包括的租税回避防止規定の理論と解釈 【第19回】「行為計算否認規定の論点」
前回までは、同族会社等の行為計算の否認に対する裁判例について解説を行った。
本稿では、同族会社等の行為計算の否認、包括的租税回避防止規定に対する論点を整理することとする。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第43回】「混沌とした租税回避論の再整理(その1)」
租税回避とは課税されるべきであろうか。それとも、課税されるべきではないのであろうか。
「租税回避はけしからん」として、課税されるべきであると考えられがちであるように思われる。
この点、学説上の通説は、租税回避とは課税されないものと理解している。
いわば、租税回避は一種の安全地帯(セーフハーバー)として捉えられているのである。
しかし、今日の租税回避論は混沌としている感が否めない。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q3】「公募利付債券の課税関係」~改正後の取扱い~
私(居住者たる個人)は、保有する資金を内国法人が発行する円建利付債券で運用しようと思います。
個人に対する債券の税制が平成28年以後変更になるということですが、債券の売買や償還に係る損益、利子はどのように取り扱われますか。上場株式の譲渡損益や配当との損益通算なども可能になるのでしょうか。
連結納税適用法人のための平成28年度税制改正 【第4回】「役員給与の見直し」
内国法人の支給する役員給与のうち、「特定譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)の交付により支給される給与」は、事前の届出をしなくても、事前確定届出給与として損金算入できることとなった(法法34①二)。
ここで、特定譲渡制限付株式とは、次に掲げる要件を満たす株式をいう(法法34①二、54①、法令111の2①)。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第15回】「過大役員退職給与」~役員退職給与が過大であると判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して、前代表取締役に対する役員退職給与の額が過大であるとして、その一部の損金算入を否認した法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた、静岡地裁昭和63年9月30日判決(判時1299号62頁。以下「本判決」という)を取り上げる。
裁判例・裁決例からみた非上場株式の評価 【第11回】「譲渡制限株式の譲渡①」
【第2回】から【第10回】までは、募集株式の発行等が有利発行に該当するか否かについて争われた事件をいくつか紹介した。
第11回以降は、譲渡制限株式の譲渡において、売買価格の決定の申立てがなされた事件について解説を行うこととする。
税務判例を読むための税法の学び方【86】 〔第9章〕代表的な税務判例を読む(その14:「「退職所得」の意義①」(最判昭58.9.9))
この判例は、退職所得の意義を明らかにした最高裁判決である。
それまでは、厳密な意味で何が退職所得に該当するのかという点は明らかにされていなかったところ、昭和58年後半に、2つの退職金に関する最高裁判決(①5年で打切り支給として退職金として支払われた金員についての事案、②10年で打切り支給として退職金として支払われた金員についての事案)により明確にされた。そこで、今回はこの2つの判決を見ていこう。ただし①事案を中心に見ることとし、②事案は、検討のする中で一部を紹介するのに留める。
monthly TAX views -No.42-「仮想通貨と税制」
新聞で、三菱UFJ銀行が「仮想通貨」を発行するということが大きな話題として取り上げられた。マウントゴックス社の不正事件で有名なビットコインなどの仮想通貨だが、本年6月資金決済法が改正され、「仮想通貨」の取引業者を登録制にしてマネロンなどの規制を強化することになり、法律で「仮想通貨」が定義されることとなった。
これを機会に、税制の問題も考えてみたい。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q2】「上場株式を譲渡し譲渡損が出た場合の損益通算の範囲」
私(居住者たる個人)は、保有している上場株式(日本株)について国内証券会社への売委託により売却したところ、譲渡損が発生しました。この譲渡損を、非上場株式の配当や譲渡益と損益通算することはできますか。
なお、この上場株式は国内証券会社の一般口座に預け入れられているものであり、特定口座や非課税口座(NISA口座)には入っていません。
