「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例94(相続税)】 「特定事業用及び特定居住用宅地等に該当する借地権の計上を失念したため、結果として小規模宅地の選択誤りとなってしまった事例」
被相続人甲の相続税申告につき、特定事業用及び特定居住用宅地等に該当する借地権の計上を失念したため、不利な貸付事業用宅地に小規模宅地等についての相続税の課税価額の計算の特例(以下、「小規模宅地等の特例」という)を適用してしまった。
相続財産である借地権を計上して、これに小規模宅地等の特例を適用していれば、相続税は低くできたとして、修正申告と計上漏れ借地権に小規模宅地等の特例を適用できた場合との差額につき損害賠償請求を受けたものである。
〔弁護士目線でみた〕実務に活かす国税通則法 【第9回】「更正等の期間制限を意識する」
更正等の期間制限とは、国税通則法では「国税の更正、決定等の期間制限」と表記されており、端的には、課税庁が納税者に更正処分等を行うにあたってのタイムリミットである。更正等の期間制限は、民法の消滅時効とは異なり、途中でそのカウントが停止したりすることはなく、「除斥期間」、すなわち、法定の期間が経過すれば一律に更正等が制限される性質のものであるなどと説明されている。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第46回】
法人税法22条の2第4項は、資産の販売等に係る収益の額として1項又は2項の規定により、益金の額に算入する金額は、原則として、「その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額」(以下「引渡し時の価額等」という)とする旨定めている。
〔強制適用前におさえておきたい〕監査上の主要な検討事項(KAM)への対応と留意点 【第1回】「KAMの基礎的事項」
2018年7月5日に、金融庁・企業会計審議会から「監査基準の改訂に関する意見書」が公表された。この公表により、「監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters:KAM)」が導入された。
KAMとは、「監査の過程で監査役等と協議した事項の中から、当年度の財務諸表の監査において、職業的専門家として特に重要であると判断した事項」をいう(日本公認会計士協会 監査基準委員会報告書(以下、「監基報」という)701.7)。
今まで、監査報告書はどの会社も同じ文面であった。しかし、KAM導入後は、企業によって、KAMが異なるため(KAMは会社固有の事項について記載するため)、金融商品取引法の監査報告書も企業によって異なる。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第1回】「印刷機メーカーが減損に至った経緯」-深層に横たわる問題-
「減損が実施されたとき」は、「会社にとって“一大事”が起きているとき」とも言えます。
一般に「減損の注記」は、さらっと書いてあるものが多いのですが、よく読むと、会社が直面している深刻な問題が浮かび上がってきます。
この連載では、開示された実際の減損の注記を読みながら、深層に横たわる問題を明らかにしていきます。
決算書の読み手のための解説です。
〈事例から学ぶ〉不正を防ぐ社内体制の作り方 【第2回】「社内不正が起きる心理的な要因を探る」~「割れ窓理論」との共通点~
前回は身近な仕事に組み込まれた相互牽制の仕組みを紹介し、不正を未然に防ぐための社内体制の工夫を考えました。今回は、その予防の仕組みが適切に働くための前提となる、人の心理や不正の起きる要因について考えます。
コロナ禍の第1波が私たちを襲った時、街の落書きについて触れる新聞記事が目にとまりました。記事では次のように伝え、警戒を促していました。
日本の企業税制 【第87回】「2度目の緊急事態宣言下での対応」
新年早々、11都府県(対象都府県)に緊急事態宣言が発出された。まず、1月8日から2月7日の31日間が、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、続いて1月14日から2月7日の25日間が、栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県である。これらの対象都府県では、本稿執筆時点(2021年1月19日)において新規感染報告が過去最多を記録し続け、医療体制がひっ迫している状況である。
1月18日に招集された第204回国会の菅総理の施政方針演説では、次のような方針が表明された。
令和2年分 確定申告実務の留意点 【第3回】「令和2年分からの適用で判断に迷う事項Q&A」
最終回は、令和2年分の確定申告から適用される事項のうち、判断に迷う事項を中心として5項目を取り上げ、Q&A形式でまとめることとする。なお、本稿では特に指定のない限り、令和2年分の確定申告を前提として解説を行う。
給与計算の質問箱 【第13回】「テレワークの費用負担の取扱い」
当社ではテレワークをする従業員の携帯代や自宅の水道光熱費等の一部を負担することを検討しています。
在宅勤務手当として一定額を支給する方法と経費精算する方法が考えられますが、所得税が課税となるか非課税となるかご教示ください。
