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〈IT会計士が教える〉『情報システム』導入のヒント(!) 【第7回】「システムの「導入」と「維持」にはどんなコストが発生するのか?」

〈IT会計士が教える〉 『情報システム』導入のヒント (!) 【第7回】 「システムの「導入」と「維持」には どんなコストが発生するのか?」   公認会計士 小田 恭彦     はじめに 情報システムを導入する際に考慮すべき重要な要素の1つに、費用(コスト)がある。 情報システムの導入は、単にソフトウエアとハードウエアを購入すればよいというだけでなく、ユーザーには見えにくいさまざまなコストが発生する。 今回は会計システムのパッケージソフトを導入する場合を例に、「システムの導入と維持にどのようなコストが発生するのか」という点について紹介したい。   ▼かかるコストは2つに分類▼ システム導入にかかるコストは、大きく2つに分類される。 1つは「導入コスト」と呼ばれるシステムを購入してから稼働までにかかるいわゆる“イニシャルコスト”であり、後者は「運用コスト」と呼ばれるシステム稼働後にかかる“ランニングコスト”である。   ▼システム「導入コスト」の例▼ システム導入コストは、一般に以下のようなものが挙げられる。 以下、費用ごとに紹介していく。   ▼システム「運用コスト」の例▼ システム運用コストは、一般に以下のようなものが挙げられる。 以下、費用ごとに紹介していく。   ▼システムにかかる見積りの難しさ▼ ◆見積り対象の網羅性 前述のとおり、システム導入にはハードウエア、ソフトウエア、支援作業などさまざまな有形無形コストが発生する。基本的には購入するソフトウエアのベンダーに対してすべての項目の見積りを依頼できればよいが、ベンダーの規模や導入範囲によって、ハードはハード、ソフトはソフトなど、その全部ないし一部について、個別に見積りをとらなければならない場合も少なくない。 その際には、今回の導入にあたり何のソフト又はハード、支援が必要なのかという点について、自社で洗い出しを行う必要があり、漏れがないよう注意しなければならない。 ◆カスタマイズの範囲 自社要件にあわせてパッケージ機能にカスタマイズを行う場合、その対象範囲について事前にすべてが明確になっていれば問題ないが、プロジェクトがある程度進んでからでないと分からない場合もある。 そのため、カスタマイズ費用を事前にどの程度見積もっておくかは慎重に検討する必要がある。 ◆導入支援と運用支援の範囲 システム導入時とシステム導入後の運用局面のそれぞれにおいて、外部ベンダーの作業支援を受けることになるが、その範囲と役割分担については事前に細かく決めておく必要がある。 ベンダーも責任範囲の観点から一定の範囲内でのみ対応する場合も多く、ユーザー側との期待ギャップが発生するケースも少なくない。 (了)

#No. 115(掲載号)
#小田 恭彦
2015/04/16

女性会計士の奮闘記 【第28話】「P子の教え」

女性会計士の奮闘記 【第28話】 「P子の教え」   公認会計士・税理士 小長谷 敦子   ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (※) 上記の数値等は実例を元に筆者が作成。 ◆ワンポントアドバイス◆ 経営会議に用いる表を作る場合、まずはその表を作る目的に立ち返って、集計する数字を考えましょう。 またお客様になるべく負担をかけないようにするため、もともと使っている数字を基にできないかどうかを検討しましょう。 (了)

#No. 115(掲載号)
#小長谷 敦子
2015/04/16

《速報解説》 東京証券取引所より「平成26年会社法改正に伴う有価証券上場規程等の一部改正」が公表~特別支配株主の株式等売渡請求制度などへ対応~

《速報解説》 東京証券取引所より 「平成26年会社法改正に伴う有価証券上場規程等の一部改正」が公表 ~特別支配株主の株式等売渡請求制度などへ対応~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年4月10日付で、株式会社東京証券取引所は、「平成26年会社法改正に伴う有価証券上場規程等の一部改正について」を公表した。 次のものが改正されている。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正内容 今回の改正は、本年5月1日に施行される「会社法の一部を改正する法律」(平成26年法律第90号)において、特別支配株主の株式等売渡請求制度の導入、社外取締役や社外監査役の社外性要件の一部緩和などを踏まえたものである(有価証券上場規程の402条(会社情報の開示)等について改正)。 このほか、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社への対応も行われている。   Ⅲ 適用時期等 有価証券上場規程等の一部改正については、平成27年5月1日から施行する。 (了)

