〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《税効果会計》編 【第3回】「繰延税金資産の回収可能性」
「中小企業会計指針」においても、繰延税金資産の計上には、上場企業等の場合と同様にその回収可能性について厳格かつ慎重な判断が要求されます。
《税効果会計》編の最終回となる今回は、繰延税金資産の回収可能性が認められなくなったと判断した年度の会計処理をご紹介します。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第78回】スルガ銀行株式会社「第三者委員会調査報告書(平成30年9月7日付)」(前編)
本稿では、スルガ銀行第三者委員会調査報告書について、まず【前編】として、第三者委員会により認定されたスルガ銀行の不正融資の手口とその発生原因について検証したうえで、次いで【後編】(11月15日公開)として、スルガ銀行取締役・監査役の法的責任、経営責任についての第三者委員会の評価を検証するとともに、調査報告書公表後の事態の推移を見ておきたい。
「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」の徹底解説 【第2回】
収益認識基準等は、顧客との契約に対して適用されるため、まず、顧客との契約であるかどうかを検討する。具体的には、以下の①から⑤の要件のすべてを満たすものについて、顧客との契約として識別する(基準19)。当たり前の要件であるため、通常の売上取引であれば、すべての要件を満たすことが多いと考えられる。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第12回】「投融資の分析(その2)」
ゴルフ会員権やリゾート会員権等(以下、総称して「会員権」)は、ゴルフ場やリゾート施設の運営会社の発行する株式や、当該会社に対する預託保証金等から構成されており、施設利用権を表すものである。
税効果会計における「繰延税金資産の回収可能性」の基礎解説 【第9回】「その他有価証券の評価差額に係る一時差異の取扱い」
ここまでの説明で、連載を継続的にご覧の読者の中には、その他有価証券評価差額金が損益計算書で計上されないのであれば、会計上の収益又は費用と税務上の益金又は損金の額は一致するのだから税金の前払い(将来減算一時差異)や繰延べ(将来加算一時差異)が生じないのでは、と感じた方もいるかもしれない。
企業結合会計を学ぶ 【第4回】「取得原価の算定方法」-条件付取得対価等-
企業結合を行う場合、様々なリスクがあることから、企業結合契約の中には、企業結合契約を締結した後の将来の特定の事象又は取引の結果に依存して、追加的に株式が交付されたり、現金又は他の資産が引き渡されたりする条項が含まれていることがある(「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号。以下「企業結合会計基準」という)95項)。
「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」の徹底解説 【第1回】
平成30年3月30日に企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」が公表された。
会計基準の公表又は改正は、多くの場合、経理部門が主導でその公表又は改正に対応すればよかったが、今回の場合は、そういうわけにはいかない。
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《税効果会計》編 【第2回】「税効果会計の適用(2)」
前回は、税効果会計を適用する初年度の会計処理を取り上げました。
今回は税効果会計適用の次年度以後の会計処理をご紹介します。また、税制改正により税率が変更される場合の取扱いも説明します。
企業経営とメンタルアカウンティング~管理会計で紐解く“ココロの会計”~ 【第7回】「「自分の見たものがすべて」の習性」
あなたが友人から、こんな相談を受けたとしましょう。
「彼と結婚したら幸せになれるかしら? 彼は、優しくて、お給料がよくて・・・。」
この相談を聞いたら、すぐさま「幸せになれそう!」と答えたくなりますね。友人からの情報は、「優しくて、お給料がよい」という限られたものなのですが、こうした情報が飛び込んできた時点で、ココロは反射的に、幸せな結婚生活を連想してしまうものです。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第11回】「投融資の分析(その1)」
日本の中小企業が貸借対照表に計上している投資その他の資産の金額規模は下表のとおりであり、1社当たりの帳簿価額は32百万円で総資産全体の10%ほどを占めている。当然のことながら、貸借対照表上の投資その他の資産の水準は業種や個別企業のおかれている状況によって異なる。
今回及び次回にかけて、投融資のうち主要な項目において実施すべき調査のポイント及び評価に関連するトピックスをいくつか概説する。