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中小法人の税制優遇措置を考慮した『減資・増資』の活用と留意点 【第2回】「企業活動にとっての減資・増資のメリット・デメリット」

中小法人の税制優遇措置を考慮した 『減資・増資』の活用と留意点 【第2回】 「企業活動にとっての減資・増資のメリット・デメリット」   公認会計士・税理士 石川 理一   1 従業員数基準が実現した場合の検討事項 前回は中小法人に適用される税制優遇措置や中小法人の範囲の見直しが検討されていることを解説した。 前回述べたとおり、中小法人の範囲を資本金基準と従業員数基準を組み合わせて判断する案が日本税理士会連合会から示されている。仮にこの案が実現された場合、どのような検討を行うべきであろうか。 赤い線で囲んだ範囲が中小法人に該当 (※) 従業員数基準を1,000人と仮定している。 中小法人に該当するためには資本金の額が1億円以下でなければならず、中小法人に該当すると税制優遇措置が適用され、税金コストを抑えることができる。このため、資本金が1億円を超える法人が何らかの理由で減資を検討する場合、資本金を1億円以下まで引き下げるか否かは、検討すべきポイントであろう。 また、資本金は1億円以下であるが従業員数が基準の人数を超えるため中小法人に該当しなくなる企業が、業績の不振等により人員の削減を検討している場合も同様に、人員削減により中小法人の税制優遇措置が適用されることを考慮するべきである。 逆に、このような企業で従業員のリストラの必要がない場合は、増資することで財務基盤を強化する、もしくは増資で調達した資金を収益性の高い事業に積極的に投下することによって収益拡大戦略をとるなどの方策をとることも考えられる。 以下では、企業が減資・増資を行った場合のメリット・デメリットについて解説する。   2 減資のメリット・デメリット 企業活動における減資のメリット・デメリットは以下のとおりである。   3 増資のメリット・デメリット 続いて、企業活動における増資のメリット・デメリットを示すと以下のとおりである。 *  *  * 以上をまとめると、次のようになる。   4 減資を行った企業の事例 資本金1億円超の会社が減資により資本金を1億円以下とした事例として、吉本興業株式会社が挙げられる。 吉本興業株式会社は、平成27年3月末時点で利益剰余金が約140億円のマイナスとなっていたため、約125億円の資本金を取り崩して1億円にし、取り崩した約124億円を資本準備金とした。 この時点で直接欠損てん補(利益剰余金のマイナス)に充当しなかったのは、株主資本内の計数変動によって利益剰余金のマイナスを解消するのではなく、まずは収益を上げることによって利益剰余金のマイナスを解消することを考えたためと思われるが、結果として資本金が1億円となっただけで、減資の当初の目的であった利益剰余金のマイナスの解消は実現していない。 同社はこの減資について、「取り崩した資本金を中長期的な投資に回すための財務戦略で、税制優遇が一番の目的ではない」(同社広報)と表明している。 他方、シャープ株式会社も欠損てん補に充当するため平成27年6月の定時株主総会に資本金1億円に減資することを計画していたが、社会的な批判を受け、最終的には減資後の資本金を5億円とした。 資本金を1億円以下にして中小法人の税制優遇措置を活用し節税を図ることは違法ではないが、上述したように企業イメージの悪化につながりかねない。知名度の高い企業はこの点も考慮して減資を検討するべきである。 (了)

