Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第54回】「〔第5表〕貸付金債権の評価」-債務者が相続開始前までに解散していた場合-
甲株式会社の株式価額の算定上、乙株式会社の貸付金債権の相続税評価について第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」の資産の部に計上する相続税評価額は、上記の相続開始日時点の相続税評価額における資産から負債を控除した差引金額3,282,732円を回収不能額として相続開始時点における貸付金債権の金額(35,282,732円)から控除しても問題ないでしょうか。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第169回】株式会社不動テトラ「社内調査委員会調査報告書(開示版)(2025年3月31日付)」
不動テトラでは、2024年12月上旬頃、外部機関の指摘を受け、東京地盤工事部に属する管理職従業員が、同事業に係る一部の取引において、複数年にわたって特定の工事資機材販売業者に対し、水増し又は架空発注を行い、その発注相当額の一部で商品券を購入する形をとって自らに還流させて着服するほか、地盤本部に属し工事現場の所長(以下「工事所長」という)を務める従業員が同工事資機材販売業者に対する水増し又は架空発注の方法を用いて、当該発注額を同業者にプールさせたうえで、別工事の工事資機材代金に充てるよう依頼し、又は正規に処理できない領収書を買い取らせていたこと(以下「本件架空発注等」と総称する)が判明した。
〔まとめて確認〕会計情報の月次速報解説 【2025年4月】
2025年4月1日から4月30日までに公開した速報解説のポイントについて、改めて紹介する。
具体的な内容は、該当する速報解説をお読みいただきたい。
なお、四半期ごとの速報解説のポイントについては、下記の連載を参照されたい。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第67回】
以下では、所得税法上、個人が行うDeFi取引の入り口場面ともいうべきトークンの移転、とりわけ暗号資産(トークン)の流動性供給の開始やラップは課税イベント(含み損益に対する課税の契機となる事象)であるか、言い換えれば、含み損益を課税所得に反映させる事象であるかという点を検討する。
《速報解説》 国税庁、所得税の基礎控除の見直し等に係る特設ページを開設~令和7年分及び8年分以後の給与の源泉徴収事務等に関する留意事項を示す~
令和7年度税制改正では、所得税の基礎控除及び給与所得控除に関する見直し、特定親族特別控除の創設が行われた。これらの改正は、原則として、令和7年12月1日に施行され、令和7年分の所得税から適用される。よって、令和7年12月以後の源泉徴収事務に変更が生じることとなる。
monthly TAX views -No.147-「デジタル民主主義ではポピュリズムは防げない」
AIエンジニアの安野貴博氏は、昨年の東京都知事選で、子育て政策など具体的な政策とそれにかかる財源を示し、AI活用の有用性を説いた。この目新しさが有権者の注目を浴び、候補者中4番目の投票を得た。
仕入税額控除制度における用途区分の再検討-ADW事件最高裁判決から考える- 【第1回】
本稿は、消費税の仕入税額控除制度における用途区分の解釈適用が争われたエー・ディー・ワークス事件の最高裁判決(最高裁令和5年3月6日判決・民集77巻3号440頁、以下「ADW事件最高裁判決」)を紹介し、同判決の内容を踏まえ、用途区分の考え方や納税者が注意すべきポイントを5回にわたって検討・整理するものである。なお、筆者は同事件の納税者代理人であったが、同事件に関する本稿の記述は全て公開情報に基づくものである。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例74】「海外の保険業を営む子会社へ支払う地震保険再保険料の損金性」
そもそも保険というものは、将来起こり得る様々なリスクに備えるため、同じような不安を抱える方から一定の保険料を支払ってもらい、その貯まった金額から将来の支払いに充てるという機能を有するものです。当社も顧客の抱える多様なリスクに備えるため、様々な保険商品を開発し顧客の要望に応えようと努力しておりますが、近年、企業活動のグローバル化や気候変動等により、そのリスクが予想外に多額になることも珍しくなく、当社1社でその支払いに対応するというのは、極めて困難なケースもみられるところです。
そこで、当社1社では抱えきれないリスクに備えるため、従来からある再保険というスキームを活用して、そのような事態に備えようとしております。
さて、わが社の場合、ほぼ毎年税務調査を受けておりますが、今回は再保険について課税庁との間で激しい議論が交わされております。すなわち、国税局の主査は、わが社が引き受け、海外子会社に再保険に出した保険契約につき、再保険料のうち一部は海外子会社を利用した単なる「預け金」に過ぎず、租税回避目的のスキームであるため、損金性はないと主張しております。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q93】「相続で取得した非上場株式を発行会社に譲渡する場合のみなし配当課税の特例」
私(居住者たる個人)は、相続により取得した株式を保有しています。この株式は非上場であり市場で売却することができないため、発行会社に買い取ってもらうことにしました。発行会社が自己株式を買い取る場合にはみなし配当が生じるところ、相続で取得した株式については特例があると聞きました。どのような特例ですか。
