特定新規設立法人の納税義務の免除の特例と企業戦略
平成24年8月10日に成立した改正消費税法により、平成26年4月1日以後に設立される法人については、資本金の額が1,000万円未満であっても、基準期間に相当する期間の課税売上高が5億円を超える法人が50%超出資して設立した法人である場合には、事業者免税点制度の適用がないこととされた。
過年度遡及会計基準の適用による会計方針の変更の取扱い
平成24年3月期決算から、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(企業会計基準第24号。以下「過年度遡及会計基準」という)及び「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第24号)が適用されている。
過年度遡及会計基準では、会計方針及び会計方針の変更についてあらためて定義を行い、会計方針の変更を行った場合には、新たな会計方針を過去の財務諸表に遡って適用していたかのように会計処理することを規定している。当該処理を「遡及適用」という(過年度遡及会計基準4項(9))。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第3回】ニチリン米国子会社・不適切な会計処理「調査委員会調査報告書」
ニチリン取締役会は、従前より、子会社の月次決算報告を義務づけているところ、ニチリン テネシー インク(米国、以下「NNT社」という)の月次業績報告において、売上の増減と利益の増減が連動しない傾向を示していたため、子会社管理部門に対し調査を指示した。
公益法人の「会計区分」─ 公益法人会計基準及び公益認定法をめぐる解釈上の誤解 ─
平成20年4月に公布された「公益法人会計基準」及び「公益認定法(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律)」との関係においては、実務上分かりにくく、また誤解が発生しているポイントが多数存在する。
改正通則法と重加算税の今後①
重加算税は、「隠ぺい・仮装」をその要件の一つとしている。そして、「隠ぺい・仮装」は、不正手段による租税徴収権の侵害行為を意味し、「事実を隠ぺい」するとは、事実を隠匿しあるいは脱漏することを、「事実を仮装」するとは、所得・財産あるいは取引上の名義を装う等事実を歪曲することをいい、いずれも行為の意味を認識しながら故意に行うことを要するものといわれている(和歌山地裁昭50.6.23判決)。
制度改正と適用要件に注意! 青色欠損金の繰越控除制度【第1回】「平成23年12月改正を再確認」
本稿は、青色欠損金の繰越控除につき、税制改正に伴う新制度の適用上の留意点について解説した上で、関連する論点についても解説することにより、改めて同制度の適用に当たっての論点整理を行うものである。
大きく変わる?税務調査手続【その2】「平成25年1月1日以降の変更点」
平成23年12月2日に公布された国税通則法の改正の中、調査手続に関する規定のうち一部は平成24年10月1日から先行実施されている。
前回【その1】では、先行実施された項目については解説したが、今回はそれ以外、1月1日の本格施行後に初めて適用される規定について解説する。
なお、「1月1日以降開始する調査に適用される規定」と、「それ以前に開始している調査について1月1日に適用される規定」があるので、注意が必要である。
特定役員退職手当等の実務上の留意点
退職所得は、原則、退職手当等から退職所得控除額を控除した後の金額の2分の1が課税対象となる。
しかしながら、平成24年度の税制改正により、特定役員に対する退職手当等(以下「特定役員退職手当等」)については2分の1が廃止され、退職手当等から退職所得控除額を控除した金額が、そのまま課税対象となる。
〔平成9年4月改正の事例を踏まえた〕 消費税率の引上げに伴う実務上の注意点 【第3回】税率変更の問題点(2) 「レジスター等のシステム変更」
現在使用しているレジスター等については、この税率変更に伴ってシステムの変更をしなければならない。
販売する商品等のバーコードラベルなどをバーコードスキャナで読み込んで集計するレジシステムの場合には、発行側のバーコードの情報変更と読取り側のレジシステムの情報変更の双方を行わなければならず、かなりの事務作業となるため、早急に対応策を検討しなければならない。