顧問先の経理財務部門の
“偏差値”が分かる
スコアリングモデル
【第21回】
「固定資産管理のKPI
(その② 有形固定資産現物管理)」
株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦
はじめに
今回は、固定資産管理を構成する複数のKPIから、「有形固定資産現物管理」のサービスレベルを評価するKPIを取り上げる。
有形固定資産は、販売を予定した棚卸資産と異なり、会社がその営業目的を達成するため長期間にわたり利用することを予定しているため、適正な管理を行う必要がある。すなわち、取得、支払、減価償却費の計上、リース料の計上、現物実査、資産評価、メンテナンス実行、除却といった一連の活動が発生する。
そこで、今回は、有形固定資産管理について、その効率性や適正人員配置の判断、自社による管理と外部業者への委託の是非に関する経営意思決定に役立つKPIを紹介しよう。
◆KPIの項目◆
〔調査対象業務〕
固定資産管理
〔調査対象業務プロセス〕
有形固定資産現物管理
〔調査項目〕
有形固定資産管理担当者1人あたり管理する取得件数及び除却件数はどの程度ですか。次の式に従って算出した数値を回答欄に記入してください。
〔回答形式〕
「件数」
KPIが設定された業務プロセスの確認
まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。
前回述べたとおり、経済産業省スタンダードでは、固定資産管理において、会社が担う一般的な機能として、「資産取得」、「減価償却費管理」、「現物管理」、「資産評価(減損)」、「メンテナンス対応」、「資産除却」、「リース管理」、「固定資産税申告・納付」という8個の機能を挙げている。
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