〔中小企業のM&Aの成否を決める〕
対象企業の見方・見られ方
【第58回】
(最終回)
「相手企業に妥協して良い点・譲ってはいけない点」
公認会計士・税理士
荻窪 輝明
《今回の対象者別ポイント》
買い手企業
⇒M&A相手との妥協点や譲れない点を理解してM&A対応の参考にする。
売り手企業
⇒M&A相手との妥協点や譲れない点を理解してM&A対応の参考にする。
支援機関(第三者)
⇒M&A相手との妥協点、譲れない点を理解して買い手・売り手に対する助言に活かす。
その他の対象者
⇒M&A相手との妥協点、譲れない点を整理して買い手・売り手の見方を知る。
1 相手企業との関係がM&Aの成否に影響する
中小M&Aには必ず、2つの当事者が存在します。
本連載のテーマでもある「買う側(買い手)」と「売る側(売り手)」です。
M&Aでは自らの意向どおりにすべてが進むことはほぼあり得ないため、部分的にお互いの妥協点を探り、協議し、合意に向けて解決を図ります。ですから、よほどでない限り、どんな買い手・売り手も大なり小なり、M&A相手に譲る点があります。
このとき何を譲るか・譲らないかの基準は各社によって異なるため、M&Aの当事者がその局面を迎えて個々に判断するしかありません。ただし、将来M&Aが選択肢に入る各社にとって、心構えとして、ある程度の自己判断ができる材料を集め、当社の判断軸を明らかにしておく、整理しておくのは有益だと思います。
そこで、本連載最終回となる今回は、M&Aの相手である買い手又は売り手に対して、妥協しても良い点と、譲ってはいけない点について説明します。
2 M&Aの「目的」からブレない
仮に中小M&Aを「会社を対象にした買い物」と例えるなら、大きな金額の買い物ではありますが、衝動買いとはいかないまでも、「まあいいか」と気が大きくなる買い手がいれば、「仕方ないか」と割りきる売り手もいるはずで、モノの売買と似た側面もあります。
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