公開日: 2020/01/09
文字サイズ

《速報解説》 配偶者居住権及び配偶者敷地権が消滅した場合の譲渡所得の計算~令和2年度税制改正大綱~

筆者: 大塚 英司

 《速報解説》

配偶者居住権及び配偶者敷地権が消滅した場合の譲渡所得の計算

~令和2年度税制改正大綱~

 

税理士法人トゥモローズ 代表社員
税理士 大塚 英司

 

1 はじめに

令和元年税制改正において新たに規定された配偶者居住権に関しては、譲渡所得の取扱いについて専門家の間でも注目が集まっていたところであるが、令和2年度税制改正大綱では、配偶者居住権及び配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供されている土地等を配偶者居住権に基づき使用する権利(以下「配偶者敷地利用権」)が消滅等した場合及び配偶者居住権の目的となっている建物又はその建物の敷地の用に供されている土地等(以下「居住建物等」)をその所有者が譲渡した場合における取得費の取扱いが示された。

配偶者は、配偶者居住権及び配偶者敷地利用権自体を譲渡することはできないが、当該配偶者居住権等の合意解除や放棄をした場合において、当該権利が消滅等したときの譲渡所得に係る取得費や、相続により居住建物等を取得した相続人が当該権利の消滅等前に当該居住建物等を譲渡した場合における取得費の取扱いについて、本大綱により明らかにされた。

 

2 改正の背景

配偶者居住権は、前述のとおり、その設定期間中に配偶者が放棄することや、居住建物等の所有者との間の合意による解除を行うことができる。また、所有者は、配偶者が民法に定める用法遵守義務違反を行った場合には配偶者居住権を消滅させることもできる。このような場合には、居住建物等の所有者は、配偶者居住権の期間満了を待つことなく、その対象となった土地建物に関する使用収益の享受が可能となる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

 《速報解説》

配偶者居住権及び配偶者敷地権が消滅した場合の譲渡所得の計算

~令和2年度税制改正大綱~

 

税理士法人トゥモローズ 代表社員
税理士 大塚 英司

 

1 はじめに

令和元年税制改正において新たに規定された配偶者居住権に関しては、譲渡所得の取扱いについて専門家の間でも注目が集まっていたところであるが、令和2年度税制改正大綱では、配偶者居住権及び配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供されている土地等を配偶者居住権に基づき使用する権利(以下「配偶者敷地利用権」)が消滅等した場合及び配偶者居住権の目的となっている建物又はその建物の敷地の用に供されている土地等(以下「居住建物等」)をその所有者が譲渡した場合における取得費の取扱いが示された。

配偶者は、配偶者居住権及び配偶者敷地利用権自体を譲渡することはできないが、当該配偶者居住権等の合意解除や放棄をした場合において、当該権利が消滅等したときの譲渡所得に係る取得費や、相続により居住建物等を取得した相続人が当該権利の消滅等前に当該居住建物等を譲渡した場合における取得費の取扱いについて、本大綱により明らかにされた。

 

2 改正の背景

配偶者居住権は、前述のとおり、その設定期間中に配偶者が放棄することや、居住建物等の所有者との間の合意による解除を行うことができる。また、所有者は、配偶者が民法に定める用法遵守義務違反を行った場合には配偶者居住権を消滅させることもできる。このような場合には、居住建物等の所有者は、配偶者居住権の期間満了を待つことなく、その対象となった土地建物に関する使用収益の享受が可能となる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

◆ 「令和2年度税制改正大綱」に関する《速報解説》 ◆

(※) 各テーマごとに順次公開します。

【全体概要】・・・・・・・・
【所得課税】・・・・・・・・
【法人課税】・・・・・・・・
【消費課税】・・・・・・・・
【資産課税】・・・・・・・・
【国際課税】・・・・・・・・
【納税環境】・・・・・・・・

筆者紹介

大塚 英司

(おおつか・えいじ)

税理士
税理士法人トゥモローズ 代表社員

埼玉県所沢市出身

東日本税理士法人、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人(現EY税理士法人)、を経て、平成27年に税理士法人トゥモローズを設立、代表社員就任。個人、法人の税務申告から相続税申告及び事業承継対策に従事。

◆税理士法人トゥモローズ
所在地:〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町14-10アソルティ小伝馬町Liens 3階B室
TEL:03-3527-3756
FAX:050-3737-4418
URL:http://tomorrowstax.com

【著作】
・『専門税理士が教える!「相続開始後」でも提案できる相続アドバイス-初回面談から申告実務、アフターフォローまで』(清文社)
・『歯科医院の上手なたたみ方・引き継ぎ方-閉院/事業承継/相続の手順とポイント』(清文社)
・『新版 イレギュラーな相続に対処する/未分割申告の税実務』(清文社)

  

関連書籍

資産税実務問答集

井上浩二 編 信永 弘 編

相続税・贈与税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

空き家の法律問題と実務対応

弁護士・税理士 羽柴研吾 著

不動産の評価・権利調整と税務

鵜野和夫 著 税理士・不動産鑑定士 下﨑 寛 著 税理士・不動産鑑定士 関原教雄 著

相続税実務の“鉄則”に従ってはいけないケースと留意点

中島孝一 著 西野道之助 著 飯田昭雄 著 佐々木京子 著 高野雅之 著 若山寿裕 著 佐久間美亜 著

読解 不動産登記Q&A

司法書士 飯川洋一 著 弁護士 官澤里美 著 土地家屋調査士 高橋一秀 著 司法書士 佐藤光洋 著

図解でわかる 不動産オーナーの相続対策

税理士 今仲 清 著 税理士 坪多晶子 著

路線価による土地評価の実務

公認会計士・税理士 名和道紀 共著           長井庸子 共著

相続登記の全実務

司法書士 田口真一郎 著      黒川 龍  著

新・くらしの税金百科 2024→2025

公益財団法人 納税協会連合会 編

「配当還元方式」徹底活用ガイド

税理士 山本和義 著

民法・税法2つの視点で見る贈与

弁護士法人ピクト法律事務所 代表弁護士 永吉啓一郎 著

信託法務大全 第2編

田中和明 編著 小出卓哉 編著 及川富美子 著 齋藤 崇 著 佐久間 亨 著 冨田雄介 著 畠山久志 著 松田和之 著 森田豪丈 著

【電子書籍版】相続税・贈与税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

【電子書籍版】資産税実務問答集

後藤幸泰 編 信永 弘 編

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#