#No. 114(掲載号)
#阿部 光成
2015/04/14

《速報解説》 改正会社法等を踏まえた『経団連ひな型』が公表

《速報解説》 改正会社法等を踏まえた『経団連ひな型』が公表   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年4月10日付で、一般社団法人 日本経済団体連合会 経済法規委員会企画部会は、「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型」(改訂版)を公表した。いわゆる経団連ひな型である。 今回の改訂は、本年5月1日に施行される改正会社法及び改正法務省令への対応及び「企業結合に関する会計基準」等の改正を踏まえたものである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正内容 本稿では、事業報告と計算書類及び連結計算書類に関する改正点について解説を行う。 「株主総会参考書類」及び「監査報告」などの改正点については、改訂後の経団連ひな型をお読みいただきたい。 なお、改訂後の経団連ひな型の適用時期については、改正法務省令に合わせて、経団連ひな型の【本ひな型の適用時期】に詳細に述べられているので、お読みいただきたい。 1 事業報告関係 事業報告に関して、全体的に次の対応を行っている。 事業報告に関する主な改正点は次のとおりである。 2 計算書類及び連結計算書類関係 計算書類及び連結計算書類に関する主な改正点は次のとおりである。 (了)

#No. 114(掲載号)
#阿部 光成
2015/04/13

《速報解説》 「国税徴収に係る猶予制度見直し」の適用開始(H27.4.1~)に合わせ『取扱要領』等、関連資料が公表

《速報解説》 「国税徴収に係る猶予制度見直し」の適用開始(H27.4.1~)に合わせ 『取扱要領』等、関連資料が公表   弁護士 木村 浩之   1 はじめに 平成26年度税制改正において、納税環境整備の一環として、国税徴収に係る猶予制度の見直しがなされたが、今般、国税庁HPにおいて同制度の具体的な取扱要領(以下「本取扱要領」という)が公表された。 本取扱要領では、納税の猶予及び換価の猶予等の処理に当たっての基本的な考え方、具体的な処理方法等が詳細に定められており、実際にこれらの制度の適用を検討するに当たり、実務の参考になると思われることから、本稿においてその概要を紹介する次第である。 なお、本取扱要領以外にも以下の資料等が公表されているので、合わせて確認されたい。   2 基本的な考え方 本取扱要領では、以下の3点に留意することが明記されている。 注目すべき点として、近年、納税者保護の観点から、適正手続の保障ということが潮流になっているが、本取扱要領でも、納税者の視点に立って、猶予制度の活用を検討すること、また、その処理も迅速に行うよう努めることなどが明記されており、今後、同制度の積極的な適用が期待されるといえよう。   3 換価の猶予 換価の猶予は、事業の継続や個人の生活の維持に不可欠な財産について、国税差押えがなされたとしても、その換価手続(実際の売却処分等)が一定の期間猶予されるというものであり、従前は税務署長の職権によるものだけが認められていた。これが平成26年度税制改正により、毎月の分割納付を条件として、納税者の申請に基づいて換価の猶予をすることが認められるようになった。 本取扱要領では、換価の猶予が認められるための要件及び手続が詳細に定められているが、申請による換価の猶予の場合も、従来の職権による換価の猶予の場合と同様の要件が必要とされていることに注目される。また、そのほか注目すべき点として、換価の猶予がなされる場合の猶予される金額、猶予される期間及び分割納付の方法が詳細に定められている。   4 納税の猶予 納税の猶予は、災害等が生じた場合、賦課手続が遅延した場合などで、一時に国税を納付することが困難なときに、一定の期間納税が猶予されるというものである。 なお、換価の猶予と共通してのものであるが、従前は税額50万円を超える場合には担保の提供が必要であったのが、平成26年度改正により、100万円まで無担保での猶予が認められることになった。また、100万円を超える場合であっても、猶予期間が3ヶ月以内であれば同様に担保が不要とされ、より使いやすい制度となっている。 本取扱要領では、換価の猶予と同様、納税の猶予が認められるための要件及び手続が詳細に定められており、さらに、これらに共通の事項として、上記の担保の適用に関するものも含め、猶予の許可等に関する処理、猶予の取消し等に関する処理などが詳細に定められている。   5 適用時期 本取扱要領については、平成27年4月1日以降に適用される。特に、今回新たに認められることになった申請による換価の猶予に関しては、同日以後に納期限が到来する国税について適用されることになるので、留意されたい。 (了)

