monthly TAX views -No.35-「外形標準課税のさらなる拡充はアベノミクスに逆行する」
新聞報道によれば、平成28年度税制改正で、法人実効税率が20%台に下がることが決まったようだ。そしてこの財源は、外形標準課税のさらなる拡大(8分の5までの拡大)によるとのことである。
ただし、法人事業税の外形標準課税(における外形部分)を半分以上に増加させることには、これから述べるように、税制としての多くの問題がある。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第1回】「理由付記制度及び判例法理等の概観」
理由付記制度に関して注目すべき点は、課税処分の内容自体に取り消されるべき瑕疵がないとしても、理由付記を欠いていたり、あるいは理由付記がされていたとしても、法が要求する理由付記の記載の程度に照らして十分な内容ではない場合には、課税処分が取り消されることである。しかしながら、理由付記に当たり、どの程度の記載をすべきであるかを定める条文は存在しない。
平成28年施行の金融所得一体課税と3月決算法人の実務上の留意点 【第2回】「公社債等に係る所得税額控除の所有期間按分の廃止」
法人税額から控除する所得税額の計算上、下記に掲げる利子及び収益の分配に係る所得税の額については、元本所有期間による按分計算を廃止し、その全額が控除されることとなった。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第40回】「その他の裁判例③」
今回、解説する事件は、最初連結親法人事業年度開始の日を合併期日とし、100%子会社を被合併法人とする適格合併を行った場合において、当該被合併法人の繰越欠損金の引継ぎを認めなかった事件である。
なお、当然のことながら、本事件は、法人税のみが論点となっており、住民税及び事業税については論点となっていないという点にご留意されたい。
租税争訟レポート 【第26回】「債務免除益と源泉所得税の納税告知処分(最高裁判決)」
【事案の概要】
被上告人が、その理事長であったAに対し、同人の被上告人に対する借入金債務の免除をしたところ、所轄税務署長から、上記債務免除に係る経済的な利益がAに対する賞与に該当するとして、給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分を受けたため、上告人を相手に上記各処分取消しを求める事案である。
なぜ工事契約会計で不正が起こるのか?~東芝事件から学ぶ原因と防止策~ 【第2回】「東芝「第三者委員会調査報告書」で示された不正内容」
東芝が公表した第三者委員会調査報告書(以下「報告書」)では、工事原価総額を過少に見積もることによって、
(1) 売上の過大計上
(2) 工事損失引当金の過少計上又は未計上
が発生すると述べられており、19の不正事例を指摘している。
金融商品会計を学ぶ 【第16回】「貸倒引当金の計上方法①」
「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)では、貸倒見積高の算定として、貸倒引当金の計上方法を規定している。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第102回】会社税務に係る会計処理①「法人税、住民税及び事業税と租税公課」
Q 会社に課される税金には、損益計算書で「法人税、住民税及び事業税」に計上されるものと、「租税公課」に計上されるものがあると聞きました。「法人税、住民税及び事業税」と「租税公課」の違いについて教えてください。
また、租税公課に計上される税金にはどのようなものがありますか。租税公課に計上される代表的な税金と会計処理について教えてください。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第17回】「実効税率引下げの流れ」
政府は「実効税率」を20%台に下げるのは、当初「平成27年度から数年間で」としていたのを、平成28年度与党税制改正大綱で実施時期を明確にすることにしました。
10月7日に発足した第三次安倍改造内閣で国内総生産(GDP)600兆円の実現など経済再生を最優先とするため、企業が今後の投資計画を立てやすいように平成28年税制改正大綱に先取りして方向性を盛り込むようにしようと考えたようです。