「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」の徹底解説 【第4回】
【STEP3】では取引価格を算定する。「取引価格」とは、財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額(ただし、第三者のために回収する額を除く)をいう(基準8、47)。
取引価格の算定においては、以下の5つについて検討する(基準48)。特に(1)、(2)、(5)は影響が大きい論点である。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第13回】「労働債務の分析(その1)」-未払給与、賞与等-
「労働債務」は会計上の用語ではないが、本稿では従業員(役員を含む)による労働等の対価として法人が支払うべきものの未払額を総称して「労働債務」と呼ぶことにする。
代表的な労働債務としては未払給与や未払賞与、退職給付引当金や役員退職慰労引当金のほか、我が国では馴染みの薄い有給休暇に関する引当金などが挙げられる。
今回はこれらのうち、いわゆる「短期従業員給付に当たる項目」について概説する。
企業結合会計を学ぶ 【第5回】「取得原価の算定方法」-段階取得・一体取引-
例えば、企業結合が行われる前に、被取得企業の株式を一部、取得し、その後、追加で株式を取得して、他の企業に対する支配を獲得することがある。このように、「取得」が複数の取引により達成された場合を「段階取得」という(企業結合会計基準25項)。
「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」の徹底解説 【第3回】
財又はサービスを顧客に移転する複数の約束が区分して識別できないことを示す要因として、例えば、以下の①から③がある(適用指針6、113)。
以下のような場合には、顧客に約束した財又はサービスは1つのもの(1つの履行義務)として結合する。言い換えると、以下の①から③に該当しない場合には、それぞれ別個の財又はサービス(別個の履行義務)として識別する。
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《税効果会計》編 【第3回】「繰延税金資産の回収可能性」
「中小企業会計指針」においても、繰延税金資産の計上には、上場企業等の場合と同様にその回収可能性について厳格かつ慎重な判断が要求されます。
《税効果会計》編の最終回となる今回は、繰延税金資産の回収可能性が認められなくなったと判断した年度の会計処理をご紹介します。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第78回】スルガ銀行株式会社「第三者委員会調査報告書(平成30年9月7日付)」(前編)
本稿では、スルガ銀行第三者委員会調査報告書について、まず【前編】として、第三者委員会により認定されたスルガ銀行の不正融資の手口とその発生原因について検証したうえで、次いで【後編】(11月15日公開)として、スルガ銀行取締役・監査役の法的責任、経営責任についての第三者委員会の評価を検証するとともに、調査報告書公表後の事態の推移を見ておきたい。
「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」の徹底解説 【第2回】
収益認識基準等は、顧客との契約に対して適用されるため、まず、顧客との契約であるかどうかを検討する。具体的には、以下の①から⑤の要件のすべてを満たすものについて、顧客との契約として識別する(基準19)。当たり前の要件であるため、通常の売上取引であれば、すべての要件を満たすことが多いと考えられる。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第12回】「投融資の分析(その2)」
ゴルフ会員権やリゾート会員権等(以下、総称して「会員権」)は、ゴルフ場やリゾート施設の運営会社の発行する株式や、当該会社に対する預託保証金等から構成されており、施設利用権を表すものである。
税効果会計における「繰延税金資産の回収可能性」の基礎解説 【第9回】「その他有価証券の評価差額に係る一時差異の取扱い」
ここまでの説明で、連載を継続的にご覧の読者の中には、その他有価証券評価差額金が損益計算書で計上されないのであれば、会計上の収益又は費用と税務上の益金又は損金の額は一致するのだから税金の前払い(将来減算一時差異)や繰延べ(将来加算一時差異)が生じないのでは、と感じた方もいるかもしれない。