#No. 114(掲載号)
#木村 浩之
2015/04/10

《速報解説》 マイナンバー法の施行時期を定める政令が公布~番号の付番開始は「平成27年10月5日」から~

《速報解説》 マイナンバー法の施行時期を定める政令が公布 ~番号の付番開始は「平成27年10月5日」から~   仰星監査法人 公認会計士 岡田 健司   1 はじめに 平成27年4月3日の官報第第6506号において「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行期日を定める政令」(以下「本政令」という)が公布された。 本政令は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号、以下「マイナンバー法」という)附則第1条(第1号から第3号まで及び第5号を除く、すなわち柱書と第4号)の委任規定を受け交付されたものである。 これにより、個人番号及び法人番号の付番の開始は「平成27年10月5日」から、個人番号の利用の開始は「平成28年1月1日」からとなる。   2 マイナンバー法の各規定の施行期日について 本政令の交付により、マイナンバー法の施行は平成27年10月5日と定められた。つまり、個人番号及び法人番号の付番は平成27年10月5日から開始されることになる。個人番号の利用は平成28年1月1日からとなる。 そこで、関係事務実施者である各事業者においては、改めてこれらの期日を確認し、各期日に間に合うように実務対応の準備を進めていく必要がある。 なお、内閣官房から、平成27年2月17日付で「事業者による個人番号の事前収集について」と題したお知らせが公表されている。そこで、平成27年10月5日以降付番を受けた個人番号については事業者による事前の情報収集が可能である。本件についての詳細は、下記の拙稿をご覧いただきたい。 参考までに、マイナンバー法における各規定の施行期日についてまとめておく。 (了) ↓お薦め連載↓

#No. 114(掲載号)
#岡田 健司
2015/04/10

プロフェッションジャーナル No.114が公開されました!~今週のお薦め記事~

2015年4月9日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.114が 公開されました。 プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布中!   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2015/04/09

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第28回】「「海洋掘削装置」は所得税法上の「船舶」に当たるか?(その1)」~同一税法内部における同一用語の解釈~

