公開日: 2015/07/02 (掲載号:No.126)
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~税務争訟における判断の分水嶺~課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から 【第4回】「教育機関等に派遣した講師等に対して支払った金員が給与所得に当たるとされた事例(源泉所得税)」

筆者: 佐藤 善恵

~税務争訟における判断の分水嶺~

課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から

【第4回】

「教育機関等に派遣した講師等に対して支払った金員が

給与所得に当たるとされた事例(源泉所得税)」

 

税理士 佐藤 善恵

 

本連載の趣旨

課税庁の審理室や訟務官室が作成した「判決情報」や「判決速報」は、課税庁が、現場の調査担当者に向けて事例を紹介するための内部文書です。これらで取り上げられる事例には、あまり知られていない判決等も含まれていますが、どれもが税務調査の現場にフィードバックが必要と考えられているという点において重要な事例といえます。

本連載は、課税庁が調査担当者に向けて発信している判決等の要旨をご紹介するとともに、その判断の分水嶺がどこにあったかを検討し、さらに、実務上の留意点や裁判所の考え方を示唆しようとするものです。

なお、「判決情報」等は、TAINSデータベース(※)から取り出すことができますので、毎回、末尾にTAINSコードを記載いたします。
(※) 一般社団法人日税連税法データベースが運営する税務関連情報データベース

 

平成25年4月26日東京地方裁判所[棄却]

平成25年10月23日東京高等裁判所[控訴棄却]

(※) ( )内の青色文字は、略称設定であり、以下その略称を使用する。

〔概要等〕

納税者()は、教育機関又は一般家庭から講義等又は家庭教師の業務を受託し、一方で、当該業務に関して講師や家庭教師(本件講師等)と契約して、本件講師等に講義等の業務を行わせていた。

甲は、本件講師等に支払った金員(本件各金員)について、給与所得に該当しないものとして源泉徴収をせず、また、消費税については仕入税額控除の対象として申告をしていた。これに対して税務署長は、本件金員は給与所得に該当するから源泉徴収が必要であり、また、仕入税額控除の対象とならないとして、源泉所得税納付告知処分等を行った。本件は、これらの処分の取消しを求めて争いとなったものである。

ここで取り上げる争点は、本件各金員に係る所得が所得税法28条の給与所得に該当するか否かである。


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~税務争訟における判断の分水嶺~

課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から

【第4回】

「教育機関等に派遣した講師等に対して支払った金員が

給与所得に当たるとされた事例(源泉所得税)」

 

税理士 佐藤 善恵

 

本連載の趣旨

課税庁の審理室や訟務官室が作成した「判決情報」や「判決速報」は、課税庁が、現場の調査担当者に向けて事例を紹介するための内部文書です。これらで取り上げられる事例には、あまり知られていない判決等も含まれていますが、どれもが税務調査の現場にフィードバックが必要と考えられているという点において重要な事例といえます。

本連載は、課税庁が調査担当者に向けて発信している判決等の要旨をご紹介するとともに、その判断の分水嶺がどこにあったかを検討し、さらに、実務上の留意点や裁判所の考え方を示唆しようとするものです。

なお、「判決情報」等は、TAINSデータベース(※)から取り出すことができますので、毎回、末尾にTAINSコードを記載いたします。
(※) 一般社団法人日税連税法データベースが運営する税務関連情報データベース

 

平成25年4月26日東京地方裁判所[棄却]

平成25年10月23日東京高等裁判所[控訴棄却]

(※) ( )内の青色文字は、略称設定であり、以下その略称を使用する。

〔概要等〕

納税者()は、教育機関又は一般家庭から講義等又は家庭教師の業務を受託し、一方で、当該業務に関して講師や家庭教師(本件講師等)と契約して、本件講師等に講義等の業務を行わせていた。

甲は、本件講師等に支払った金員(本件各金員)について、給与所得に該当しないものとして源泉徴収をせず、また、消費税については仕入税額控除の対象として申告をしていた。これに対して税務署長は、本件金員は給与所得に該当するから源泉徴収が必要であり、また、仕入税額控除の対象とならないとして、源泉所得税納付告知処分等を行った。本件は、これらの処分の取消しを求めて争いとなったものである。

ここで取り上げる争点は、本件各金員に係る所得が所得税法28条の給与所得に該当するか否かである。

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連載目次

~税務争訟における判断の分水嶺~
課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から

筆者紹介

佐藤 善恵

(さとう・よしえ)

税理士
京都大学MBA、京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得満期退学、税法学会会員

同志社大学大学院総合政策科学研究科非常勤講師等・近畿税理士会 調査研究部専門委員を経て、2010~2014年大阪国税不服審判所 国税審判官、2016年5月~大阪市行政不服審査会委員(会長代理・税務第1部会部会長)、2019年4月~神戸学院大学法学部教授

HP http://www.yoshie-sato.com/

【主な著書等】
『仮想通貨をめぐる法律・税務・会計』(共著)ぎょうせい
Q&A 実務に役立つ法人税の裁決事例選』清文社
『税制改正のポイント(小冊子)』(共著)清文社
Q&A 税務調査・税務判断に役立つ 裁判・審査請求読本』清文社
『判例裁決から見る加算税の実務(第2版)』税務研究会出版局
社長のギモンに答える法人税相談室』清文社
『税理士のための相続をめぐる民法と税法の理解』(共著)ぎょうせい
『税務訴訟と要件事実論』(共著)清文社

 

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