#No. 195(掲載号)
#石川 理一
2016/11/24

《編集部レポート》 日税連主催「報道関係者との懇談会」が開催~租税教育や成年後見制度における税理士の役割について紹介~

《編集部レポート》 日税連主催「報道関係者との懇談会」が開催 ~租税教育や成年後見制度における税理士の役割について紹介~   Profession Journal 編集部   日本税理士会連合会は11月22日(火)、日本記者クラブにおいて「報道関係者との懇談会」を開催した。この懇談会はこれまで東京税理士会の主催で行われたきたが、今回より日税連の主催となる。 会の冒頭では神津信一日本税理士会連合会会長より、「本日は、税理士が普段どのような社会貢献活動を行っているか知っていただきたい」旨の挨拶があった。 (神津信一日本税理士会連合会会長) 第一部では杉田宗久専務理事より「こんな場面で税理士が活躍しています」とのテーマで、税理士制度の成り立ちから税理士の業務内容や社会貢献活動について全体的な説明が行われ、続いて富村将之租税教育推進部長より「税理士が行う租税教育」について、納税者意識を高める必要性と学校や教員養成等の現場で実際に行われている租税教育の取組みや今後の展望について説明が行われた。 第二部では加藤武人日税連成年後見支援センター長より、「税理士が行う成年後見」について、税理士の本来業務である帳簿作成等の会計の専門知識が、成年後見制度における収支状況報告書及び財産目録の正確性に活かすことができる点について説明が行われ、さらに日税連成年後見支援センターの役割についての紹介があった。 (了)

#No. 195(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2016/11/24

《速報解説》 ディスクロージャーWG報告を受け、開示府令等の改正案が公表~有価証券報告書の記載内容に「経営方針」を追加~

《速報解説》 ディスクロージャーWG報告を受け、開示府令等の改正案が公表 ~有価証券報告書の記載内容に「経営方針」を追加~   公認会計士・税理士 若松 弘之   1 はじめに 平成28年11月8日、金融庁より「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案が公表された。 本年4月に公表された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告において、我が国における会社法・金融商品取引法・証券取引所上場規則に基づく3つの制度開示内容の整理・共通化・合理化を図る様々な提言がなされているが、それらの提言を受け、現在決算短信の記載内容とされている「経営方針」を有価証券報告書において開示する改正が行われる。 さらに、本年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」を踏まえ、国内募集と並行して行われる海外募集について、一定の場合に臨時報告書の提出を不要とする改正が行われる。 当該改正案について、金融庁では平成28年12月8日まで意見募集を行っている。   2 内容 主な改正案の内容は以下のとおり。 (1) 有価証券報告書の記載内容の追加に関する改正 金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告では、企業と投資家との建設的な対話を促進していく観点から、より効果的かつ効率的で適時な開示が可能となるよう、決算短信、事業報告等、有価証券報告書の開示内容の整理・共通化・合理化に向けた様々な提言がなされた。 このうち現在、決算短信の記載内容とされている「経営方針」について、決算短信ではなく有価証券報告書において開示すべきことが提言されたことを踏まえ、当改正案において有価証券報告書の記載内容に「経営方針」を加えるための改正が提案されている。 具体的には、有価証券報告書の【事業の状況】における【対処すべき課題】を【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】に変更し、当該項目に経営方針の内容等を記載することになる。 なお、決算短信に係る見直しについては、東京証券取引所において、「決算短信・四半期決算短信の様式に関する自由度の向上について」として、現在、「経営方針」の記載を求めている決算短信(サマリー情報)様式の上場会社に対する使用義務を撤廃することが提案されており、平成28年11月28日までパブリック・コメントの募集が行われている。 (2) 海外募集に係る臨時報告書 本年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」を踏まえ、国内募集と並行して海外募集が行われる場合、海外募集に係る臨時報告書に記載すべき情報が国内募集に係る有価証券届出書に全て記載されていることを条件に、当該臨時報告書の提出を不要とする改正が提案されている。   3 適用開始時期 改正後の規定は公布の日から施行する予定であり、上記(1)の有価証券報告書の記載内容追加に関する改正については、平成29年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書から適用する予定である。 (了)

#No. 194(掲載号)
#若松 弘之
2016/11/18

プロフェッションジャーナル No.194が公開されました!~今週のお薦め記事~

2016年11月17日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.194を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2016/11/17

