マンション評価通達の内容と実務への影響 【第2回】
マンション評価通達に関しては、令和5年7月21日に(案)の段階でパブリックコメント(意見公募手続)が実施された。パブリックコメントは同年8月20日に締め切られ、その結果が同年10月6日に公表された。意見は102通寄せられ、うち98通がインターネット経由(電子政府総合窓口(e-Gov)の意見提出フォームを使用)である。
筆者自身もインターネットを通じて意見を提出しているが、その内容(国税庁により他の意見と適宜統合等されている)とそれに対する国税庁からの回答(考え方)を以下で対比させてみたい。
租税争訟レポート 【第73回】「相続税更正処分等取消請求事件(大阪地方裁判所令和4年4月14日判決)」
本件は、原告が、処分行政庁から令和2年11月30日付けで受けた更正処分及び賦課決定処分は、原告が相続分の譲渡によって取得した譲渡代金を相続税の課税対象とする点で法律の根拠に基づかずに課税するものであり、租税法律主義について定める憲法30条及び84条に反し違憲・違法であるなどと主張して、被告を相手に、本件各処分の取消しを求める事案である。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第44回】
上記②(前回参照)は「資産の損害に基因して支払を受ける保険金や不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金」を非課税所得とするものである。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第41回】「所得税における為替差損益の具体的な算定方法」
預入れ及び払出しが随時可能な外貨預金の払出しに係る為替差損益の具体的算定方法について、所得税法は特段の定めを置いておりませんが、どのように算定すればよいのでしょうか。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例63】「個人間契約の貸付金を法人間契約に変更した場合の貸倒償却の是非」
一方で、最近受けた税務調査で1点解決していない事項があります。それは、わが社の代表取締役Yが取引先で飲食店業を営むZ社の代表者Aに対して行った貸付金債権につき、それをわが社とZ社間の貸付金に振り替えてから数年後、Z社がコロナ禍の業績不振により倒産したため、当該貸付金債権を償却し損金算入したことについての税務署との見解の相違です。Z社が倒産したのは客観的事実であることから、Z社に対する貸付金債権が回収不能となるのは当然であり、それを償却し損金算入することに何ら問題はないと思われるのですが、税務署の調査官は、当該貸付金は契約書の通り個人間のもので、わが社の損益には関係がないと主張します。これはどのように考えるべきなのでしょうか、教えてください。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第18回】「租税法律主義において信義則違反の主張はどう評価されるか」
本件調査担当職員は、原処分に係る調査において、請求人らの関与税理士に対して、本件貸付金債権の価額を、元本の価額である5,000万円として修正申告の慫慂に応じるのであれば、その利息の額である1,765万4,793円は課税しないと発言した。
このことは、請求人らに対する誤指導であり、当該発言が、調査の終了していない段階でされたことを含めて、原処分は信義則に反する違法な処分である。
決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識 【第3回】「連結範囲変更時における連結キャッシュ・フロー項目」
決算短信において、連結キャッシュ・フロー計算書は訂正が発生しやすい箇所です。作成のタイミングが連結貸借対照表と連結損益計算書の後になるため、決算短信開示までの時間的余裕がその分少なく、チェックが十分になされないのかもしれません。
中でも、毎年出てくるわけではない変則的な項目は要注意です。今回はそうした例の1つである連結範囲変更時における連結キャッシュ・フロー計算書の処理について、訂正事例から学んでいきます。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第49回】「士業別のM&A対応、企業の見方に関する留意点とポイント」~弁護士・中小企業診断士編~
前々回、前回と同様に、士業の種類によって微妙に異なるM&Aに対する視点を取り上げます。この視点の違いを知ることで、M&Aの買い手、売り手、支援機関などの第三者は、ご自身のおかれた環境に応じて士業を使い分けられると思います。
今回は、弁護士と中小企業診断士の特性を紹介します。前回までに取り上げた税理士や公認会計士は筆者の職業であったのに対して、今回ご紹介する2つの職業は筆者自身が有していない資格であるため、あくまでも業務上の関係を通じた私見である点をご了承ください。
《速報解説》 JICPAが「サイバーセキュリティリスクへの監査人の対応」に係る研究文書を公表~被監査会社でのインシデント発生時に必要となる監査上の対応等を紹介~
2024年5月30日、日本公認会計士協会は、「サイバーセキュリティリスクへの監査人の対応(研究文書)」(テクノロジー委員会研究文書第10号)を公表した。