小説 『法人課税第三部門にて。』
【第14話】
「源泉徴収に係る所得税の調査(その1)」
公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
「田村上席。納税義務者の中には、源泉徴収義務者は含まれるのですか?」
山口調査官が田村上席に尋ねる。
「源泉徴収義務者?」
田村上席は頸を傾げる。
「源泉徴収制度における徴収義務者のことなんですけど・・・」
山口調査官が言い換える。
しばらく考えてから、田村上席は、机の上の罫紙に図を描き始めた。
「まあ、源泉徴収制度というのは、こんな関係なんだろうな」
田村上席は少し満足そうな表情で、自分の描いた図を見直しながら説明を始めた。
「・・・つまり、国と本来の納税義務者である受給者との間には、国と支給者との関係(公法関係)とか支給者と受給者との関係(私法関係)のような特別な関係はないことになる・・・」
田村上席は、力を込めて言う。
「・・・ということは、国と本来の納税義務者である受給者とは、何の関係もないということですから、税務調査はできないことになるのですか?」
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