《速報解説》
配偶者居住権及び配偶者敷地権が消滅した場合の譲渡所得の計算
~令和2年度税制改正大綱~
税理士法人トゥモローズ 代表社員
税理士 大塚 英司
1 はじめに
令和元年税制改正において新たに規定された配偶者居住権に関しては、譲渡所得の取扱いについて専門家の間でも注目が集まっていたところであるが、令和2年度税制改正大綱では、配偶者居住権及び配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供されている土地等を配偶者居住権に基づき使用する権利(以下「配偶者敷地利用権」)が消滅等した場合及び配偶者居住権の目的となっている建物又はその建物の敷地の用に供されている土地等(以下「居住建物等」)をその所有者が譲渡した場合における取得費の取扱いが示された。
配偶者は、配偶者居住権及び配偶者敷地利用権自体を譲渡することはできないが、当該配偶者居住権等の合意解除や放棄をした場合において、当該権利が消滅等したときの譲渡所得に係る取得費や、相続により居住建物等を取得した相続人が当該権利の消滅等前に当該居住建物等を譲渡した場合における取得費の取扱いについて、本大綱により明らかにされた。
2 改正の背景
配偶者居住権は、前述のとおり、その設定期間中に配偶者が放棄することや、居住建物等の所有者との間の合意による解除を行うことができる。また、所有者は、配偶者が民法に定める用法遵守義務違反を行った場合には配偶者居住権を消滅させることもできる。このような場合には、居住建物等の所有者は、配偶者居住権の期間満了を待つことなく、その対象となった土地建物に関する使用収益の享受が可能となる。
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