公開日: 2026/10/08 (掲載号:No.689)
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谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第44回】「国税通則法と国税徴収法との「一体的」観察・検討の観点(その2)」-租税債権の立法政策的要素-

筆者: 谷口 勢津夫

谷口教授と学ぶ

国税通則法の構造と手続

【第44回】

「国税通則法と国税徴収法との「一体的」観察・検討の観点(その2)」

-租税債権の立法政策的要素-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

1 はじめに

前回は、国税通則法と国税徴収法との「一体的」観察・検討は、「租税基本法的要請」(中川一郎=清永敬次編『コンメンタール国税通則法』(税法研究所・加除式[1989年追録第5号加除済])E16頁[須貝脩一=清永敬次執筆]。太字筆者)に応えるべく、「租税法律関係の明確化」の観点から行うべきであるとの立場から、租税法律関係のうち国税徴収法の第一次的規律対象としての租税債権について、その本質的要素を検討したが、今回は、その検討を踏まえた上で、租税債権の立法政策的要素を検討することにする(租税債権の立法政策的要素に関する本稿とは異なる観点(「『公法上の債権』論」と「私法からの租税『債権』論」)からの優れた研究として、佐藤英明「『租税債権』論素描」金子宏編『租税法の発展』(有斐閣・2010年)3頁参照)。

ここで租税債権の立法政策的要素とは、租税の徴収確保及び租税負担公平の確保のための立法政策の構成要素(金子宏『租税法〔第24版〕』(弘文堂・2021年)30頁参照)をいうのであるが、そのような立法政策的要素は、「租税徴収制度調査会の答申に盛られた体系的な改革を全面的に実施に移したもの」(吉国二郎ほか共編『国税徴収法精解〔令和6年改訂・21版〕』(大蔵財務協会・2024年)24頁)とされる現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)でも、下記のとおり、自力執行権と一般的優先権である(租税徴収制度調査会『租税徴収制度調査会答申―附参考資料―』(昭和33年12月)1頁。下線筆者。なお、村井正「租税債権と私債権―租税債権の優先性を中心に―」租税法研究15号(1987年)1頁も参照)。この点では、「現行法は旧法を維持している」(雄川一郎ほか『行政強制―行政権の実力行使の法理と実態』(ジュリスト増刊・1977年)26頁[金子宏発言])のである。

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国税通則法の構造と手続

【第44回】

「国税通則法と国税徴収法との「一体的」観察・検討の観点(その2)」

-租税債権の立法政策的要素-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

1 はじめに

前回は、国税通則法と国税徴収法との「一体的」観察・検討は、「租税基本法的要請」(中川一郎=清永敬次編『コンメンタール国税通則法』(税法研究所・加除式[1989年追録第5号加除済])E16頁[須貝脩一=清永敬次執筆]。太字筆者)に応えるべく、「租税法律関係の明確化」の観点から行うべきであるとの立場から、租税法律関係のうち国税徴収法の第一次的規律対象としての租税債権について、その本質的要素を検討したが、今回は、その検討を踏まえた上で、租税債権の立法政策的要素を検討することにする(租税債権の立法政策的要素に関する本稿とは異なる観点(「『公法上の債権』論」と「私法からの租税『債権』論」)からの優れた研究として、佐藤英明「『租税債権』論素描」金子宏編『租税法の発展』(有斐閣・2010年)3頁参照)。

ここで租税債権の立法政策的要素とは、租税の徴収確保及び租税負担公平の確保のための立法政策の構成要素(金子宏『租税法〔第24版〕』(弘文堂・2021年)30頁参照)をいうのであるが、そのような立法政策的要素は、「租税徴収制度調査会の答申に盛られた体系的な改革を全面的に実施に移したもの」(吉国二郎ほか共編『国税徴収法精解〔令和6年改訂・21版〕』(大蔵財務協会・2024年)24頁)とされる現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)でも、下記のとおり、自力執行権と一般的優先権である(租税徴収制度調査会『租税徴収制度調査会答申―附参考資料―』(昭和33年12月)1頁。下線筆者。なお、村井正「租税債権と私債権―租税債権の優先性を中心に―」租税法研究15号(1987年)1頁も参照)。この点では、「現行法は旧法を維持している」(雄川一郎ほか『行政強制―行政権の実力行使の法理と実態』(ジュリスト増刊・1977年)26頁[金子宏発言])のである。

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連載目次

谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」

筆者紹介

谷口 勢津夫

(たにぐち・せつお)

大阪学院大学法学部教授

1956年高知県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。甲南大学法学部教授、大阪大学大学院高等司法研究科教授を経て2022年4月より現職。大阪大学名誉教授。ほかに大阪大学大学院高等司法研究科長・大阪大学法務室長、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員(Forschungsstipendiat der Alexander von Humboldt-Stiftung)・ミュンヘン大学客員研究員、日本税法学会理事長、租税法学会理事、IFA(International Fiscal Association)日本支部理事、資産評価政策学会理事、司法試験考査委員、公認会計士試験試験委員、独立行政法人造幣局契約監視委員会委員・委員長、大阪府収用委員会委員・会長、大阪府行政不服審査会委員・会長、公益財団法人日本税務研究センター評議員・同センター理事・同センター「日税研究賞」選考委員・同センター編集委員会委員、公益財団法人納税協会連合会「税に関する論文」選考委員、公益社団法人商事法務研究会「商事法務研究会賞」審査委員、近畿税理士会・近畿税務研究センター顧問など(一部現職。ほか歴任)。

主要著書は『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)、『租税回避研究の展開と課題〔清永敬次先生謝恩論文集〕』(共著・ミネルヴァ書房・2015年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法創造論』(清文社・2022年)、『税法基本判例Ⅰ』(清文社・2023年)、『基礎から学べる租税法〔第4版〕』(共著・弘文堂・2025年)、『税法基本講義〔第8版〕』(弘文堂・2025年)、『税法基本判例Ⅱ』(清文社・2025年)など。
 
   

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