常識としてのビジネス法律
【第9回】
「契約に関する法律知識(その5)」
弁護士 矢野 千秋
1 公正証書
契約によく関係するものに、公正証書がある。
(1) 公正証書の効力
公正証書とは、公証人が当事者の嘱託を受け、契約等について作成した証書である。適法かつ有効な内容で、無能力による取消しのおそれのない契約であれば、いかなる内容の契約でも公正証書にすることは可能であるが、その内容を公正証書にするだけの実益がなければ意味がない。
「実益がある場合」とは公正証書の効力をうまく利用している場合をいうため、まずは公正証書の効力について述べる。
① 債務名義としての効力
最も重要な効力であり、裁判所の判決なしに強制執行ができるということである。
これには2つ条件がある。
まず、一定の金額の支払い又は他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とするものに限られる。公証役場で1時間程度で作成して判決の代わりになるのであるから、シンプルな金銭等に限られる。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。