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M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第16回】「偶発債務・後発事象の分析(その1)」

筆者:松澤 公貴

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デューデリジェンス基本実務

-財務・税務編-

 

公認会計士 松澤 公貴

 

第6節 偶発債務・後発事象の分析

【第16回】

「偶発債務・後発事象の分析(その1)」

 

▷偶発債務・後発事象

偶発債務とは、現時点では債務ではないが、一定の事由を条件に、将来債務となる可能性がある債務のことをいい、発生可能性が高く、かつ、金額が合理的に見積もれる場合は引当金として計上し、発生する可能性が低い場合は、貸借対照表に注記する必要がある。一方、後発事象とは、基準日後に発生した会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす会計事象である(以下、総称して「偶発債務(簿外債務)等」)。

多くの中小企業では、偶発債務(簿外債務)等が債務として確定するまでは、通常、負債に計上されていない。すなわち、多くのケースは簿外債務となっている。これは、多くの中小企業は、同族会社であり、引当金も税務上損金として認められず、開示や計上をする意義が乏しいからである。

 

▷偶発債務(簿外債務)等のデューデリジェンスにおける主な調査手続

しかしながら、M&Aの実務では、偶発債務(簿外債務)等は、ディールブレイカー(M&Aの検討を取りやめるほどの重要な項目)となる可能性が高く、可能な限り網羅的に下記の手続により精査し、内容及び影響額を早急に検討しなければいけない項目である。


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連載目次

M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務

▷財務・税務編

《第1章》 実態純資産の分析

第1節 純有利子負債の分析

第2節 運転資本の分析

第3節 固定資産の分析

第4節 投融資の分析

第5節 労働債務の分析

第6節 偶発債務・後発事象の分析

▷法務編

《第1章》 会社組織

《第2章》 株式及び株主

《第3章》 業務関連主要契約

《第4章》 不動産

《第5章》 労務

《第6章》 許認可・法規制

《第7章》 ストラクチャー及び契約条件

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筆者紹介

  • 松澤 公貴

    (まつざわ・こうき)

    松澤綜合会計事務所代表
    公認会計士・税理士・行政書士・日本証券アナリスト協会検定会員・公認不正検査士

    大手会計事務所の執行役員を経て現職。

    M&A、事業・企業再編時等におけるデューデリジェンス、株式価値評価、IPO支援業務等の多数で多様なコンサルティング経験がある。また、粉飾決算、資産横領等の不正調査業務に関しては相当数の経験があり、案件数は500件を超え、不正関与者へのインタビューは2,000人にも及ぶ。

    なお、現在、日本公認会計士協会に設置されている経営研究調査会の「不正調査専門部会」において専門部会長に就任しており、「不正調査ガイドライン」(日本公認会計士協会)の作成に関与している。

    【著書】
    『実務事例 会計不正と粉飾決算の発見と調査』(2017年、日本加除出版)

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