ストーリーで学ぶIFRS入門 【第11話】「無形資産にのれんは含まれない?」
「藤原さん、お疲れみたいですね。」
後輩の山口が藤原に気を使って、小声で桜井に話しかけた。当の藤原は、お昼の弁当を掻きこんだ後、机に伏せて爆睡している。
「最近残業が続いているらしいから。」
桜井もつられて小声で返事をすると、隣の席をちらっと見た。藤原は入社3年目の桜井よりも2つ上の先輩だ。経理部に配属された直後から桜井の教育係だったこともあり、いろいろとお世話になっている。
ストック・オプション会計を学ぶ 【第4回】「権利確定日以前の会計処理」
今回は「ストック・オプション等に関する会計基準」(企業会計基準第8号。以下「ストック・オプション会計基準」という)にしたがって、権利確定日以前のストック・オプションの会計処理の概要について解説する。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第128回】連結会計⑪「持分法適用会社の時価評価」
Q 持分法を適用する投資会社(以下、「持分法適用会社」)の資産及び負債の評価方法について教えてください。
《速報解説》 日本監査役協会 監査等委員会実務研究会、「選任等・報酬等に対する監査等委員会の意見陳述権行使の実務と論点」を公表~海外実態及び設置会社へのアンケートをもとに論点を整理~
平成28年11月24日、公益社団法人日本監査役協会 監査等委員会実務研究会は「選任等・報酬等に対する監査等委員会の意見陳述権行使の実務と論点―中間報告としての実態整理―」(以下「本報告」という)を公表した。
《速報解説》 消費税率引上げ延期に係る税制関連法が11月28日付け官報号外第261号にて公布、同日施行~10%引上げ及び軽減税率導入は平成31年10月1日へ
消費税率10%引上げの2年半延期を定めた税制関連法案が11月18日の参議院本会議での可決、今国会での成立を受け、関係する政省令と共に、11月28日付け官報号外第261号にて公布、同日施行された。
《速報解説》 政府税調、「国税犯則調査手続の見直しについて」を公表~近時の刑事訴訟法改正を参考に電磁的記録に係る証拠収集手続規定を整備、29年度大綱への盛り込み目指す~
本年11月14日、政府税制調査会が、「国税犯則調査手続の見直しについて」と題する報告を公表した。
当該報告は、脱税事件の調査等の根拠法である国税犯則取締法に係る規定の整備を目的とするものである。報道によれば、来月にも公表される平成29年度税制改正大綱に盛り込むことが予定されている。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第29回】「取引別にみた収益の認識基準①」
企業活動の中心となる商品又は製品等の棚卸資産の販売収益の額は、その引渡しのあった日の属する事業年度の益金の額に算入されます(法基通2-2-1)。
このような取扱いを置いたのは、昭和38年12月の「整備答甲」で、収益の認識基準について「法的基準」としては「所有権の移転又は役務提供があったとき」としながら、「具体的運用」は「引渡し又は同時履行の抗弁権を失ったとき」としているからです。
組織再編におけるスピンオフについて~平成29年度税制改正へ向けた現状の課題~
「スピンオフ(spin-off)」とは、現物配当その他の比例的分配により、株主に対して、既存子会社又は事業を切り出して設立した新設子会社の株式を交付することによって、当該子会社又は事業を切り離す組織再編をいう。米国では、例えば、2015年にeBayがPayPalを分離独立する際の手法として用いられる等、事業の切り離しの手段として広く普及している。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第10回】「別表6(16) 雇用者の数が増加した場合又は特定の地域において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(16)付表 基準雇用者数等、給与等支給額及び比較給与等支給額の計算に関する明細書」〈その1〉
第10回目は、最近改正された制度の中で比較的書籍等での掲載頻度が少ない「別表6(16) 雇用者の数が増加した場合又は特定の地域において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(16)付表 基準雇用者数等、給与等支給額及び比較給与等支給額の計算に関する明細書」を採り上げる。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例44(法人税)】 「交換差金の額が20%を超えたため、固定資産の交換の特例の適用ができなくなってしまった事例」
平成X7年12月期の法人税につき、共有名義の土地建物の所有権を法人、個人間で整理するため、税理士の指導により土地建物の交換及び売買を行い、交換により取得した資産の圧縮記帳の損金算入(以下「固定資産の交換の特例」という)により交換譲渡益の課税を繰り延べようとしたが、「20%要件」(交換差金の額が交換取得資産と交換譲渡資産のいずれか多い価額の20%を超えないこと)を満たしていないため、交換の特例の適用ができなかった。
これにより、固定資産圧縮損が損金計上できなくなり、固定資産売却益が発生したため、過大納付となった法人税額につき、賠償請求を受けた。