日本の企業税制 【第37回】「政府税制調査会が取りまとめた2つの報告書について」

日本の企業税制 【第37回】 「政府税制調査会が取りまとめた2つの報告書について」   一般社団法人日本経済団体連合会 経済基盤本部長 小畑 良晴   11月14日(月)の政府税制調査会第8回総会で、「経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告」と「『BEPSプロジェクト』の勧告を踏まえた国際課税のあり方に関する論点整理」との2つの報告書の取りまとめが行われた。   ▷経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 個人所得課税に関しては、働き方に対して中立的な税制の構築、所得控除方式の見直し、働き方の多様化等を踏まえた諸控除の見直し、老後の生活に備えるための自助努力を支援する公平な制度の構築、個人住民税のあり方、について取り上げられている。 特に、働き方に対して中立的な税制の構築については、配偶者控除について、税収中立を堅持して、見直す方向で一致したとされている。 具体的な制度の案については、従来の①配偶者控除を廃止し、その財源で子育て支援を拡充、②移転的控除制度を税額控除方式で導入、③夫婦世帯を対象とする新たな控除制度の創設、という3案に加えて、「配偶者の収入制限である103万円を引き上げることも一案との意見があった」とされている。   ▷「BEPSプロジェクト」の勧告を踏まえた国際課税のあり方に関する論点整理 国際課税については、主として、外国子会社合算税制(いわゆるタックスヘイブン対策税制)の総合的見直しについて取り上げられている。 「現行制度がトリガー税率を上回る外国関係会社を一律・自動的に対象外としているために、いわゆるunder-inclusionが発生している一方で、現在の適用除外判定により、実体ある事業が合算課税されてしまうことへの対応を検討する必要がある」ことを背景に、租税回避リスクを「外国子会社全体の税負担水準と活動の態様」により判断する現行の方式から、「外国子会社の所得の内容(受動的所得/能動的所得)」により判断するアプローチへ転換することが提示されている。 つまり、現行のトリガー税率の廃止が念頭にあるものと見られ、膨大な数の外国関係会社すべての所得の内容を吟味することを迫られるのではないかとも見られるが、一方で、「過度な実務負担を生じさせない『制度適用免除基準』」の設定が必要とされている点に注目すべきであろう。「制度適用免除基準」のあり方が、実務対応の大きな鍵を握っている。 また、能動的所得なのか受動的所得なのか判別困難な所得(例えば、能動的所得の中に知的財産からの所得が混入している場合)に対応するため、みなし課税の一種である「超過利潤アプローチ」が挙げられているが、他国でも実施の例を見ない新たな制度の導入には慎重な議論が必要となろう。 この他にも、①タックス・プランニングの義務的開示制度(MDR)、②移転価格税制の見直し、③過大支払利子税制、に関するBEPSプロジェクトにおける議論が紹介され、今後の課題として掲げられた。 ①に関しては、「何らかの客観的な基準を用いて開示対象となるスキームを特定すること」や「既存の情報開示制度等との役割分担を最適化」「開示の対象範囲や罰則等について、他国の制度から大きく乖離しないようにすること」が、導入を検討するにあたっての留意点として挙げられている。 ②に関しては、無形資産移転時の価格設定と無形資産移転後に得られる使用料の価格設定との2点に関するOECDの議論の内容が紹介されており、前者は無形資産の価格算出のためのDCF法の活用とともに、取引時点で評価が困難な無形資産について、「実際の利益」による事後的な再計算を行う「所得相応性基準」の導入が取り上げられている。 ③に関しては、現行の過大支払利子税制では、関連者への純支払利子等が調整所得金額の50%を超える部分について損金算入が認められないが、この50%という閾値について、OECDの勧告では、EBITDAの10~30%の範囲で各国が設定すべきとされていることから、その引下げの必要性と程度について検討が必要とされている。 (了)

#No. 194(掲載号)
#小畑 良晴
2016/11/17

被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第1回】「法人が被災した場合の法人税・消費税における取扱いの概要」

