会計上の『重要性』
判断基準を身につける
~目指そう!決算効率化~
【第16回】
(最終回)
「変わりダネもある、重要性基準」
公認会計士 石王丸 周夫
この連載の最終回となる今回は、変わりダネの重要性基準を取り上げます。
【第1回】~【第15回】まではオーソドックスな重要性基準の話をしましたが、実はそれ以外にも様々な重要性基準があります。
まず手始めに、以下の問題にチャレンジしてみてください(解答は問題のすぐ下にあります)。
〔問題16〕
次のア~ウの記述のうち、誤っているものが2つある。
その記号の組合せの番号を1つ選びなさい。
ア 所有権移転外ファイナンス・リース取引について、リース契約1件当たりのリース料総額が120万円であっても、同様の契約が3件以上あれば総額で300万円を超えるので、少額リース資産の簡便的な取扱いは適用できない。
イ 従業員数が300人未満の連結子会社は重要性が乏しいと認められるので、退職給付引当金(連結上は「退職給付に係る負債」)を計上しなくてもよい。
ウ 決算期の異なる子会社を連結する際に必要とされる「会計記録の重要な不一致の整理」について、具体的な判断指針は明らかにされていない。
1・・・ア、イ
2・・・ア、ウ
3・・・イ、ウ
〔解答〕 1
いかがでしたか。正解できたでしょうか。
特殊なテーマに関する問いですので、難しかったかもしれません。
以下、この解答について触れながら、解説していきます。
《300万円基準(リース会計)》
前回までは、重要性の基準値として、税引前利益の5%の額を使った重要性判断を中心に解説してきました。これは主に、個々の会計基準に具体的な重要性の基準値が示されていないことを前提とした話でした。
ところが【第4回】でも触れたとおり、重要性の基準値を具体的に示している会計基準もいくつかあります。その1つがリース会計です。
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