《速報解説》 BEPS行動13を受け「移転価格税制に係る文書化制度」を整備~平成28年度税制改正大綱~
我が国における移転価格文書(いわゆるドキュメンテーション)としては、これまでは、租税特別措置法施行規則第22条の10第1号及び第2号に掲げられた項目を含んだ文書がそれに当たるものとされてきたが、OECDによる「BEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクト」の行動13の最終報告書を踏まえ、我が国も諸外国並みのグローバルスタンダードとしての厳しい移転価格文書化の時代に突入することになる。
《速報解説》 「更正予知に関する新たな加算税措置」「繰り返しの無申告等に対する加算税の加重」~平成28年度税制改正大綱~
12月16日に公表された与党税制改正大綱によると、平成28年度税制改正では、過少申告加算税(国税通則法(以下「通法」という)第65条)、無申告加算税(通法第66条)、不納付加算税(通法第67条)及び重加算税(通法第68条)の4種類の加算税のうち、過少申告加算税及び無申告加算税について、「更正があるべきことを予知してされたものでない」申告(※1)に関して新たな措置が導入される。
《速報解説》 セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の創設~平成28年度税制改正大綱~
12月16日に公表された「平成28年度税制改正大綱」(与党大綱)において、セルフメディケーションの推進により医療費を削減するため、セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)が創設されることが決まった。
《速報解説》 欠損金の繰越控除制度、平成28年4月以後の控除限度割合が縮小へ~平成28年度税制改正大綱~
今回の税制改正大綱では、平成27年4月から平成29年4月までに控除限度割合を65%から50%に引き下げる措置について、50%までの最終的な引下げ時期を平成30年4月まで引き延ばし、さらに段階的な引下げの措置を講じている。
《速報解説》 減価償却制度、建物附属設備・構築物等の定率法が廃止へ~平成28年度税制改正大綱~
自由民主党と公明党は、平成27年12月16日、平成28年度税制改正大綱(与党大綱)を発表した。この中で、減価償却制度の見直しが明記された。ここでは、その内容について解説する。
《速報解説》 平成28年度税制改正大綱(与党大綱)が正式公表~消費税軽減税率の制度設計の全容、法人実効税率引下げに係る内容等が明らかに
当初12月10日の公表に向けて取りまとめが行われていた「平成28年度税制改正大綱」は、消費税の軽減税率を除く部分についてのみ自民党税制調査会の了承を得、「大綱(案)」として広く知られることとなっていた(※)が、このたび2015年12月16日付けで、軽減税率部分を織り込んだ大綱(いわゆる与党税制改正大綱)が正式に公表された。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第36回】「公正処理基準の形成過程と税務通達(その3)」
X社(原告)は、創業者である乙が代表取締役を辞任して非常勤取締役となったこと(以下「本件分掌変更」という。)に伴い、乙に対する退職慰労金として2億5,000万円(以下「本件退職慰労金」という。)を支給することを決定した。
平成27年度税制改正後の「受取配当等の益金不算入制度」に関する申告実務の留意点~別表8(1)及び8(1)付表の作成に当たって~
平成27年度税制改正では、実効税率の引下げに伴う、代替財源の確保のための一環として受取配当金の益金不算入制度が大きく見直された。
その内容も、持株比率基準の見直し、継続保有要件の見直し、非支配目的株式等の創設、負債利子控除制度の見直し、証券投資信託の収益の分配金に対する課税の見直しなど多岐にわたっている。この改正の内容は、平成27年4月1日以後開始する事業年度から適用されるため、通常の1年決算法人では、平成28年3月期から適用になると思われる。
そこで本稿では、特に申告書の作成に当たり留意すべき点についてまとめてみる。
包括的租税回避防止規定の理論と解釈 【第4回】「同族会社等の行為計算の否認の歴史①」
第4回目以降は、租税回避の否認規定として典型的な同族会社等の行為計算の否認(法法132)の歴史について解説することとする。なお、同族会社等の行為計算の否認は、所得税法、相続税法、地方税法においてもそれぞれ定められているが(所法157①、相法64①、地法72の43①)、本稿では、法人税法に定められている同規定の歴史のみについて解説を行うこととする。