〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載34〕 会社分割により退職給付債務を移転する場合の税務処理
当社(P社)は、分社型分割により完全子会社(S社)を新設し、S社へ引き継ぐ従業員に係る退職給付債務をS社に移転する予定です。
この移転の税務処理に関して注意すべき点をご教授下さい。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第4回】「ホステス報酬事件(その1)」~事案の論点~
租税法律主義の下では、条文に書いてある内容に忠実に従ったところで、租税は賦課徴収されることになる。しかし、条文の内容が十分に明確ではないとか、いくつかの解釈が可能となってしまうというようなケースは少なくない。
例えば、「期間の日数」に一定の数をかけて源泉徴収税額を算出するという規定があるとしよう。そこでは、この「期間の日数」というものをどのように理解すればよいのかという問題が起こり得る。「連続した日数」をいうのか、あるいはある一定の「期間」の中から対象となる「日数」をカウントするのか、というようにである。
租税法の条文解釈の手法には、「文理解釈」と呼ばれるものと、「目的論的解釈」と呼ばれるものがある。ところで、上記の問題を明らかにするためには、この2つの解釈手法のうちいずれが採用されると考えるべきなのであろうか。
経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第5回】「消費税率の引上げ」―指定日と経過措置の関係―
当社は家電製品の販売を営む資本金額1,000万円の内国法人(3月決算)です。平成26年4月1日から消費税率の引上げが予定されていますが、以下の場合の消費税の取扱いを教えてください。
① 平成26年3月31日以前に仕入れた商品を平成26年4月1日以降に販売する場合、この販売取引には旧税率(5%)が適用されますか。
② 平成26年3月31日以前に締結した契約に基づいて、平成26年4月1日以降に商品を販売する場合、この販売取引には旧税率(5%)が適用されますか。
③ 平成25年9月30日以前に締結した契約に基づいて、平成26年4月1日以降に商品を販売する場合、この販売取引は旧税率(5%)が適用されますか。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例5(法人税)】 「退職の事実がないとして、税務調査により、代表取締役の役員退職給与が否認された事例」
平成24年3月期の法人税につき、代表取締役の退任に伴い支給した退職金1億2,000万円を、退職の事実がないとして税務調査により否認され、役員賞与として修正申告することになった。
また、平成24年分の代表取締役の所得税についても退職所得が給与所得とされ、修正申告となった。
これにより依頼者の法人税額2,200万円及び代表取締役の所得税額3,400万円が過大納付となり、損害賠償請求を受けた。
相続税対策からみた生前贈与のポイント 【第4回】「不動産の名義変更とその取消しがあった場合の贈与税」
資産家の相続税対策の一環として、しばしば行われるのが子や孫に対する不動産の贈与である。ただし、贈与にかかる課税関係について十分な検討をしないまま、安易に名義を変更する場合も少なくない。
そして、不動産の名義変更をした後、受贈者が思わぬ税負担に驚き、「贈与をなかったものとしたい」と税理士に相談する事例も見受けられる。
民法上、贈与者と受贈者が合意すれば贈与契約の取消しが可能ではあるが、税務上の取扱いについては別途検討する必要がある。
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について 【追補②】「新設された措置法通達のポイント(その2)」
【追補】の1回目では、「教育資金の一括贈与に係る非課税措置」(以下「本制度」という)に関して新設された通達(以下「新通達」という)について、それぞれの概要を解説したが、今回から内容を詳しく見ていくこととする。
今回取り上げる新通達の項目は、以下のものである。
「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」の解説 【第2回】「対象となる事業の範囲」
この税制措置の対象となる中小企業等は、どのような事業を営んでいてもよいのではなく、一定の事業に制限されている。
おおまかには「商業・サービス業及び農林水産業」と表現されるが、具体的には次の事業を指している(所得税:措令5の6の3③、措規5の10②③)(法人税:措令27の12の3④、措規20の8②③)。
税務判例を読むための税法の学び方【17】 〔第5章〕法令用語(その3)
立法技術の上で、一定の作為又は不作為の義務を表そうという場合には、通例、「・・・しなければならない(又は「・・・(動詞の未然形)+なければならない」)」又は「・・・してはならない(又は動詞の禁止表現)」という表現を用い、一定の能力、権利、権限、権能などを与え又はこれを否認することを表そうという場合には、通例、「・・・することができる(又は「・・・(動詞の連体形)+ことができる」)」又は「・・・することができない(又は「・・・(動詞の連体形)+ことができない」)」という表現を用いる。
また、一定の行為・事実又は立前を断定的に表そうという場合に、通常の用語の使用法同様に、「・・・する(又は動詞の終止形)」又は「・・・しない(又は動詞の否定形(国語的に言えば未然形+否定語句))」という表現を用いることもある。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載33〕 平成25年度税制改正における事業承継税制の改正について
平成25年度税制改正において、租税特別措置法といわゆる経営承継円滑化法が改正され、事業承継税制が大幅に緩和されたといわれていますが、具体的にどのように改正されたのでしょうか。