公開日: 2014/02/06 (掲載号:No.55)
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顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第34回】「個別決算業務のKPI(その① 決算準備)」

筆者: 島 紀彦

顧問先の経理財務部門の

“偏差値”が分かる

スコアリングモデル

【第34回】

「個別決算業務のKPI

(その① 決算準備)」

 

株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦

 

はじめに

昨年の初夏の候にこの連載を始めたが、駟の隙を過ぐるが如く年改まり、早余寒の候、残すところ3回となった。そこで、今回から最終回までを、経理財務部門の業務の締めくくりである「個別決算業務」を評価するKPIの解説に当てて、連載の終着を図ることとしよう。

個別決算業務は、連結子会社を保有しない会社の決算報告書を作成する業務である。他のすべての業務の流れの最終地点に位置し、経理財務部門が最も主体性を持って取り組むことが経営者や利害関係者から期待されることを考えれば、個別決算業務は、経理財務部門のサービスレベルを直接的かつ総合的に映し出す業務である。

個別決算業務という呼称の語尾に、「管理」という文字を付けず、ただ「業務」と呼ばれているのは、それが他部門の業務を管理する性質のものではなく、それ自体が経理財務部門の本来業務であると理解されている表れかもしれない。

そこで、個別決算業務の入り口にあたる決算準備段階で経理財務部門が担うべき戦略性を評価するKPIを取り上げる。

KPIの項目

〔調査対象業務〕
個別決算業務

〔調査対象業務プロセス〕
決算準備

〔調査項目〕
経理財務部が、個別決算の期末処理方針を作成し、事前に経営層に報告するのは、直前決算期末日から遡って起算して何日前ですか。日数を回答欄に記入してください。

〔回答形式〕
「日数」

 

KPIが設定された業務プロセスの確認

まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。

経済産業省スタンダードにおいて、スコアリングモデルの個別決算業務に対応する業務を単体決算業務と呼んでいるが、両者の内容は同じである。

この単体決算業務において、会社が担う一般的な機能として、「決算準備」、「決算手続」、「役員報告」、「監査対応」の4個の機能を挙げている。

今回解説するKPIは、「決算準備」を構成する唯一の機能である「事前準備」に関連する業務プロセスにおいて設定されている。

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顧問先の経理財務部門の

“偏差値”が分かる

スコアリングモデル

【第34回】

「個別決算業務のKPI

(その① 決算準備)」

 

株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦

 

はじめに

昨年の初夏の候にこの連載を始めたが、駟の隙を過ぐるが如く年改まり、早余寒の候、残すところ3回となった。そこで、今回から最終回までを、経理財務部門の業務の締めくくりである「個別決算業務」を評価するKPIの解説に当てて、連載の終着を図ることとしよう。

個別決算業務は、連結子会社を保有しない会社の決算報告書を作成する業務である。他のすべての業務の流れの最終地点に位置し、経理財務部門が最も主体性を持って取り組むことが経営者や利害関係者から期待されることを考えれば、個別決算業務は、経理財務部門のサービスレベルを直接的かつ総合的に映し出す業務である。

個別決算業務という呼称の語尾に、「管理」という文字を付けず、ただ「業務」と呼ばれているのは、それが他部門の業務を管理する性質のものではなく、それ自体が経理財務部門の本来業務であると理解されている表れかもしれない。

そこで、個別決算業務の入り口にあたる決算準備段階で経理財務部門が担うべき戦略性を評価するKPIを取り上げる。

KPIの項目

〔調査対象業務〕
個別決算業務

〔調査対象業務プロセス〕
決算準備

〔調査項目〕
経理財務部が、個別決算の期末処理方針を作成し、事前に経営層に報告するのは、直前決算期末日から遡って起算して何日前ですか。日数を回答欄に記入してください。

〔回答形式〕
「日数」

 

KPIが設定された業務プロセスの確認

まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。

経済産業省スタンダードにおいて、スコアリングモデルの個別決算業務に対応する業務を単体決算業務と呼んでいるが、両者の内容は同じである。

この単体決算業務において、会社が担う一般的な機能として、「決算準備」、「決算手続」、「役員報告」、「監査対応」の4個の機能を挙げている。

今回解説するKPIは、「決算準備」を構成する唯一の機能である「事前準備」に関連する業務プロセスにおいて設定されている。

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連載目次

顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル [総論]

[総論] 《第1回~第9回》

  • 【第1回】
    経営者の視点で経理財務部門の課題を考える
     ~経理財務分野で解決されるべき課題~
  • 【第2回】
    スコアリングモデルの概要と基本構想
     ~専門知識はいらない~
  • 【第3回】
    スコアリングモデルの評価の視点
     ~経理財務部門は5つの視点で評価せよ~
  • 【第4回】
    KPIで評価するというアプローチ
     ~KPIを絞り込め~
  • 【第5回】
    スコアリングモデルの特長
     ~非会計情報を、定量化し、相対評価せよ~
  • 【第6回】
    スコアリングモデルで評価する留意点
     ~いきなり業績評価に使ってはいけない~
  • 【第7回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~総合スコア~
  • 【第8回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~財務諸表の信頼性スコア~
  • 【第9回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~業務の有効性・効率性スコア~

筆者紹介

島 紀彦

(しま・のりひこ)

株式会社スタンダード機構
代表取締役

昭和45年 富山県富山市生まれ
富山市立堀川中学校卒業 バスケットボール部に所属
富山県立富山高校理数科卒業 山岳部に所属
東京大学法学部(公法学科)卒業

平成6年 住友銀行入社
外資系コンサルティング会社にて、経営コンサルティングに従事
米国ロサンゼルス投資会社にて、投資調査に従事
新日本有限責任監査法人にて、事業戦略・管理会計コンサルティングに従事
平成19年6月より現職
投資・M&A分野、事業戦略・管理分野、事業再編分野、リスクマネジメント分野のコンサルティングに従事

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