被災したクライアント企業への 実務支援のポイント 〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第1回】 「法人が被災した場合の法人税・消費税における取扱いの概要」   公認会計士・税理士 新名 貴則   震災や水害等によって法人が被災した場合、被災した従業員や取引先等の支援費用、資産の滅失・損壊などによる損失や修繕費用など、臨時的かつ多額の費用・損失が発生することがある。また、被災による混乱のため、そもそも申告や納税を法定期限までに行うことが困難な場合もある。 このような場合においても、法人税や消費税において平常時の取扱いと同様とすることは、法人の復旧の妨げとなる可能性がある。したがって、次のように様々な被災時特有の取扱いが設けられている。なお、これらの詳細については【第2回】以降で順次解説する。   1 申告・納付期限の延長 災害その他のやむを得ない理由により、申告・納税をその期限までにできない場合、次のような期限延長の制度がある。   2 義援金、災害見舞金等の取扱い 災害が発生した際に、法人が被災した者に対して次のような支援を行うことがある。このとき、一定の要件を満たす場合はこれを寄附金又は交際費等として取り扱わず、損金に算入することができる。 法人が被災者に対する義援金を支出する場合は、法人税法上は寄附金として扱い、支出する相手先によって損金算入の取扱いが異なる。   3 取引先に対する支援の取扱い 被災した取引先に対して、次のような支援を行うことがある。このとき、一定の要件を満たす場合はこれを寄附金又は交際費等として取り扱わず、損金に算入することができる。   4 被災した資産に係る損失等 法人が被災した場合、所有する棚卸資産や固定資産に被害が生じ、次のような費用や損失が発生する場合がある。このとき、これが損金に算入されるかどうかについても、災害時特有の取扱いがあるので注意が必要である。   5 災害損失欠損金 青色申告書を提出していない事業年度に発生した欠損金については、繰越控除は認められていない。しかし、欠損金額のうちに災害損失欠損金額がある場合は、青色申告書を提出していない事業年度であっても繰越控除が認められる。   6 過去の大規模災害時における特例措置 災害による被害状況が甚大である場合は、特例法や国税庁の個別通達による特例措置がとられることがある。過去には阪神・淡路大震災や東日本大震災の発生時に、震災特例法や個別通達による特例措置がとられた。最近では平成28年4月に熊本地震が発生した際に、「平成28年熊本地震に関する諸費用の法人税の取扱いについて(法令解釈通達)」が公表されている。 災害の規模によって適用される特例措置は異なるが、大規模災害時の主要な特例措置には次のようなものがある。 (了)

#No. 194(掲載号)
#新名 貴則
2016/11/17

相続税の実務問答 【第5回】「遺贈により財産を取得した場合の申告期限」

相続税の実務問答 【第5回】 「遺贈により財産を取得した場合の申告期限」   税理士 梶野 研二   [答] 相続人以外の者が遺贈により財産を取得した場合には、遺贈のあったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告書を提出し、相続税の納付をしなければなりません。 あなたが、株式の遺贈を受けたことを知った日が平成28年10月18日であるとしますと、相続税の申告及び納付期限は平成29年8月18日になります。   ● ● ● ● ●  説 明 ● ● ● ● ● 1 遺贈を受けた者の相続税の申告義務 相続税は、相続人が相続や遺贈により被相続人の財産の取得をした場合だけではなく、相続人ではない者が、遺贈により財産を取得した場合にも課税されます(相法1の3①)。 つまり、相続人以外の者が遺贈により取得した財産の価額と相続人が相続や遺贈により取得した財産の価額(これらの価額は、一定の債務及び葬式費用を控除し、一定の生前贈与財産の価額を加算した金額となります)の合計額が相続税の基礎控除額を超え、納付すべき相続税額が算出されることとなる場合には、相続人以外の者であっても相続税の申告及び納付をしなければなりません。   2 相続人以外の者が遺贈を受けた場合の申告及び納付期限 相続や遺贈により財産を取得した者で相続税の申告義務のある者は、その者が被相続人の相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告書を提出するとともに(相法27①)、申告書に記載した相続税額を納付しなければなりません(相法33)。 「被相続人の相続の開始を知った日」については、通常は、被相続人が死亡したという事実を知った日をいうものと理解すればよいのですが、より正確には、「自己のために相続の開始があったことを知った日」ということになります(相基通27-4)。すなわち、ある者が、被相続人の死亡の事実を知ったとしても、被相続人の死亡により自分が財産を取得することを知り得なかったとすれば、そのような場合にまで、その者が被相続人の死亡の事実を知った日を基に相続税の申告期限を設けることは合理的ではありません。 このような考え方を踏まえ、相続人以外の者が遺贈により財産を取得した場合には、その者が「自己のためにその遺贈があったことを知った日」を「被相続人の相続の開始を知った日」として取り扱うこととされています(相基通27-4(8))。   3 ご質問の場合 相続開始から相当の期間を経た後に、遺贈があったことが受遺者に知らされることは決して珍しいことではありません。遺言書の発見が遅れたり(特に自筆証書遺言(民法968条)の場合には、家族がその存在を知らなかったことも多いと思います)、遺言の発見者が何らかの意図をもってその内容を関係者に直ちに伝えないこともあるでしょう。 質問者の場合、どのような事情があったのかは定かではありませんが、株式の遺贈があったことを相続人から知らされたのが相続開始から8ヶ月も経過した平成28年10月18日だったとのことですので、その日が「被相続人の相続の開始を知った日」となります。 したがって、その翌日から起算して10ヶ月以内、すなわち平成29年8月18日が相続税の申告及び納付の期限となりますから、同日までに相続税の申告書を提出するとともに、その申告書に記載された相続税額を納付しなければなりません。 なお、質問者が遺贈を受けた株式の引渡しを受けていないということは、相続税の申告及び納付期限には影響しません。遺贈を受けた株式を売却して納税資金を確保したいということであれば、納付期限を見据えながら、余裕を持ってその売却ができるように、早急に株式の引渡しを受ける必要があるでしょう。   (了)

