「連結財務諸表の用語、様式及び 作成方法に関する規則等の一部を 改正する内閣府令」の解説 ―IFRS任意適用要件緩和の内容とその背景、 今後の展望について―
2013年6月19日、金融庁企業会計審議会は、
① International Financial Reporting Standards(以下、「IFRS」という)の任意適用要件の緩和
② IFRSの適用の方法
③ 単体開示の簡素化についての考え方
を整理した、「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」(以下、「方針」という)を公表した。
当該方針に基づき、8月26日には、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下、「連結財規」という)等の一部を改正する内閣府令(案)」等が公表され、10月28日に内閣府令(第70号)が公布された。
当改正の趣旨は、IFRS任意適用企業を増加させることにあるといえる。以下では、主な改正内容やその背景等について概説する。
減損会計を学ぶ 【第2回】「減損会計の特徴」
減損会計基準を理解するためには、同会計基準が設定された背景を理解する必要がある。
固定資産に関する会計手法として、減価償却がある(「企業会計原則」第三、五)。
減損会計基準の設定の背景を理解するために、まず、減価償却の考え方を整理し、次に減損会計を必要とした理由を考えてみる。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第23回】純資産会計①「自己株式の取得」─自己株式は株主資本の控除項目
当社は、インターネット上の通信販売サイトの運営会社です。ここ数年利益が安定し、営業キャッシュ・フローもプラスのため株主還元として一定額を配当しています。
当期は配当に加え、取締役会において自己株式の取得を決定しました。
自己株式を取得した場合の会計処理について教えてください。
税効果会計を学ぶ 【第21回】「連結財務諸表における税効果会計の取扱い⑥」~子会社への投資に係る一時差異
子会社へ投資を行ったときには、投資の取得価額と投資の連結貸借対照表上の価額(子会社資本の親会社持分額と資産の部に計上されたのれんとの合計額)とは一致し、親会社にとって投資に係る一時差異は生じないことになる(次図参照。連結税効果実務指針29項、53項)。
《速報解説》 連結財務諸表規則等の改正(IFRS任意適用要件の緩和)の解説
平成25年10月28日、金融庁は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等を公表した。
これにより、平成25年8月26日に公開していた「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等が確定することになる。
減損会計を学ぶ 【第1回】「減損会計の全体像」
平成14年8月に、企業会計審議会から「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(以下「減損会計意見書」という)が公表され、平成17年4月1日以後開始する事業年度から実施されている。減損会計はすでに実務に定着しているものといえる。
減損会計は、企業の業績が悪化するなどし、将来の収益が十分には獲得できない場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額する会計処理である。このため、減損会計は毎期決算のポイントとなる事項であり、将来の収益の獲得という見積りの要素が重要となる。
前述のように減損会計はすでに実務に定着しているものの、導入当初はなかなかなじみにくい会計基準であるとの意見が聞かれた。これは、減損会計には全体像が理解しにくい面があること、減損の兆候などの新しい用語が使用されていること、管理会計の要素を考慮する面があることなどがあるためではないかと考えられる。
林總の管理会計[超]入門講座 【第13回】「原価情報に大切なのは「新鮮さ」と「客観性」」
〔林〕部門費の負担について考える前に、原価計算の3つのステップについておさらいしてみよう。
君も知っているように、原価計算は
「費目別計算」→「部門別計算」→「製品別計算」
の順に行われる。
それから製品別計算は、原価を製品に対して直接集計できる「直接費」と集計できない「間接費」に分けて行われる。
〔Q〕ここまではわかります。
〔林〕製品原価はどのように算出するかというと、直接費は費目別計算から、直接的に実際金額を集計する。
しかし、製造間接費は部門別計算から予算金額を使って行うんだ。
《速報解説》 電子記録債権に関する会計処理及び表示について(でんさいネット)
「電子記録債権法」(平成19年法律第102号)に基づいて電子記録債権を活用する際の会計処理及び表示については、企業会計基準委員会から「電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い」(実務対応報告第27号)が公表されている。
株式会社全銀電子債権ネットワーク(通称、でんさいネット)のホームページでは、電子記録債権の会計処理などに関する実務上の問題について述べている部分がある。
《速報解説》 「新規上場に伴う負担の軽減」に関する議論について-新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方-
平成25年10月15日、金融審議会の「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」(第6回)が開催された。
そこで示された「事務局説明資料」によると、新規上場に伴う負担の軽減のために次の事項について議論が行われている。