~税務争訟における判断の分水嶺~
課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から
【第25回】
(最終回)
「相続財産の範囲について預金等を管理運用していた事実のみから
直ちに判断することはできないとした事例」
税理士 佐藤 善恵
本連載の趣旨
課税庁の審理室や訟務官室が作成した「判決情報」や「判決速報」は、課税庁が、現場の調査担当者に向けて事例を紹介するための内部文書です。これらで取り上げられる事例には、あまり知られていない判決等も含まれていますが、どれもが税務調査の現場にフィードバックが必要と考えられているという点において重要な事例といえます。
本連載は、課税庁が調査担当者に向けて発信している判決等の要旨をご紹介するとともに、その判断の分水嶺がどこにあったかを検討し、さらに、実務上の留意点や裁判所の考え方を示唆しようとするものです。
なお、「判決情報」等は、TAINSデータベース(※)から取り出すことができますので、毎回、末尾にTAINSコードを記載いたします。
(※) 一般社団法人日税連税法データベースが運営する税務関連情報データベース
◆平成20年10月17日東京地裁[棄却](控訴)
◆平成21年4月16日〔棄却〕(確定)
(※) ( )内の青色文字は、略称設定であり、以下その略称を使用する。
〔概要等〕
本件は、Y税務署長が被相続人の妻名義の預金等(本件預金等)の一部は被相続人の遺産であるなどとして、相続税の更正処分等を行ったことから、相続人ら(原告)がその処分の取消しを求めて提訴した事案である。この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
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