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企業不正と税務調査 【第10回】「粉飾決算」 (1)棚卸資産の架空・過大計上

筆者:米澤 勝

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企業不正と税務調査

【第10回】

「粉飾決算」

(1) 棚卸資産の架空・過大計上

 

税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝

 

今回は、粉飾決算の手口の代表例である棚卸資産の過大(架空)計上をテーマに取り上げる。

本来、売上原価として当該事業年度の損金の額に算入しなければならないものを、棚卸資産(在庫)として貸借対照表に記載し、その分だけ、当期の売上総利益を大きく見せるという手法は、古典的ではあるものの、他の粉飾の手口と異なり、自社だけで不正が完結するという点で、利用されやすい。特に、ソフトウエア開発業者においては、開発中のソフトウエアの資産計上額(帳簿価額)を不正に大きく計上して、損失を先送りする例も多い。ソフトウエアは通常の商品在庫と違って目に見えないものであることから、会計監査における実地棚卸によっても粉飾が発見できないケースも考えられる。

今回は、こうした棚卸資産の過大(架空)計上による不正について、検討したい。

これまで見てきた、経営者による不正(売上除外架空・水増人件費の計上)、従業員による不正(経理部担当者営業担当者による横領)は、課税所得金額の減少を伴うものであり、課税庁(税務署)にとっては、「発見すれば追徴課税ができる」という意味から、不正発見に関してインセンティブが働くものであった。

しかし、今回から取り上げる「粉飾決算」は、本来納付すべき税額以上の税額を納付していることから、「発見したところで税収増には直結しない」不正であり、税務調査で発見されなかったり、発見されても是正されなかったりすることも少なくない。


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筆者紹介

  • 米澤 勝

    (よねざわ・まさる)

    税理士・公認不正検査士(CFE)

    1997年12月 税理士試験合格
    1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
    1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
    2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
    2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

    【著書】

    ・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

    ・『架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2011)

    ・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

    【寄稿】

    ・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

    ・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

    【セミナー・講演等】

    一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
    「会計不正の早期発見
    ――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

    公益財団法人日本監査役協会主催
    情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

    株式会社プロフェッションネットワーク主催
    「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

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