固定資産をめぐる判例・裁決例概説
【第37回】
「新賃借人から旧賃借人に支払われた2億円は資産の譲渡の対価ではなく、契約上の地位の消滅の対価であるとされた事例」
税理士 菅野 真美
▷立退料等の消費税法上の取扱い
消費税は国内で財や役務提供を受けたときにその対価に課税して受け手(買い手)が負担するが、その税金を申告納付するのは財や役務を提供する事業者である。この消費税の申告納付額は、事業者が行った資産の譲渡や役務提供の対価について課された消費税から、この資産等を手に入れるために支払った消費税を差し引いて計算する。
資産の譲渡とは、資産につきその同一性を保持しつつ、他人に移転させること(消基通5-2-1)であり、資産の譲渡により対価を受け取るような行為は、原則的には、課税取引とされる。
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