#No. 194(掲載号)
#梶野 研二
2016/11/17

金融・投資商品の税務Q&A 【Q20】「株式の譲渡益から控除できる必要経費の範囲」

金融・投資商品の税務Q&A 【Q20】 「株式の譲渡益から控除できる必要経費の範囲」   PwC税理士法人 金融部 パートナー 税理士 箱田 晶子   ●○ 検 討 ○● 1 上場株式等の譲渡に係る課税の概要 上場株式等の譲渡から生じる所得については、他の所得と区分し、「上場株式等の譲渡に係る事業所得、譲渡所得及び雑所得」(以下、「上場株式等に係る譲渡所得等」)として、20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)の申告分離課税が適用されます。 上場株式等が証券会社等の特定口座内の源泉徴収選択口座で保管されており譲渡益について証券会社等により源泉徴収がなされる場合を除き、原則として申告が必要となります。   2 株式等の譲渡による所得の所得区分 株式譲渡益の計算上、どういった費用を控除できるかについては、株式等の譲渡が(株式等の譲渡に係る)事業所得、譲渡所得又は雑所得のいずれの所得に分類されるのかにより異なります。 株式等の譲渡による所得の所得分類について、所得税基本通達は以下の通り定めています(所基通23~35共-11)。 さらに、租税特別措置法所得税関係通達において、「株式等の譲渡による所得が事業所得若しくは雑所得に該当するか又は譲渡所得に該当するかは、当該株式等の譲渡が営利を目的として継続的に行われているかどうかにより判定するのであるが、その者の一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、次に掲げる株式等の譲渡による部分の所得については、譲渡所得として取り扱って差し支えない」とされています(措通37の10・37の11共-2)。   3 上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除できる費用 上場株式等の譲渡から生じる所得の計算に当たっては、当該株式等の譲渡がいずれの所得区分に分類されるかに応じ、それぞれ以下の通りと定められています。 (※1) 「株式等の取得費」には、購入した有価証券の場合、「購入のために要した費用」、すなわち株式等を購入するに当たって支出した買委託手数料(消費税含む)、交通費、通信費、名義書換料等が含まれます。 (※2) 一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除する借入金利子等は、株式等に係る譲渡所得等の基因となった株式等を取得するために要した負債の利子で、その年中における当該株式等の所有期間に対応して計算された金額となります。 すなわち、譲渡による所得区分が①「事業所得又は雑所得」に分類される場合と②「譲渡所得」に分類される場合とでは、管理費等を必要経費として譲渡による所得から控除できるかどうか、という差異があります。   4 本件へのあてはめ おたずねのA上場株式は投資目的で3年超にわたり保有されていたということですので、株式の譲渡を営利目的で継続的に行っているとはいえず、譲渡益の所得区分は、上場株式等に係る譲渡所得として取り扱われると考えられます。 したがって、譲渡収入から控除できる金額は、株式の取得費の他、譲渡に要した費用(委託手数料)及び借入金利子(株式を借入金で取得した場合のみ適用)のみとなると考えられ、保有期間中に要したその他の費用(例えば書籍代等)は控除できないものと考えられます。 (了)

