事例で検証する
最新コンプライアンス問題
【第15回】
「自動車メーカー会長逮捕事件
-経営トップへのガバナンス(下)」
弁護士 原 正雄
2019年3月27日、自動車メーカーN社が、ガバナンス改善特別委員会からの報告書を公表した(以下「委員会報告書」という)。同報告書は、同社の会長が逮捕されたことを契機に、同社のガバナンス上の問題点を解明し、取締役の報酬の決定プロセスを始めとするガバナンスの改善点等を提言するものである。
本稿は、委員会報告書や報道を元に、前回の「上」で取締役の報酬という観点を中心にガバナンス上の問題論じた。続く「下」では、「経営体制と株主との関係」という観点を中心に、ガバナンス上の問題を論じることとする。
1 指名委員会等設置会社への移行
(1) 委員会報告書による提言
本稿の「上」で述べたとおり、自動車メーカーN社では「会長への人事・報酬を含む権限の集中」が生じていた。この点にガバナンス上の大きな問題があった。
そこで、この点を改善するため、2019年3月27日付のガバナンス改善特別委員会からの報告書(委員会報告書)は、自動車メーカーN社に対して、「指名委員会等設置会社」に移行することを提言した。
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