居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第8回】「居住用家屋を取り壊して土地等のみを譲渡している場合」-居住用土地等のみの譲渡-
Xは、20年前に土地と家屋を購入し、居住の用に供してきました。
本年3月にその家屋を取り壊して、同年9月に土地を4,000万円で譲渡する契約を不動産会社Aと締結し、同年12月に引渡しが完了しましたが、多額の譲渡損失が発生しました。
なお、家屋を取り壊した後、譲渡契約締結日まで、その土地は貸付その他の用に供していません。
他の適用要件が具備されている場合に、Xは当該譲渡について、「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第66回】「倉敷青果荷受組合事件」~最判平成30年9月25日(民集72巻4号317頁)~
X組合が、平成19年12月に、理事長Aに対し、48億円の債務を免除したところ、Y税務署長から、当該債務免除益(本件債務免除益)はAに対する賞与に該当するとして、給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分等を受けた。そこで、X組合が、その取消しを求めて出訴したのが本件である。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第43回】
法人税法22条の2第4項は、収益の額について、資産の販売又は譲渡の場合は資産の引渡時の「価額」相当額、役務提供の場合は提供した役務につき通常得べき「対価の額」相当額となることを定めている。資産については「価額」、役務については「対価の額」というように異なる文言を採用した趣旨は、必ずしも明らかではない。
monthly TAX views -No.95-「プラットフォーマーの社会的責任とGAFA課税」
21世紀最大の発明はプラットフォームではないか。
プラットフォームはその活用の場を、ヒト、モノ、遊休資産などの仲介だけでなく、広く教育やヘルスケアなど準公共財的とも呼べる分野にも広げ、今や社会に欠かせないインフラとなっている。またフェイスブックがデジタル通貨リベラの発行を企画するなど、通貨発行権まで取り込もうとしている。国境を越えた自由なサービスの提供と独自通貨の組み合わせは、いずれ国家をも超える存在になるだろう。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第1回】「外国子会社に対する貸付金利子の算定方法」
外国子会社に対する貸付金利子はどのように算定したらよいでしょうか。
組織再編税制、グループ法人税制及びグループ通算制度の現行法上の問題点と今後の課題 【第14回】「グループ通算制度の離脱に伴う時価評価」
原則として、グループ通算制度を取り止める場合及びグループ通算制度から離脱する場合には、時価評価課税は課されない。
ただし、グループ通算制度から離脱する法人が、その行う主要な事業について継続の見込みがない場合には、離脱時にその法人が保有する資産を時価評価するとともに、その評価損失を帳簿価額修正の対象にすることとされている(法法64の13①一)。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例24】「法人間の船舶取引に係る譲渡価額と減価償却費」
私は東京都内で観光客向けの屋形船を運営する株式会社Aで経理を担当しております。今年はコロナ禍の影響で外国人観光客が激減したことに加え、コロナが流行し始めた時期に屋形船でクラスターが発生したと連日報道された影響で日本人観光客も離れたことから、厳しい経営が続いておりますが、最近になってようやく客足が戻り始めたところで、国や都からの給付金等を得て何とか持ちこたえているところです。
とはいえ、ここ数年の業績は順調であり、昨年も業務拡大のため同業他社Bから屋形船を2隻購入したところです。ところが、先日受けた税務調査で調査官から、当該屋形船の譲渡価額が時価に比して低額であり、法人間において低廉譲渡があったとして、当社の方に受贈益が、屋形船を売却した同業他社の方に寄附金(時価と譲渡価額の差額部分)が生じるのではないかとの指摘を受けました。
本件については、屋形船の売買取引に当たり、その価額を算定する際、法人税基本通達に基づく評価額(未償却残高)によったのであり、資本関係のない当事者間において合意した当該価額は正に適正な時価といえるのであるから、課税庁の主張は不当であると考えております。わが社は課税庁と徹底抗戦すべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第85回】「コロナ禍における契約形態の変化に伴う印紙税の取扱い」
当社は内装工事請負業者です。従来から、契約等は対面によって文書を取り交していましたが、コロナ禍の影響で担当者がテレワークにより在宅勤務を取り入れており、対面による契約が難しいため、文書を郵送、メール、FAX、電子契約などの方法により行うことを検討しています。その際の印紙税の取扱いはどうなりますか。
居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第7回】「店舗兼住宅等の場合の計算例」-店舗兼住宅等の居住用部分の判定-
ラーメン店を営むXは、店舗兼住宅をその敷地と共に譲渡しました。譲渡価額と土地建物の使用状況は次のとおりです。
租税争訟レポート 【第52回】「課税仕入れの計上時期(第一審:東京地方裁判所2019(平成31)年3月15日判決、控訴審:東京高等裁判所2019(令和1)年9月26日判決)」
本件は、原告が、平成25年4月25日、土地並びに建物及び附属設備(以下、「本件不動産」といい、本件不動産のうち土地を除く部分を「本件建物」という)を代金7億円で買う旨の売買契約を締結するとともに、本件売買契約の際に生じた所有権の移転及び根抵当権の設定の各登記手続に係る事務を司法書士に委任する旨の約定を司法書士との間でしたとして、本件建物の取得に係る支払対価の額及び司法書士報酬の額を合計した6億1,362万2,313円を、平成25年4月24日から同月30日までの課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に算入した上で消費税及び地方消費税の確定申告をしたところ、行橋税務署長が、平成27年5月26日付けで、本件課税期間の消費税等の更正の処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたため、本件更正処分等には、「課税仕入れを行った日」(消費税法30条1項1号)の解釈及び適用を誤った違法があるなどとして、本件更正処分等の一部の取消しを求める事案である。