酒井克彦の 〈深読み◆租税法〉 【第28回】 「「海洋掘削装置」は所得税法上の「船舶」に当たるか?(その1)」 ~同一税法内部における同一用語の解釈~   中央大学商学部教授・法学博士 酒井 克彦   はじめに 前回までは、異なる租税法で用いられている同一の用語をいかに解釈すべきかという問題を取り上げた。 具体的には、消費税法上の「事業」概念と所得税法上の「事業」概念について、これを同義のものとして理解すべきかどうかという問題を検討したが、そこでは、法の趣旨に従った解釈が展開される余地があることを論じたところである。 そこで、今回からは、同じ租税法の中で用いられている同一の用語はどのように解するべきかという問題について検討することとする。具体的には、ここでは、所得税法161条3号にいう「船舶」の意義を巡って争われた東京地裁平成25年9月6日判決を素材として、この問題を考えてみたい。 所得税法は、内国法人が外国法人からリースをしている資産が「船舶」に当たると、その内国法人が支払うリース料に対して20%の源泉徴収義務があると規定している(所法161三、212)。 ある対象物がこの「船舶の貸付け」に当たるか否かの判断に当たっては、まず、そこにいう「船舶」の意味を明らかにしなければならないのはいうまでもない。しかしながら、所得税法には「船舶」の定義はない。 これまでこの連載で紹介してきた検討の流れを考えると、所得税法上の「船舶」という概念を理解するに当たっては、まず、固有概念なのか、あるいは他の法律からの借用概念なのかという点から考察をすることになりそうである。 また、そもそも、所得税法161条3号にいう「船舶」とは、同法2条1項19号や同法26条1項にいう「船舶」と同じ意味に解釈すべきなのであろうかという疑問も生じるところである。すなわち、同一租税法内における用語の意義が異なることがあり得るのかという問題である。   1 事案の概要 内国法人X社(原告・控訴人)は、石油・天然ガスの探鉱・開発に係る海洋掘削等の事業を行う株式会社であり、パナマ共和国内に主たる営業所がある法人である本件各パナマ法人から、それぞれ海洋掘削の作業の用に供する「リグ(油田の掘削装置)」であるSAGADRIL-1(以下「本件リグ1」という)及びSAGADRIL-2(以下「本件リグ2」といい、本件リグ1と併せて「本件各リグ」という)の貸付けを受けていた。 所轄税務署長は、本件各リグの賃借の対価(以下「本件賃借料」という)は所得税法161条3号が国内源泉所得と定める「船舶の貸付けによる対価」に該当するから、その支払の際に所得税の源泉徴収をして国に納付しなければなければならなかったのに、これを怠ったとして、源泉所得税の納税の告知の処分(以下「本件各納税告知処分」という)及び不納付加算税の賦課決定の処分(以下「本件各賦課決定処分」といい、本件各納税告知処分と併せて「本件各処分」という)を行った。本件は、X社が、本件各リグの貸付けは同号の船舶の貸付けには該当しないなどと主張して、国Y(被告・被控訴人)を相手取り本件各処分の各取消しを求めた事案である。 本件リグは、ジャッキアップ型(甲板昇降型)のリグであり、掘削機器や居住用の施設等を搭載したハル(胴体)にジャッキ装置で上下に動く3本のレグ(脚)を取り付けた構造をしている。 例えば、本件リグ1のハルは、全長59メートル、全幅56メートル、深さ(高さ)6.58メートルの台状の構造体で、上から見ると三角形様の形状をしている。本件リグ1の各レグは、いずれも鉄骨等をはしご状に組んだ長さ(高さ)128.380メートルの三角柱様の構造体で、それぞれハルの各角にこれを貫通するように取り付けられている。ハルを洋上に浮かせた場合の本件リグ1の排水量は、9,228トンである。 本件リグ1を用いた掘削作業は、各レグを下げて海底に着底させ、これらを支えにしてハルを波浪の影響を受けない高さまで上昇させた状態で行われる。本件リグ1が掘削作業を行う場合の最大稼働水深は92メートルであり、最大掘削深度は6,000メートルである。 本件リグ1には、自航を可能とする推進機関が備えられていない。本件リグ1を海上で移動させる手段としては、いずれもレグを上げた状態で本件リグ1を海上に浮かせて曳航船で牽引する「ウェットトウ」と本件リグ1を台船に搭載し溶接及び固定をして運搬する「ドライトウ」がある。 なお、本件リグ2もまた、ジャッキアップ型のリグであり、ハルを洋上に浮かせた場合の排水量が8,720トンであることなどを除いて、その構造等は本件リグ1の構造等と同様である。 以下は、日本海洋掘削株式会社(JDC)からの引用である。   2 争点 本件の争点は、本件各リグが所得税法161条3号にいう「船舶」に該当するか否かである。   3 判決の概要 東京地裁平成25年9月6日判決(訟月61巻1号207頁)は、 とする。 そして、その上で、次のように説示して、「水上に浮揚しての移動及び積載に係る特徴を備えた本件各リグ」について「船舶」該当性を否定しない。 さらに、東京地裁は、次のように論じて本件各リグを所得税法161条3号にいう「船舶」に当たると判断し、X社の主張を斥けた。 控訴審東京高裁平成26年4月24日判決(訟月61巻1号195頁)は、原審の判断は相当であるとして、X社の控訴を棄却した。 (続く)