#No. 194(掲載号)
#箱田 晶子
2016/11/17

〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第40回】「金銭又は有価証券の受取書⑥(仮領収書等)」

〈Q&A〉 印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第40回】 「金銭又は有価証券の受取書⑥(仮領収書等)」   税理士・行政書士・AFP 山端 美德   当社は物品卸売会社です。 営業担当者が得意先への納品時に、品代を現金で領収する場合がありますが、その際には、営業担当者名で仮領収書を作成交付し、後日、経理課において、正式な領収書を郵送にて交付しています。 この場合、仮領収書にも印紙の貼付が必要ですか。また、仮領収書の代わりに納品書に領収のスタンプ、あるいは名刺の裏に領収した旨のメモを記入して交付した場合はどうですか。 【事例1】 仮領収書 平成28年10月27日 〇〇商店 様 仮 領 収 書 金 65,000円 上記金額を商品代金として受領しました。 〇〇物品販売株式会社 営業太郎 印   【事例2】 納品書に領収のスタンプ 平成28年10月27日 〇〇商店 様 納 品 書   【事例3】 名刺の裏に領収サイン (名刺表) (名刺裏)   【事例1】から【事例3】すべて第17号の1文書(売上代金に係る金銭の受取書)に該当する。また、後日、経理課から郵送される領収書についても仮領収書等と同様に、金銭の受取書に該当する。   [検討1] 印紙税の課税対象 印紙税の課税対象は、金銭の受領の事実そのものを課税対象としているのではなく、金銭の受領の事実を証明する目的で作成される文書に対して課税対象としている。 したがって、1つの受領事実に対して、数通の文書を作成交付した場合、それが受領事実を証明する目的で作成されたものである限り、いずれも金銭の受取書に該当することとなる。 事例の仮領収書等は、後日、経理課から正式に「領収書」が発行されると必要がなくなるが、それまでの間は有効なものであり、金銭の受取書に該当する。 なお、印紙税法に「文書」の定義はされていないが、文書とは一般的には文字で書き記したもの、書き物、かきつけ、書類などが文書といわれている。したがって、紙だけにとどまらず、木片や布切れなどに課税事項を記した場合も印紙税法上の文書に該当する。 [検討2] 課税文書に該当する「金銭の受取書」とは 印紙税の課税文書に該当する「金銭の受取書」とは、金銭を受領した者が金銭を支払った者に、金銭の受領事実を証明する目的で交付する文書であり、その文書の名称、呼称や形式的な記載文言によるのではなく、その記載文言の実質的な意義に基づいて判断する。したがって、【事例2】のように納品書に領収済みである旨の表示をしたり、【事例3】のように名刺の裏に手書きで受領金額を記載した場合であっても、金銭の受領事実を証明する目的であれば、「金銭の受取書」に該当することとなる。 [検討3] 作成者 課税文書の作成者は、その作成した課税文書について、印紙税を納める義務がある。 事例の仮領収書等には営業担当者名が記載されている。そのため、営業担当者が作成者となり、納税義務者となるのではないかと思うかもしれないが、営業担当者は会社の従業員として会社の業務を遂行するために、売掛金を回収し、仮領収書等を作成交付しているため、この場合の作成者は会社となる。   ▷ まとめ   (了)

#No. 194(掲載号)
#山端 美德
2016/11/17

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第21回】「サラリーマン・マイカー税金訴訟」~最判平成2年3月23日(集民159号339頁)~

さっと読める! 実務必須の [重要税務判例] 【第21回】 「サラリーマン・マイカー税金訴訟」 ~最判平成2年3月23日(集民159号339頁)~   弁護士 菊田 雅裕   (了)

#No. 194(掲載号)
#菊田 雅裕
2016/11/17
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