貸倒損失における税務上の取扱い 【第34回】「法人税基本通達改正の歴史③」
昭和39年3月に行われた法人税法施行規則の一部改正により、従来の貸倒準備金制度が見直され、貸倒引当金制度として、毎期、洗替えが行われることになった。
これに伴い、昭和29年7月24日に公表された「売掛債権の償却の特例等について」と題する通達において認められていた未収差益勘定と債権償却引当金勘定についても見直しが必要となり、昭和39年6月1日に法人税基本通達に組み入れられることにより、未収差益勘定を廃止するとともに、債権償却引当金勘定を債権償却特別勘定と名称を変えることになった。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第25回】日本道路株式会社 「第三者委員会調査報告書(平成26年12月5日付)」
平成26年10月6日、日本道路北関東支店に属する出張所の工事担当者に対し、建設機械リース業者から、リース代金約1,200万円の支払が繰り延べられ、分割返済されることとなっている旨の相談があり、同担当者は、出張所長ではなく、その上位管理者である営業所長に報告を行った。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第68回】企業結合会計⑤「共通支配下の取引」―100%子会社同士の無対価合併
Q 当社(A社)は、100%子会社であるB社とC社を有しており、いずれも連結の範囲に含めています。当期において、管理部門のスリム化を目的として、B社を存続会社、C社を消滅会社とする無対価合併を行うこととしました。子会社同士を無対価合併する場合の当社及びB社の会計処理を教えてください。
IFRSの適用と会計システムへの影響 【第5回】「連結会計システムへの影響」
「連結」とは“つなぎ合わせること”です。ビジネスと離れた世界で「連結」と聞くと、列車の連結を思い浮かべるのではないでしょうか。ビジネスの世界では通常「連結」というと、会社と会社をつなぎ合わせることとなります。そして会社と会社の財務諸表をつなぎ合わせること「連結会計」といい、つなぎ合わせた会社と会社の財務諸表を「連結財務諸表」といいます。
monthly TAX views -No.24-「平成27年度税制改正に潜むポピュリズム」
恒例の税制改正大綱がまとまった。筆者が感じたのは、党税調の威光(?)の衰えである。
「国民に苦い選択はなるべく避けたい」というのが官邸の正直な思いであろうから、今後の税制改正はポピュリズム的なものになる。「所得税改革は容易ではない。」これが正直な感想である。
法人税改革の行方 【第5回】「外形標準課税の適用拡大(1)」
与党内での法人税改革の議論は、消費税再増税の先送りの判断と、衆議院総選挙を挟んで進められ、昨年12月30日に「平成27年度税制改正大綱」が取りまとめられた。法人実効税率は、標準税率ベースで現行の34.62%から2015年度には32.11%に下げ、2016年度には31.33%に下げることが決まった。
平成26年分 確定申告実務の留意点 【第1回】「平成26年分の申告から取扱いが変更となるもの」
平成26年度税制改正において、「生活に通常必要でない資産」の範囲に“主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産”が加えられた(所令178①)。
この“主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産”に該当する資産は、ゴルフ会員権やリゾートホテル会員権等(以下、ゴルフ会員権等という。)である。
~税務争訟における判断の分水嶺~課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から 【第1回】「追加調査で得た間接証拠から給与収入額の認定をした事例」
納税者(以下「甲」)は、遠洋マグロ漁船の漁労長兼船長として、外国法人Aとの乗船契約に基づきAからの給与収入を得ていたが、これを申告していなかったため、当該給与収入について更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分が行われた。
土地評価をめぐるグレーゾーン《10大論点》 【第1回】「評価単位はどのように分けるのか」
2以上の地目が隣接している場合で、全体を一団として評価することが合理的と認められる場合とは、どのような場合か。
また、「同一利用単位の宅地が別々の評価単位となる場合」とは、どのような場合か。