税法第22条第4項を根拠に、法人所得の計算においても妥当するものと解すべきというのが通説である(※3)。すなわち、以下のように整理できるのである。 (※2) 所得税法においても、継続的事業の所得については妥当すると考えられる。藤谷武史「必要経費の意義と範囲」『日税研論集74号』(平成30年)162頁参照。 (※3) 金子宏『租税法(第二十二版)』(弘文堂・2017年)346頁。 (※4) なお、費用収益対応の原則は損失には及ばないとする学説もあるが(例えば、酒井克彦『プログレッシブ税務会計論Ⅱ』(中央経済社・2016年)57頁)、筆者は当該原則の根拠は公正処理基準にある(金子説及び上記東京高裁昭和48年8月31日判決)と考えることから、損失も射程に入るという立場である。 要するに、特定の収益との対応関係が明らかな費用(原価)はその収益と同一年度に(個別的対応)、そうでないもの(非原価項目)は発生した年度の費用として計上する(期間的対応)というのである。 裁判所はこの点につき、以下の通り判示している(東京高裁昭和48年8月31日判決・行裁例集24巻8=9号846頁)。 (7) 権利確定主義と債務確定主義 ① 権利確定主義 権利確定主義とは、一般に、所得課税における収入の年度帰属の問題に関する考え方を示したものと解されている。これについては大きく分けて、現実の収入の時点を基準とする現金主義(cash method)と現実の収入がなくとも所得が発生した時点を基準とする発生主義(accrual method)の2つの考え方がある。企業会計においては、上記のうち現金主義ではなく広義の発生主義を採用した上で(企業会計原則第二・一A)、収益の計上基準として実現主義を採用している(企業会計原則第二・三B)。 所得税法においては、この点につき「収入すべき金額」とすると規定されており(所法36①)、これは収入すべき権利の確定した金額のことを意味するとして、発生主義の中でも「権利確定主義」を採用したものと解されている(※5)。 (※5) 金子前掲(※3)書293-294頁。 法人税法においては、収益の計上基準について条文の文言上、明示されているわけではない。しかし、法人税法においても基本的にこの考え方が妥当し、所得の実現の時点を基準として所得を計上すべきこととなり、原則として財貨の移転や役務の提供などによって債権(対価を得る権利)が確定したときに収益が発生すると解すべき、すなわち所得税法と同様に権利確定主義によるべきものとされている(※6)。なお、企業会計上の実現主義に対応するのが法人税法上の権利確定主義であると理解すべきであろう。 (※6) 金子前掲(※3)書336-337頁。 裁判所は法人税法における権利確定主義の意義について、以下の通り判示している(最高裁平成5年11月25日判決・民集47巻9号5278頁[大竹貿易事件])。 ② 債務確定主義 次に債務確定主義ないし債務確定基準であるが、これは費用の認識基準ないし年度帰属の基準であり、償却費以外の費用は債務の確定を待って初めて損金に計上できるという、法人税法22条3項2号カッコ内の規定に基づくと考えられる。 裁判所は当該債務確定主義について、以下の通り判示している(大阪高裁平成21年10月16日判決・判タ1319号79頁)。 また、「債務の確定」とは以下の裁判例(山口地裁昭和56年11月5日判決・行集32巻11号1916頁[株式会社ケーエム商事事件])等より、①債務が成立していること、②当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること、③金額を合理的に算定できるものであること、という3要件を満たす必要があると解されている(法基通2-2-12も同旨)。 なお、費用のうち原価(法法22③一)は、売上との直接的・個別的な対応があり、その計上に関し恣意性の介入する余地がないため、債務の確定を要しないと解されている。また、損金算入され得る損失とは、債務の確定ではなく、損失の確定(ないし実現)が要求されるものと解される(※7)。ここから、債務確定主義は費用(販売費・一般管理費のような期間費用)についてのみ妥当するといえる。 (※7) 谷口勢津夫『税法基本講義(第5版)』(弘文堂・2016年)391頁。 (了)