「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例110(相続税)】 「宅地の分割から4ヶ月超経過後に更正の請求を行ったため、「小規模宅地等の特例」が認められず、「小規模宅地等の特例」により減額できた税額につき損害賠償請求を受けた事例」
依頼者の実母の相続税申告につき、兄弟間で申告期限までに分割協議が整わなかったことから、未分割で「申告期限後3年以内の分割見込書」とともに期限内申告書を提出した。
その後、相続人の要望により、宅地等の分割を先に決めて相続登記を済ませ、登記後6ヶ月を過ぎて残る未分割財産の取得者が全て確定したため、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(以下「小規模宅地等の特例」という)の適用を含めた更正の請求書を提出した。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第38回】「3年超の特定貸付事業の判定(貸付事業用宅地等の判定)」
平成30年度税制改正により、貸付事業用宅地等の範囲から、被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等で相続開始前3年以内に「新たに貸付事業の用に供された宅地等(相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業を行っていた被相続人等の当該貸付事業の用に供されたものを除く)」が除かれることになりましたが、上記不動産は、相続開始前3年以内に「新たに貸付事業の用に供された宅地等」に該当し、かつ、相続開始の日まで3年を超えて特定貸付事業を行っていないため、小規模宅地等に係る貸付事業用宅地等の特例の対象にならないと考えていいでしょうか。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第17回】「区分所有された複合ビルについて、住宅用地に対する課税標準の特例の適用は、建物全体を1個の家屋として居住部分の割合を算定するか、各専有部分自体を1個の家屋として算定するかで争われた事案」
それでは、「住宅用地とは何か」という点につき確認する。まず、土地が専有住宅の敷地の用に供されているか、併用住宅の敷地の用に供されているかに区分される。専有住宅(もっぱら人の居住の用に供する家屋)の敷地は、原則的には、その上にある家屋の床面積の10倍を超えている場合は、10倍までの土地が住宅用地となれる。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第79回】
〈Q3〉法人税法の収益の計上時期の原則的ルールは、法人税法22条の2第1項の引渡基準であると理解しているが、関連する書籍に目を通すと、「出荷基準は引渡基準に含まれる」という見解と「出荷基準は引渡基準に含まれない」という見解がある。いずれの見解が妥当であるか。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第58回】「金融商品のレベル別の時価開示」
2019年7月4日に企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準(以下、「時価会計基準」という)」及び企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針(以下、「時価適用指針」という)」が公表され、また、企業会計基準適用指針第19号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針(以下、「時価開示適用指針」という)」が改正された。当該公表及び改正により、2022年3月期より金融商品のレベル別の時価開示が求められている。
今回は、金融商品のレベル別の時価開示について解説する。
〔具体事例から読み取る〕“強い”会社の仕組みづくりQ&A 【第4回】「DXの推進は内部監査・内部統制の業務にどのような影響をもたらすのか」
IT企業に勤務する知人は、テレワークが定着傾向にあるため、奥さんと一緒に北は北海道から南は沖縄まで、ワーケーションを満喫しているようです。そして、そのような働き方を可能にしているのは、近年急速に進む業務のデジタル化です。
しかし、その知人はデジタル化の更にその先の「DX」(デジタルトランスフォーメーション)の必要性を強調しています。DXとはどのようなものでしょうか。DXが進むと、私が所属する内部監査や内部統制の部門の仕事には影響があるのでしょうか。
《速報解説》 国税庁、「申告書等情報取得サービス」の提供を開始~書面提出の場合もe-Tax通じ個人の申告書等データが取得可能に~
国税庁は、税務行政のデジタル・トランスフォーメーション推進の一環として、令和4年5月23日付で新たに「申告書等情報取得サービス」を開始したことをアナウンスした。
《速報解説》 非財務情報開示の国際的なニーズの高まりを受け、「我が国におけるサステナビリティ及びその他EERに対する保証業務に関するガイダンス(試案)」の公開草案をJICPAが公開
2022年5月23日、日本公認会計士協会は、「我が国におけるサステナビリティ及びその他の拡張された外部報告(EER)に対する保証業務に関するガイダンス(試案)」について」(公開草案)を公表し、意見募集を行っている。
日本の企業税制 【第103回】「本年度末で適用期限を迎える「長期保有土地等の買換え特例」」
本年度末(令和5年3月31日)で適用期限切れとなる法人税関係の主要な租税特別措置のうち、試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(研究開発税制)と並んで減税規模の大きい措置として、所有期間が10年を超える国内にある土地等、建物又は構築物から、国内にある一定の土地等、建物又は構築物への買換え特例(以下、「長期保有土地等の買換え特例」)がある(措法65の7①四)。