#No. 114(掲載号)
#酒井 克彦
2015/04/09

マイナンバー制度と税務手続 【第1回】「マイナンバー制度の理解」

マイナンバー制度と 税務手続 【第1回】 「マイナンバー制度の理解」   税理士 坂本 真一郎   【はじめに】 平成25年5月24日に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下「番号法」という)」を含む関連4法案が成立し、平成27年10月から個人番号(以下「マイナンバー」という)及び法人番号が通知され、平成28年1月から社会保障・税・災害対策の3分野で利用が開始される。 マイナンバーは、導入当初は社会保障・税・災害対策分野に係る行政機関等の事務のための利用に限定されているが、マイナンバー制度においては、民間事業者が番号収集・保管という非常に重要な役割を担わなくてはならないものの、未だに特別な対策を立てていないという事業者も多い。 特に、特定個人情報(※1)の適正な取扱いに関するガイドライン(以下「ガイドライン」という)では、特定個人情報の安全管理措置が義務づけられており、事業規模による対策のボリュームの差はあっても、すべての事業者が対応を行わなければならない。 (※1) マイナンバーをその内容に含む個人情報をいう。 それでは、事業者はどういったことを念頭にこのマイナンバー制度に取り組んでいけばよいのか、現時点で公開されている情報をもとに、筆者の視点から解説していきたいと思う。   【マイナンバー制度導入の目的】 番号法第1条では「マイナンバー制度導入の目的」として次の3点が掲げられており、制度を理解する上で重要な部分であるので、まず触れておきたい。 1 行政の効率化 マイナンバー制度の導入後は、国や地方公共団体等に対する行政手続において、マイナンバーの申告、申請書等への記載などが求められることとなる。国や地方公共団体等の間で情報連携が始まると、これまで相当な時間がかかっていた情報の照合、転記等に要する時間・労力が大幅に削減され、手続が正確でスムーズになると見込まれる。 例えば、市町村、税務署、年金事務所等が情報連携することにより、所得税確定申告書に記載している社会保険料控除等についての確認が容易となることや、配偶者控除及び扶養親族控除の適否も容易に確認されることが考えられる。 2 公平・公正な社会の実現 行政機関等の連携により、国民の所得状況等が把握しやすくなり、税や社会保障の負担を不当に免れることや不正受給の防止、さらに本当に困っている方へのきめ細かな支援が可能になる。 例えば、毎年税務署に提出される法定調書は、これを納税者ごとに名寄せして申告書と突合し、税務調査のための事前準備資料として管理しているが、氏名、屋号及び住所等の不一致により、同一人物に帰属するはずの情報が名寄せされずに「不明資料」として埋もれてしまうものも相当数発生している。 マイナンバー制度が導入され、申告書や法定調書等の税務関係書類にマイナンバーや法人番号が記載されることになれば、「不明資料」は減少し、申告書等との突合をより正確かつ効率的に行うことができるようになり、所得把握の正確性が向上すると考えられる。 3 国民の利便性の向上 これまでは、市町村、税務署、年金事務所など複数の機関から証明書類等を入手し、申請書等に添付して提出するということが多々あったが、マイナンバー制度導入後は、社会保障・税務関係の申請時に所得証明、住民票など複数の行政機関等で入手し提出していた添付書類を省略でき、手続が簡素化される。 また、平成29年以降設置予定の「マイ・ポータル(情報提供等記録開示システム)」サイトを通じて、自己が受けることができる行政サービス等のお知らせを受け取ることや、行政機関等が保有する自己の情報を確認し、その運用状況を監視することもできるようになる。 マイナンバー導入後は、住宅ローン控除のための所得税確定申告書の添付書類である「住民票の写し」の提出を省略することができるので、市町村窓口に出向く手間や発行手数料等の負担がなくなる。 また、平成30年にもマイナンバーを戸籍情報に紐付けすることが検討されており、実現すれば、相続税申告書の添付書類である「戸籍謄本」の提出を省略することができる。 それ以外にも、現在は国と地方公共団体それぞれ別々に提出する必要のある給与所得等の源泉徴収票、支払報告書の電子的提出について、提出先が地方税ポータルに一元化される予定となっている。   【マイナンバー制度の前提とされる事項】 前述のマイナンバー制度の目的を達成するためには、次の前提事項が必要となる。 1 付番 マイナンバーは、日本国内に住民票を有する人全員に予測不可能な番号が付番されること(悉皆性)、1人につき1つの番号が重複することのないように付番されること(唯一無二性)、「民-民-官」の関係で流通させて利用できる目に見える12桁のマイナンバー(視認性)が、最新の基本4情報(氏名、住所、性別、生年月日)と関連付けて付番されることが必要である。 このようにして付番されたマイナンバーは、平成27年10月以降、各市町村から住民登録上の住所地宛てに「通知カード」により送付される。 また、法人等については、国税庁において、上記の悉皆性、唯一無二性及び視認性のある13桁の法人番号が付番され、平成27年10月以降、登記上の本店所在地や税務署で登録されている住所地等に、法人番号の「通知書」が送付される。 2 情報連携 1人に1つの番号が付番されても、それぞれの行政機関の持っている個人に関する情報が、マイナンバーに紐付けされなければまったく意味をなさないことになる。 マイナンバー制度は、複数の行政機関等の間において、それぞれの機関ごとに管理している同一人の情報を符号で紐付けし、情報提供ネットワークシステムを通じて、紐付けられた情報を相互に活用できることが前提である。 マイナンバー制度の情報連携の仕組みは、個人のプライバシー権への配慮や国家管理に対する懸念への対応として、個人情報を特定の機関に集約せず、必要に応じて情報の照会・提供を行うことができる「分散管理」の方法が採用されている。 3 本人確認 個人番号を提供する者が、間違いなく番号の持ち主である本人でなければ、マイナンバー制度の前提が崩れてしまう。本人確認は、成りすまし等の防止のため、個人がマイナンバーを提供する際には、その番号が正しいかを確認するとともに、提供者がマイナンバーの真の持ち主であることを確認することであり、この制度の一番重要な手続の一つである。 この本人確認は、個人番号を利用して業務を行う行政機関等(個人番号利用事務実施者(※2))と、これに関連して業務を行う民間事業者等(個人番号関係事務実施者(※3))が行う最も重要な行為である。 (※2) マイナンバーを使って、番号法別表第一で定められる事務を処理する者をいう。 (※3) 個人番号利用事務に関し、他人のマイナンバーを必要な限度で使用して事務を処理する者をいう。 (了)

