フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第49回】「特定譲渡制限付株式の会計処理」
会社が役員に対して報酬債権を付与し、役員等から報酬債権の現物出資を受けるのと引き換えに、その役員等に対して交付された一定期間の譲渡制限がある株式のことを「特定譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」といいます。近年、当該株式を交付しているケースが増えています。
そこで、今回は、「特定譲渡制限付株式の会計処理」について解説します。なお、「特定譲渡制限付株式」については、まだ会計基準がないため、経済産業省から公表されている『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』に沿って解説します。
税効果会計を学ぶ 【第9回】「繰延税金資産の回収可能性③」-企業の分類に関する実務上の留意点-
第8回では、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号。以下「回収可能性適用指針」という)における企業の分類と繰延税金資産の回収可能性について解説した。
今回(第9回)は、第8回で解説した企業の分類に関する実務上の留意点について解説する。
値上げの「理屈」~管理会計で正解を探る~ 【第4回】「安全余裕率を把握する」~デートにおけるワインの選び方~
PNガーデン社は、生花の販売や、ガーデニング用品の製造・販売などを手がける会社です。PNガーデン社の運営する「フラワーショップ駅前店」では、リミちゃんが1人で電話応対をしています。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第102回】天馬株式会社「第三者委員会調査報告書(2020年4月2日付)」
天馬の経営陣は、X国に所在する子会社であるX国天馬の役職員が、X国の税務局がX国天馬に対して2019年8月に実施した税務調査の過程で、税務局職員に対し、同月31日に1,500万円相当の現金を交付した可能性があることを、同年9月上旬から10月上旬にかけて順次認知した。
この問題については、11月19日に開催された取締役会にて報告され、12月2日に開催された取締役会にて、この問題を調査するための第三者委員会の設置が決議され、同日、天馬は、「当社海外子会社における不正行為について」と題する適時開示を発出した。
税効果会計を学ぶ 【第8回】「繰延税金資産の回収可能性②」-企業の分類の枠組み-
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号。以下「回収可能性適用指針」という)では、「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」(監査委員会報告第66号)における企業の分類に応じた取扱いの枠組みを基本的に踏襲した上で、当該取扱いの一部について必要な見直しを行っている(回収可能性適用指針63項、64項)。
今回は、回収可能性適用指針における企業の分類と繰延税金資産の回収可能性について解説する。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第4回】「《特別編》コロナ禍が変える中小企業のM&A」~その1:資産・事業価値の減少が買い手・売り手のM&Aの視点を変える~
新型コロナウイルスの感染拡大によって、中小企業の多くは今後の経営のあり方や戦略の見直しを迫られています。中小企業のM&Aについても、足元の経営環境の把握や、戦略の転換を図る中で、買い手・売り手はもちろんのこと、支援機関といった第三者に至るまで、従来とはスタンスを変えつつあります。
新型コロナウイルスによって一変した世界において更に変化し続ける環境のもと、中小企業のM&Aはどのような影響を受け、これからの対応はどう変わっていくのか、買い手・売り手・第三者の各当事者の視点を通じて、今、整理しておくことは有用です。
税効果会計を学ぶ 【第7回】「繰延税金資産の回収可能性①」-定義を理解する-
回収可能性適用指針の開発に際しては、「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」(監査委員会報告第66号)及び「その他有価証券の評価差額及び固定資産の減損損失に係る税効果会計の適用における監査上の取扱い」(監査委員会報告第70号)などのうち会計処理に関する部分について、基本的にその内容を適用指針に引き継いだ上で、必要と考えられる見直しを行ったことが記載されている(回収可能性適用指針54項)。
値上げの「理屈」~管理会計で正解を探る~ 【第3回】「損益分岐点を意識して値上げする」~朱に交われば・・・高くなる?~
PNガーデン社は、生花の販売や、ガーデニング用品の製造・販売などを手がける会社です。PNガーデン社の運営する「フラワーショップ駅前店」では、リミちゃんが店内の片づけをしています。
〈リミちゃん〉
店長、このガラクタが入った段ボール箱はどこに置けばいいですか~?
〈ハナダ店長〉
ガラクタ?
これは僕がガーデニングの本場イギリスから輸入した、園芸用品だよ。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第101回】株式会社ALBERT「外部調査委員会調査報告書(2020年5月13日付)」
2020年2月14日、ALBERTは、2019年12月期決算における監査手続きの過程で、会計監査人であるあずさ監査法人から、第4四半期の売上高計上の妥当性について実態把握をする必要があるという指摘を受け、社外監査役2名と外部の弁護士兼公認会計士による社内調査を進めるとともに、決算発表の延期を公表した。
次いで、同月27日には、より独立性を高めた調査が必要であるとの判断に至り、利害関係を有さない社外の専門家で構成される外部調査委員会の設置を取締役会で決議したことを公表した。その後、あずさ監査法人からは追加の調査を求められたため、ALBERTの2019年12月期決算発表は、調査報告書受領後の5月22日まで延期されることとなった。
外部調査委員会が調査した事案は、ALBERTの取引先単位で合計4事案であり、その結論は、いずれも2019年12月期に売上計上を行うのは妥当ではないというものであり、売上計上を否認された金額は合計で7,700万円を超えている。