林總の管理会計[超]入門講座 【第3回】「間接費の考え方(その1)」
〔林〕今回のテーマは“間接費”だったね。
〔Q〕前回の講義で、間接費を「直接的に給付(製品やサービス)に集計できない費用」って言われました。集計できない費用を集計する必要って、あるんですか。
〔林〕良い点に気付いたね。その必要はない、という考えもある。間接費は、製品を作らなくても、製品を販売しなくても、時間と共に生じるものだから、生じた期間の費用にすべきだという考えだ。もう一つは、かかった費用は製品やサービスの売上金額で回収すべきとする考えだ。前者をダイレクトコスト、後者をフルコストというんだけどね。
〔Q〕どちらが正しいのですか。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第7回】退職給付会計④「確定拠出制度(中小企業退職金共済制度)」
当社は確定拠出型年金制度を設けています。
そして、当期に確定拠出年金に要拠出額500を掛金として拠出しました。
この場合の会計処理を教えて下さい。
税効果会計を学ぶ 【第10回】「取締役会等の承認を得た経営計画等及び会社分類(例示区分)の見直し」
監査委員会報告第66号は、収益力に基づく課税所得の十分性を根拠に繰延税金資産を計上する場合は、会社によって将来の業績予測が作成されていなければならないと規定している(監査委員会報告第66号5(3))。
将来の業績予測は、事業計画や経営計画又は予算編成の一部等その呼称にかかわらず、原則として、取締役会や常務会等(以下「取締役会等」という)の承認を得たものであることが必要であるとされている。
ただし、取締役会等の承認を得た経営計画等だからといって、ただちにそれが収益力に基づく課税所得の十分性の根拠となるわけではないことに注意が必要である。
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について 【第1回】「制度創設の背景と制度の概要」
本制度は、我が国の家計のうち、高齢者世代の保有するおよそ1,500兆円の金融資産のうち約6割の資産について、消費支出の高い子育て世代への移転を促進することにより、子育て世代を支援し、経済活性化に寄与することを期待するものとして創設された。
従来の税制では、扶養義務者相互間において教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものが贈与税の非課税とされるため、基本的には教育費として実際に支出した金額のみが贈与税の非課税対象とされていた(相法21の3①二)。
国外財産調書に関する通達の発遣について
国税庁は、平成25年3月29日付け「内国税の適正な確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律(国外財産調書関係)の取扱いについて(法令解釈通達)」(以下「本通達」)を発遣した。
国外財産調書制度とは、平成24年度税制改正により導入された制度であり、各年の12月31日に5,000万円を超える国外財産を保有する居住者(非永住者を除く)に対して、翌年3月15日までに、保有する国外財産の内容を記載した報告書を所轄税務署長に提出することを義務付けるものであり、平成26年1月1日以降提出すべき調書から適用となる。
本稿では以下、本通達の内容のうち、留意すべき点を中心に解説する。
分割の後に合併があった場合の分割承継法人及び合併法人における試験研究費の特別控除
当社は、数年前よりA社及びB社の発行済株式の100%を有しています。
A社は、従来から2つの商品の研究開発事業を行ってきましたが、経営の効率化のため、平成24年8月1日に、当社との間で当社を分割承継法人とする適格分割を行い、P1商品の開発事業を当社に移転しました。
その後、平成25年10月1日に、A社とB社との間でB社を合併法人とする適格合併が行われ、A社は解散し、P2商品の開発事業がB社に移転されました。
当社及びB社においても、従来から、それぞれ独自に商品の研究開発事業を行っていましたが、当社及びB社がそれぞれ当期(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)に試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の適用を受けるに当たって、A社から移転を受けた研究開発事業に係る試験研究費の額や売上調整年度の売上金額の取扱いが分かりませんので、ご教授下さい。
企業不正と税務調査 【第8回】「従業員による不正」 (2)営業部門・購買部門社員による横領
最も不正を行う機会に接している従業員は経理部門の社員であり、しかも出納業務を1人で任されている者であることは前回説明したとおりである。
今回は、「経理部門以外の従業員」のうち、営業部門・購買部門社員による横領事件を取り上げる。
前回の経理部門社員による不正との大きな違いは、単独で不正を行うことはできず、必ず「共犯者」が存在するということである。したがって、不正の発見にあたっては、共犯者の存在をうかがわせるような兆候を見つけることがポイントになる。
組織再編税制における不確定概念 【第8回】「適格合併における繰越欠損金の利用②」
前回(第7回目)においては、支配関係が生じてから5年経過するまで待つ場合、みなし共同事業要件を形式的に充足させる場合についてそれぞれ解説を行った。
第8回目の本稿においては、さらに発展させた論点として、繰越欠損金を利用するための企業買収と適格合併、繰越欠損金飛ばしスキームについてそれぞれ解説を行う。
税務判例を読むための税法の学び方【10】 〔第4章〕条文を読むためのコツ(その3)
法令文において語句を選択的に結び付けるときには、「又は」と「若しくは」が用いられる。すなわち、複数の語句の中から1つを選択する場合に使われる。両者は、文字的意味の上では同じものであり、日常用語としては同じような意味で区別せずに使われている。
しかし、法令用語としての「又は」と「若しくは」は、明確に使い分けられている。
選択的接続詞を用いる場合で数個の語句を単純に並列するだけのときには「又は」が使われる。選択肢が3つ以上であっても、同じ段階で並べて選択するときは、最初の接続は「、」でつなぎ、最後の部分を「又は」で結ぶ。すなわち、「A又はB」や「A、B又はC」「A、B、C又はD」というふうに表現される。