#No. 114(掲載号)
#坂本 真一郎
2015/04/09

〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第3回】「変更契約書を作成した場合の記載金額等」

〈Q&A〉 印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第3回】 「変更契約書を作成した場合の記載金額等」   税理士・行政書士・AFP 山端 美德   当社は建築工事を行う法人です。発注者との間で、工事請負契約を締結し、「建築工事請負契約書」を作成しましたが、仕様変更等が発生し、契約金額が変更になりました。 その際に、変更契約書を交わそうと思いますが、変更契約書の記載金額の取扱いはどのようになるのでしょうか。   変更契約書の記載金額については、変更前の契約金額を証明した契約書が作成されているか否か、及び変更契約書における契約金額の記載の証明方法により、取扱いが異なる。 変更前の契約金額等の記載のある文書が作成されていることが明らかであり、かつ、変更の事実を証すべき文書により変更金額(変更前の契約金額等と変更後の契約金額等の差額に相当する金額をいう)が記載されている場合(変更前の契約金額等と変更後の契約金額等が記載されていることにより変更金額を明らかにすることができる場合を含む)には、当該変更金額が変更前の契約金額等を増加させるものであるときは、当該変更金額を当該文書の記載金額とし、当該変更金額が変更前の契約金額等を減少させるものであるときは、当該文書の記載金額はないものとする(通則4の二)。 上記通則4の二に規定する「当該文書に係る契約についての変更前の契約金額等の記載のある文書が作成されていることが明らかであり」とは、契約金額等の変更の事実を証すべき文書(変更契約書)に変更前の契約金額等を証明した文書の名称、文書番号又は契約年月日等変更前契約書を特定できる事項の記載があること又は変更前契約書と変更契約書が一体として保管されていること等により、変更前契約書が作成されていることが明らかな場合をいう(基通30)。 この場合において、建築工事請負契約書(原契約)の請負金額を8,000万円とした事例に基づきパターンにより説明すると以下のとおりとなる。   【原契約】   (事例1-1) 変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかな場合で変更金額が変更前の契約金額を増加させるものであるとき   (事例1-2) 変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかな場合で変更金額が変更前の契約金額を減少させるものであるとき   (事例2-1) 変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかでない場合で変更後の金額が記載されているとき   (事例2-2) 変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかでない場合で変更金額のみが記載されているとき (了)

#No. 114(掲載号)
#山端 美德
2015/04/09
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