固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第55回】「医療機器は、基本的にはそれ自体で固有の機能を果たし独立して使用されるものであって、1つの設備を形成し、その設備の一部としての働きをなすものではないから機械及び装置に該当しないとされた事例」
「器具及び備品」と「機械及び装置」を区別するのが難しい場合がある。これらについて税法上は明確に定義されていないので国語辞典により定義を考えることになるが、「器具及び備品」と「機械及び装置」をひとくくりにして定義していない。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第83回】
税務当局にとって、暗号資産の分散性は、納税者情報が集積する「インフォメーションハブ」や源泉地国の課税権を確保するための「源泉徴収代理人」のような者に依拠できないという、構造的な困難をもたらす。
本稿では、DeFiを中心とする分散型の金融システムにおいては、税務当局が金融機関等の仲介者から利用者の情報を収集するような既存の枠組みが機能不全に陥る可能性に着目する。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第87回】「オウブンシャホールディング事件 (地判平13.11.9、高判平16.1.28、最判平18.1.24)(その3)」~法人税法22条2項の「取引」の解釈~
本件でいう既存株主から移転した価値とは何か。それを「資産」と捉える場合、実現主義による制約を受ける。本件においても、事実上は、含み益に対して課税しているのであるから、それは「資産」であるという理解が一般的ではないか。このような立場からは「株主(旧株主)に帰属していた株式の含み益が株式引受人に移転することになるが、その含み益は、現実に株式を「譲渡」したものではないから未実現ということになる・・・現行の法人税法は、未実現利益に対して課税しないことを前提としていることから、増資時点での旧株主に対する課税は放棄している・・・現行法の下で未実現利益に課税するには、みなし規定か別段の定めが必要であり、そのためには、法改正が必要である。そのような法的手当がない中での課税は、租税法律主義に違背すると考えられる(※5)」という見方になろう。
《速報解説》 「賃上げ促進税制」の廃止を含む見直し~令和8年度税制改正大綱~
令和7年12月19日、与党(自由民主党および日本維新の会)より令和8年度税制改正大綱が公表され、いわゆる「賃上げ促進税制」(給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除、措法42の12の5)の見直しが盛り込まれた。本税制は、わが国が長期にわたり直面してきたデフレから脱却すべく、賃上げを契機とした経済成長を促すための措置として平成25(2013)年度より講じられていたものであるが、近年の「賃上げ」をめぐる状況の変化等をふまえ、廃止を含む見直しが行われることとなった。
本稿では、こうした「賃上げ」をめぐる状況変化等を概観しつつ、改正内容について整理することとしたい。なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であって、所属するいかなる組織・団体の公式見解ではないことをあらかじめ申し添える。
《速報解説》 環境性能割の廃止等含む自動車関係諸税の見直し~令和8年度税制改正大綱~
令和7年12月19日(金)、与党(自由民主党と日本維新の会)が「令和8年度税制改正大綱」(与党大綱)を公表した。
大綱に示された自動車関係諸税についての主な改正事項等は次のとおりである。
《速報解説》 事業承継税制の見直し(相続税・贈与税)~令和8年度税制改正大綱~
令和7年12月19日に公表された「令和8年度税制改正大綱」において、中小企業等の経営者の円滑な世代交代を通じた生産性の向上・成長を支援する観点から、事業承継税制の特例措置(贈与税・相続税ともに100%納税猶予)に係る承継計画の提出期限が延長された。
《速報解説》 分離課税の導入含めた暗号資産取引等に係る課税の見直し~令和8年度税制改正大綱~
令和7年12月19日に与党(自由民主党・日本維新の会)から公表された令和8年度税制改正大綱においては、暗号資産取引等に関する課税の見直しが盛り込まれている。
これらの改正は、現在、議論が進んでいる暗号資産に関する金融規制の見直し、具体的には、現在、資金決済法において規制されている暗号資産が新たに金融商品取引法において規制されることになることを前提としている。
《速報解説》 青色申告特別控除の見直し~令和8年度税制改正大綱~
令和7年12月19日(金)に公表された「令和8年度税制改正大綱」(与党大綱)において令和9年分以後の所得税に係る青色申告特別控除の見直しが明記された。
以下、本稿ではその見直しの内容について解説を行う。
《速報解説》 適格請求書等保存方式に係る経過措置の見直し~令和8年度税制改正大綱~
令和7年12月19日に公表された「令和8年度税制改正大綱」(与党大綱)では、「インボイス制度導入に伴う経過措置」について、小規模事業者への配慮を示しつつ、これを利用した租税回避に対しては厳格に対応する姿勢が示されている。
租税回避の例としては、グローバル企業傘下の日本法人が同傘下の外国法人等(免税事業者)から商品を仕入れるに当たり、日本国内の倉庫に搬入(これにより輸入消費税を回避)されたものを仕入れることで、免税事業者である外国法人等からの国内仕入れとしていわゆる80%控除(28年改正法附則52)を適用する事例があり、税制の公平性の観点から問題視されている。
