《速報解説》 マンション評価をめぐる評価通達6項適用是非が争われた最高裁判決、上告棄却で納税者側敗訴確定
成24年に発生した相続の相続人(原告)が、相続により取得したマンション2棟(甲不動産(東京都杉並区)・乙不動産(神奈川県川崎市))の価額を財産評価基本通達の定める方法(路線価)によって評価し相続税の申告をしたところ、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」とした財産評価基本通達第6項の適用により課税当局から更正処分を受けたため、その取消しを求めていた裁判で、4月19日に最高裁(第三小法廷)は上告を棄却、原告側の敗訴が確定した。
《速報解説》 監基報の改正に対応した「監査ツール」の改正案を会計士協会が公表~「重要な虚偽表示リスクの識別と評価」及び「会計上の見積りの監査」に関連する様式を改正~
2022年4月18日、日本公認会計士協会は、「監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について」(公開草案)を公表し、意見募集を行っている。
《速報解説》 国税庁、インボイス発行事業者の登録申請書等の新様式を公表~令和4年度改正を踏まえ「登録希望日」の記載欄が設けられる~
令和4年4月1日、国税庁より「『消費税の軽減税率制度に関する申告書等の様式の制定について』等の一部改正について(法令解釈通達)」が公表された。
以下では、改正の背景と様式の変更箇所について概説する。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第106回】「節税義務が争点とされた事例(その9)」
今回は、節税義務自体が争点とされたものではないが、税理士が変額保険を利用した節税シミュレーションを提案した、あるいは保険会社の勧誘に助力したとして、原告から不法行為責任を追及された事例を基に、税理士の責任論を考えてみたい。素材とする事案は、東京地裁平成8年3月26日判決(判時1576号77頁)及びその控訴審東京高裁平成12年9月11日判決(判時1724号48頁)である。
谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第1回】「国税通則法のコンメンタール的「読み物」の連載を始めるに当たって」-国税通則法制定の趣旨と国税通則法の「構造」の意義-
本連載は、国税通則法について基本的には逐条的に、場合によっては「節」あるいは「款」を単位にして、筆者の問題関心に基づき論点を選んで検討を加えようとするものである。その意味で、本連載は、形式の点ではコンメンタール的なものではあるが、内容の点では、条文の意味内容の正確な理解のために条文を逐条的に解説するコンメンタールではなく、他の「谷口教授と学ぶ」シリーズと同じく(「税法の基礎理論」(全50回完結)第1回Ⅰ、「税法基本判例」(昨年4月から連載中)第1回Ⅰ参照)、原則1回読み切りの「読み物」(コンメンタール的「読み物」)とすることを基本コンセプトとするものである。
〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第13回】「「登録事業者となるような慫慂等」とは」
令和4年1月に財務省等から連名で公表された「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」が、3月に改正されたそうですが、そのポイントと対応策を教えてください。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q74】「令和4年度税制改正における大口株主等の要件の見直し」
私(居住者たる個人)は、上場会社であるA社の株式を保有しており、その保有割合は2.9%です。また、非上場会社であるB社の株式も保有していますが、B社はA社株式の30%を保有しています。この場合、私はA社から受領する配当について、確定申告が必要ですか。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第40回】「合併した場合の「取引相場のない株式の評価」への影響」
私は、X社(不動産賃貸業)及びY社(製造業)の社長です。X社の株式は、私が100%所有しており、X社がY社株式を100%所有しています。X社及びY社は、ともに非上場会社です。
X社及びY社については、いずれ息子に承継する予定ですが、会社経営の効率化のためX社とY社を合併し、X社を合併存続会社とすることを考えています。
そこで、息子にX社株式を贈与するに当たり、本件合併が株式評価に与える影響とその留意点をご教示ください。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第32回】「被相続人と同居していた者がいる場合に別居親族が宅地を取得した場合の特定居住用宅地等の特例の適否」
被相続人である甲(相続開始日:令和4年4月10日)は、東京都内にA土地及び家屋(1階の床面積60㎡、2階の床面積60㎡で構造上区分された家屋ではありません)を所有し、居住していました。そのA宅地及び家屋は、持家を有していない二男(二男は、相続開始前10年間は、第三者から東京都内にある家屋を賃借し居住しています)が取得しましたが、相続開始の直前において甲と同居していた者が次のそれぞれの場合には、特定居住用宅地等に係る小規模宅地等の特例の適用を受けることは可能でしょうか。