公開日: 2013/06/27 (掲載号:No.25)
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顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第4回】「KPIで評価するというアプローチ」 ~KPIを絞り込め~

筆者: 島 紀彦

顧問先の経理財務部門の

“偏差値”が分かる

スコアリングモデル

【第4回】

「KPIで評価するというアプローチ」

~KPIを絞り込め~

 

株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦

 

はじめに

前回述べたとおり、スコアリングモデルは、経理財務を構成する18種類の業務について、「正確性」、「効率性」、「安定性」、「リスク管理」、「戦略性」の5つの視点で経営管理レベル向上の鍵となる評価指標の達成度をスコアとして表すものである。

具体的に経理財務部門のサービスレベルを評価するため、スコアリングモデルでは、経営管理レベルを向上させる鍵となる重要要素を抽出し、その達成度を測定するために適切な評価指標を設定している。評価指標の英語は、Key Performance Indicatorであるが、実務では、略してKPIと呼ぶ。

今回は、経理財務部門をKPIで評価するという考え方に馴染んでいただくため、具体例を示して解説しよう。

 

KPIの絞込みで参考にした外部ワーキンググループの声

経済産業省主導でスコアリングモデルを構築していた時点では、KPIとして数百個の評価指標が候補に挙げられていた。この数百個のKPI候補は、主として会計領域の専門的なコンサルティングを行うコンサルタントや会計監査に従事する公認会計士を中心に洗い出したものである。

しかし、数百個ではあまりにも数が多く、実務には到底使えないため、会社に無理なく受け入れられる数まで絞り込む必要が出てきた。

そこで、KPIの絞込みにあたり、各界から意見を募るため、監査法人、銀行、投資会社、IT関連会社、社団・財団法人など約40団体で構成されるワーキンググループを組成した(図表7)。なお、呼称は平成17年当時のままである。

図表7 ワーキンググループを構成したメンバー
※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。

 

ワーキンググループを構成するメンバーの立ち位置は様々であることから、その意見も様々であった。

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顧問先の経理財務部門の

“偏差値”が分かる

スコアリングモデル

【第4回】

「KPIで評価するというアプローチ」

~KPIを絞り込め~

 

株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦

 

はじめに

前回述べたとおり、スコアリングモデルは、経理財務を構成する18種類の業務について、「正確性」、「効率性」、「安定性」、「リスク管理」、「戦略性」の5つの視点で経営管理レベル向上の鍵となる評価指標の達成度をスコアとして表すものである。

具体的に経理財務部門のサービスレベルを評価するため、スコアリングモデルでは、経営管理レベルを向上させる鍵となる重要要素を抽出し、その達成度を測定するために適切な評価指標を設定している。評価指標の英語は、Key Performance Indicatorであるが、実務では、略してKPIと呼ぶ。

今回は、経理財務部門をKPIで評価するという考え方に馴染んでいただくため、具体例を示して解説しよう。

 

KPIの絞込みで参考にした外部ワーキンググループの声

経済産業省主導でスコアリングモデルを構築していた時点では、KPIとして数百個の評価指標が候補に挙げられていた。この数百個のKPI候補は、主として会計領域の専門的なコンサルティングを行うコンサルタントや会計監査に従事する公認会計士を中心に洗い出したものである。

しかし、数百個ではあまりにも数が多く、実務には到底使えないため、会社に無理なく受け入れられる数まで絞り込む必要が出てきた。

そこで、KPIの絞込みにあたり、各界から意見を募るため、監査法人、銀行、投資会社、IT関連会社、社団・財団法人など約40団体で構成されるワーキンググループを組成した(図表7)。なお、呼称は平成17年当時のままである。

図表7 ワーキンググループを構成したメンバー
※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。

 

ワーキンググループを構成するメンバーの立ち位置は様々であることから、その意見も様々であった。

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連載目次

顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル [総論]

[総論] 《第1回~第9回》

  • 【第1回】
    経営者の視点で経理財務部門の課題を考える
     ~経理財務分野で解決されるべき課題~
  • 【第2回】
    スコアリングモデルの概要と基本構想
     ~専門知識はいらない~
  • 【第3回】
    スコアリングモデルの評価の視点
     ~経理財務部門は5つの視点で評価せよ~
  • 【第4回】
    KPIで評価するというアプローチ
     ~KPIを絞り込め~
  • 【第5回】
    スコアリングモデルの特長
     ~非会計情報を、定量化し、相対評価せよ~
  • 【第6回】
    スコアリングモデルで評価する留意点
     ~いきなり業績評価に使ってはいけない~
  • 【第7回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~総合スコア~
  • 【第8回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~財務諸表の信頼性スコア~
  • 【第9回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~業務の有効性・効率性スコア~

筆者紹介

島 紀彦

(しま・のりひこ)

株式会社スタンダード機構
代表取締役

昭和45年 富山県富山市生まれ
富山市立堀川中学校卒業 バスケットボール部に所属
富山県立富山高校理数科卒業 山岳部に所属
東京大学法学部(公法学科)卒業

平成6年 住友銀行入社
外資系コンサルティング会社にて、経営コンサルティングに従事
米国ロサンゼルス投資会社にて、投資調査に従事
新日本有限責任監査法人にて、事業戦略・管理会計コンサルティングに従事
平成19年6月より現職
投資・M&A分野、事業戦略・管理分野、事業再編分野、リスクマネジメント分野のコンサルティングに従事

関連書籍

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